2022年10月13日 14:00
アミタホールディングス株式会社(本社:京都府京都市 代表取締役会長兼CEO:熊野 英介、代表取締役社長兼COO:佐藤博之 以下 アミタHD)とNTTコミュニケーションズ株式会社(本社:東京都千代田区 代表取締役社長:丸岡亨 以下 NTT Com)は、「サーキュラー・プラットフォームの構築による市場創出に関する基本合意書」(以下 本合意)を締結しました。両社は今回の合意に基づき、サーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現と行政・地域コミュニティが抱える課題を解決する「サーキュラー・プラットフォーム」の構築による、市場創出および新規事業開発に向けた検討を進めます。
1. 背景
人口減少、少子高齢化、社会保障費の増大といった社会問題や、気候変動、地下資源の枯渇といった地球環境問題が深刻化する中、持続可能な社会づくりの必要性が高まっています。
アミタグループは、45年にわたり日本の環境ビジネスを牽引し、企業・自治体の持続性向上を支援する統合サービスを展開するとともに、産官学民共同でバリューチェーンの最適化を実現するプラットフォームおよびソリューションの開発・提供に取り組んでいます。NTT Comは顧客の事業創造や競争力の強化を導くデジタルトランスフォーメーション(DX)を通じて、社会課題を解決する「Smart World」の実現を目指した取り組みを進めています。
両社はJ-CEP(ジャパン・サーキュラー・エコノミー・パートナーシップ)(※1)での活動をきっかけとして、持続可能な社会の実現には、サーキュラーエコノミーやDXを推進し、資源循環の課題と地域課題を同時に解決するエコシステム社会の形成が必要との考えで一致しました。
2.「サーキュラー・プラットフォーム」の概要
「サーキュラー・プラットフォーム」は、市民(消費者)、地域(自治体)、企業から成るエコシステムと、環境負荷の観点から収集したデータを可視化するデジタル技術から構成されるものです。これにより、再生資源や製品の循環を生み出し、市民・企業に以下の行動変容をもたらします。
(1)市民の行動変容
持ち込んだ資源の量・種類や、どのように循環されるか・環境負荷がどの程度低減されるかを可視化することで、より適切な分別・排出に向け、意識を高めます。それによって、より環境負荷が低い製品・サービスの購買が促進されます。
(2)企業の行動変容
生産する製品に使われる素材や、その原料となる資源の量・種類を把握できることで、必要な再生資源の計画的な使用と調達を実現できます。また、販売する製品やサービスの調達・生産・流通のプロセスを、環境負荷の観点で評価し、改善できるようになります。
<「サーキュラー・プラットフォーム」のイメージ>
3. 本合意を通じた取り組み内容
「サーキュラー・プラットフォーム」の構築に向け本合意にもとづき以下に取り組みます。
(1) 市民の暮らし領域に関するもの
ウェルビーイング(※2)向上、環境影響(CO2、生物多様性など)の可視化・改善、域内経済循環の促進に資する情報システムの企画設計・両社アセットによる実証試験、市場創出およびサービス提供の検討
(2) 産業領域に関するもの
「資源循環プラットフォーム」(※3)、プロダクト・アズ・ア・サービス(※4)(PaaS)の構築に関する情報システムの企画設計・両社アセットによる実証試験、市場創出およびサービス提供の検討
(3) 研究会の発足・運営
オープン型での企業の参加・連携を可能とする環境課題と地域・社会課題を解決するための情報プラットフォーム構築に関する研究会型の組織体の企画・運営
4. 各社の役割
アミタHD:「MEGURU STATION(R)」(※5)を含む資源回収・コミュニティ醸成拠点における各種社会実証の企画および運用、市民に対する行動変容の検証企画、回収方法と再利用時の品質を考慮した選別フローの企画
NTT Com:ICTシステム導入検討および構築、「資源循環プラットフォーム」構築に必要な情報システムに関する企画、保有する情報システムやサービスの実証試験への提供
5. 各社のコメント
アミタホールディングス株式会社 代表取締役社長兼COO 佐藤 博之
複雑化した社会課題が山積みの昨今、市民・企業・自治体が連携して全体最適を実現するエコシステム社会の形成が必要です。NTTコミュニケーションズとは、これまでも新事業共創パートナーシップ「J-CEP」を通じて共にサーキュラーエコノミーを推進してきました。この度の事業連携では、同社の通信・情報分野における高度な技術と当社の環境・コミュニティ分野におけるノウハウやネットワークをかけ合わせることで、さらなるスピード感を持って、ものと情報と気持ちがめぐる「サーキュラー・プラットフォーム」の開発を目指します。
NTTコミュニケーションズ株式会社 代表取締役副社長 菅原 英宗
これからの企業活動には、環境価値という土台の上に社会価値、その上に経済価値を成立させることが求められ、地球環境への配慮に対する取り組みは非常に重要性を増しています。
地球と共生し「ウェルビーイング」が実現した社会を目指し、ICTの力でサーキュラーエコノミーの実現、地域社会の課題解決、および地球環境の課題解決への流れを加速させたいと、私たちNTTコミュニケーションズは考えています。
6. 今後の展開
両社は、2023年度末の事業化を目指し「サーキュラー・プラットフォーム」を構築することで、資源循環をもとにした環境課題と地域・社会課題の解決に向けた取り組みを加速し、持続可能な社会の実現に貢献します。
(※1):J-CEP(ジャパン・サーキュラー・エコノミー・パートナーシップ)とは、持続可能な社会の実現を目指す企業などが、住民・行政・大学などと連携して、サーキュラーエコノミーの推進に取り組む新事業共創パートナーシップです。詳細は、J-CEP Webサイトをご覧ください。https://www.j-cep.com/
(※2):ウェルビーイングとは、身体面だけでなく、精神面や社会面を含めてバランスよく良好な状態であることを意味し、身体的かつ精神的に健康な状態からさらに踏み込んで、総合的に生活の質が高い状態を目指すものです。
(※3):「資源循環プラットフォーム」とは、「サーキュラー・プラットフォーム」を構成するシステムです。資源ごみの種別や量などを把握できるプラットフォームとなります。
(※4):プロダクト・アズ・ア・サービスとは、リースやシェアリング、サブスクリプションなど、消費者が製品を持たずに利用でき、サービス提供者は製品が提供する「サービス(機能)」を継続的に販売するサービスです。資源および資産の有効活用につながるため、サーキュラーエコノミーの一つのビジネスモデルとなります。
(※5):「MEGURU STATION(R)」とは、サーキュラーエコノミーを促進する資源回収機能と住民が交流するコミュニティ醸成機能を有するアミタグループが展開する持続可能な地域づくりの中核サービスです。
関連リンク
アミタホールディングス株式会社
https://www.amita-hd.co.jp/
NTTコミュニケーションズ株式会社
https://www.ntt.com/