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東京大学と京セラが新たな社会連携講座を開設

このたび、国立大学法人東京大学大学院工学系研究科(研究科長:加藤 泰浩、以下 東京大学)と京セラ株式会社(代表取締役社長:谷本 秀夫、以下 京セラ)は、「建物・インフラの安全を見守るミリ波モニタリングの開発」に関する社会連携講座※1を開設いたしましたのでお知らせします。
なお、本件は、2022年9月29日(木)に締結した共同研究統括マネジメント実施契約※2に基づき、東京大学と京セラが共同研究を行う社会連携講座のひとつとして取り組んでまいります。

■本社会連携講座開設の背景
日本では、高度経済成長期に数多くの建物やインフラを集中的に整備してきており、これらの施設の老朽化への対応が今後ますます重要となります。不具合が発生してから事後保全をする場合には、莫大な費用がかかることが見込まれており、将来にかかる維持管理・更新費用を可能な限り抑制していくために、予防保全への本格転換に向けた取り組みが求められています。
本講座では、建物やインフラの予防保全への取り組みとして、京セラが開発したミリ波センサーを活用し、建物や橋梁など都市を構成する構造物の安全性をリアルタイムで判定する社会実装可能な技術の確立を目指します。
さらに東京大学では、学部および大学院において、減災構造工学や動力学特論などの建物やインフラの健全性モニタリング技術に関する講義を通じ、ミリ波センサーを含むさまざまな計測技術を用い、日々の健康から建築・都市といった生活空間までの安全・安心の向上を実践できる人材の育成に努めます。

■「建物・インフラの安全を見守るミリ波モニタリング」について

画像1:
ミリ波センサー
は、ミリ波帯域の電磁波を送受信することにより、計測対象物の距離や速度を計測できるもので、特に車載用センサーとして広く用いられています。さらに、物体の微細な振動を計測することも可能であり、さまざまなアプリケーションへの応用が考えられます。京セラの先進技術研究所では、独自の低ノイズのミリ波センサーハードウェアと振動解析アルゴリズムを開発し、微細な振動を空間的に分解しながら、正確に測定することを可能とする「非接触インテリジェントミリ波センシングシステム」を開発しました。このミリ波センサーを使って、物体に触れることなく、マイクロメートル単位の微細振動を高精度に検知し、固定点から非接触で道路や建物をセンシングすることが可能です。
そして、このセンシングデータを蓄積することで、将来的には建物やインフラの健全性の診断サービスを提供するなど、予防保全に役立つソリューションを提供していきたいと考えています。

■本社会連携講座の概要
表1: https://www.atpress.ne.jp/releases/369835/table_369835_1.jpg

※1:社会連携講座とは、公共性の高い共通の課題について、大学と民間企業または研究機関などの学外機関が、それぞれの技術・知見を活かして共同で研究を実施する制度です。
※2:共同研究統括マネジメント実施契約とは、共同研究統括マネジメントプログラムを実施するための契約です。共同研究統括マネジメントプログラムは革新的な共同研究テーマ創出のため、どのような社会連携講座を開講するのかなどを共同で協議するものです。

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