2022年6月15日 15:00
株式会社東急エージェンシー(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員:澁谷 尚幸)は、ユーザーから予め利用の同意を取得した、個人を特定する情報を含まないスマホアプリの利用ログデータ(以下、スマホログデータ)を活用し、自社保有データだけでは見えない生活者の行動や志向を把握し、マーケティング計画の立案・実行を支援するサービスを開発しました。
「Loyal-U Finder」(ロイヤル・ファインダー)試験運用版(β版)として、2022年6月15日より試験的な提供を開始します。
●ご提供するソリューション
リアルな生活実態を最も反映するデータともいえるスマホログデータを利用して、自社のアプリユーザーの把握や潜在顧客の探索を行います。利用しているアプリ、その起動回数・時間、アプリ間の併用実態などを分析し顧客像を明らかにします。またマスメディアやデジタルメディアとの接触データと結びつけることで、メディアプランニングやバイイングにも活用できます。
当社コンサルタントがサポートを行う形でサービスを提供し、事業者様の以下の課題を解決します。
(1)自社アプリユーザーへのCRM活動の最適化(自社顧客のニーズに即したアプリの改良やコンテンツの制作など)
(2)自社アプリダウンロード数拡大(自社アプリユーザーの類似者や競合アプリユーザーに対するアプローチなど)
(3)自社アプリユーザーに類似した見込顧客に対する販売促進策(新商品やキャンペーンの告知など)
まずはテスト運用版(β版)のご提供を通じて、データに基づく精度の高いマーケティング戦略や施策の策定を推進してまいります。
●分析の手順例
自社アプリを利用しているユーザーは自社商品・サービスの利用金額が多いという傾向が当社調査からも明らかになっています。それを踏まえ自社アプリユーザーに類似した特性を持つ人を見込顧客ととらえ、以下の手順で発見しアプローチを行っていきます。
(1)個人を特定する情報を含まない大量のスマホログデータを、東急エージェンシーの分析ツール「Target Finder(R)」*1でクラスター分析*2
(2)各クラスターにおける自社アプリの利用率を把握し、利用率の高いクラスターを選定
(3)利用率の高いクラスターに属しながら自社アプリを利用していない人をターゲットとして、スマホ利用実態からプロファイリング
(4)ターゲットプロファイルに応じたマーケティング戦略や施策を検討しつつ、メディア接触データをあわせて確認し、テレビ広告などのプランニング、バイイングを行う
なお本サービスで利用するスマホログデータは、スマートフォン事業者が第三者提供することについてユーザーより予め同意を取得した、個人を特定する情報を含まないものです。当社は当該スマホログデータの提供を受け活用するものであり、当社において特定の個人を識別することはなく、情報の取り扱いには十分配慮を行っております。*3
●開発の背景
昨今、生活者におけるスマホの利用時間は増加の一途をたどり、さまざまな事業者がアプリによるサービスを提供しています。最近は、ゲームやSNSなどエンターテインメント系アプリのほか、金融やEC、健康支援アプリなど、より生活に密着したアプリの増加が特徴的です。それらから収集されるスマホログデータは、ユーザーの関心事を如実に反映し、生活者の行動や志向を把握・評価するための重要なマーケティング指標となります。
一方で顧客とのダイレクトな接点づくりと維持に取り組む事業者においては、自社スマホアプリの提供・改善が欠かせません。アプリによる継続的でタイムリーな情報発信、そのための顧客行動の把握や施策への反映が、LTV(顧客生涯価値)向上のために必要とされています。
これら生活者の変化を踏まえ、事業者課題を解決すべく、今回のスマホログデータを活用したマーケティング支援サービスの開発に至りました。
*1 Target Finder(R)(見込顧客を自動発見する人工知能エンジン):
国立研究開発法人産業技術総合研究所が開発したプログラム「APOSTOOL(現:PLASMA)」をベースに、東急エージェンシーが開発したオリジナルのクラスタリングツールです。事前の仮説なしに「誰が・何を・どれくらい」を示す行動データを投入するだけでAIが自動で顧客のタイプ分けを行い、ターゲットクラスターや潜在顧客の抽出が可能です。
*2 クラスター分析:
異なるものが混ざりあっている集団の中から似たもの同士を集めてグループ(クラスター)に分ける分析方法です。
*3 当社は情報セキュリティマネジメントシステムの認証を取得しています。
なお、Target Finder(R)は当社の登録商標です。Loyal-U Finderは商標登録出願中です。