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新潟医療福祉大学とトッパンフォームズが共同研究

NSGグループの新潟医療福祉大学健康スポーツ学科佐藤研究室(以下佐藤研究室)とトッパン・フォームズ株式会社(以下トッパンフォームズ)は、「月経周期による体温変化と人の神経機能に関する研究」をテーマに共同研究を2021年12月1日より開始しました。本共同研究では、女性特有の生体リズムによる心身や行動特性の変化を可視化し、生体リズムに合った行動変容を可能にすることで、女性特有の社会的課題を解決する糸口をつかみ、女性がさらに活躍できる社会の実現に繋げていくことが目的です。現在、体温および女性ホルモン濃度の変動から月経周期の把握をするとともに、ストレスに関連する自律神経活動や手指の細かい動作に関わる神経活動の変化を調べています。
佐藤研究室は、月経周期と運動を学習する能力の関係性などの研究を行っており、最終的には共同研究で得た知見をもとに、スマートフォン上で誰でも簡単に心身状態の把握や注意事項を確認できるアプリケーションへと発展させることを想定しています。

【共同研究の概要】
本共同研究は「わたしの温度」を用いて取得した被験者30名の月経周期に関するデータと、女性の技能や行動に関する佐藤研究室の研究知見を掛け合わせることで、行動特性などが月経周期によってどのように変化するかを確認します。さらに変化の原因について神経科学の視点から明らかにすることで、月経周期による女性のパフォーマンス変化を可視化します。

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パフォーマンス変化を可視化

【背景】
女性には、さまざまなライフイベントに欠かすことのできない月経周期という特有の生体リズムが存在しています。その一方で、このリズムが、心身の変化を引き起こし、仕事や私生活に大きな影響を及ぼしています。近年、社会では、「働く女性の増加」や「女性の活躍増進」を目指した取り組みがなされており、女性の健康について注目が高まっています。しかし、自身のリズム、それに伴う心身の変化を深く理解している女性は少なく、女性の健康に対する、企業や男性からの理解度も低いのが現状です。

佐藤研究室では、月経を女性の味方にすることを目指した研究を進めています。特に、月経周期による競技や仕事などパフォーマンスの変化に着目し、その原因を技能面や行動面および神経生理学的観点から解明することに力を注いでいます。これまでに、月経周期によって、運動を学習する能力が変化することや(Ikarashi, Sato et al. Brain Sciences 2020)、皮膚や筋の動きを感じる能力に関係する一次体性感覚野の神経活動が変化することなどを明らかにしてきました(Ikarashi et al. Womens Health Rep 2020)。

トッパンフォームズは、女性の健康管理のサポートや新たな健康文化の醸成を推進するため就寝中の温度リズムを手軽に自動記録できるヘルスケア IoT サービス「わたしの温度」を開発しました。「わたしの温度」は、ウェアラブルデバイスをナイトブラに装着して使用するため、従来の口内体温計の課題である毎朝決まった時間に起床し、計測・記録する手間やばらつきがなくなり、簡単に同一条件での計測が可能になります。

【月経周期による変化を確認する内容の詳細】
(1)行動特性の把握
私たちの日常生活や労働活動では、パソコン操作・ゲーム・料理など、正確で細かい手指の動作や、動きを止める・我慢するといった自身の行動抑制が求められます。月経周期によって細かい動作に関わる機能や、行動を抑制する機能が変動することを把握できれば、自身が不適切な行動をとらないようあらかじめ注意することができるようになります。
(2)神経活動機能
女性はストレスなどの影響で自律神経活動が乱れ、月経周期も乱れることが知られています。月経周期による自立神経活動や行動特性に関わる神経活動を把握することで、ストレスなどの影響を予知することができるようになります。
(3) 心理状態
女性によっては、月経前症候群(PMS)が生じる人もいます。月経周期のタイプと月経随伴症状の関連性を把握できれば、自身の不調を予測し、注意することができるようになります。
以上

※「わたしの温度」は、トッパン・フォームズ株式会社の登録商標です。
※記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。

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被験者30名の月経周期を把握

パフォーマンス変化を可視化