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ゲームプレイで「課題遂行能力」が向上することを発見か。レノボ・鹿屋体育大らが発表

 レノボ・ジャパン合同会社は、九州産業大学人間科学部准教授の萩原悟一氏、鹿屋体育大学体育学部教授竹下俊一氏らの監修のもと行なっている「Game Wellness Project」の研究結果として、ゲームをプレイ後に学習や仕事に関係する「課題遂行能力」が向上したと発表した。

 同プロジェクトはレノボとほか5社で2020年2月に設立された(参照:ゲームが人にあたえるポジティブな影響などを研究するプロジェクトが発足)もので、ゲームプレイヤーのプレイ時のパフォーマンスをさまざまなアプローチで検証し、ポジティブ、ネガティブ両側面を可視化することに取り組んでいる。

 今回の研究では、FPS系のゲームをプレイすることで「課題遂行能力」に与える影響を、注意機能や視覚性探索能力、認知的処理能力を測定する「トレイルメイキングテスト」2種類(Aタイプ/Bタイプ)を用いて測定した。調査対象はアマチュアゲーマー4人とプロゲーマー2人で、プレイ前と40分のゲームプレイ後それぞれの記録を比較する形式で行なった。

 結果として、プロゲーマー、アマチュアゲーマーのいずれも課題遂行能力が向上したことがテスト結果から分かった。

プロ(左)とアマチュア(右)

 時間の短縮はプロゲーマーのほうがより顕著に見られ、トレイルメイキングテストの回答時間はAタイプで39.33秒から20.93秒、Bタイプでは38.3秒から31.58秒と約19秒、約7秒の短縮が認められた。

 アマチュアゲーマーにおいても、プレイ前はAタイプで41.56秒から31.01秒、Bタイプで 54.89秒から42.51秒と、プロと同様にいずれも時間が短縮する結果となった。

 プロと学生のプレイ前のデータを比較してみると、プロが両タイプともに回答時間が早く、日頃からアマチュアよりも課題遂行能力が高いと言える。さらにプロはプレイ後にAタイプで18.4秒と大きな短縮が見られることから、プレイの刺激によってより課題遂行能力が高まっていると考えられる。

継続的なプレイで日常における「課題遂行能力」向上の可能性

時系列で同様のテストを実施

 アマチュアのみを対象として、日を変えて同じテストを行った結果でも課題遂行時間の短縮が見られたほか、回を重ねることで回答時間が短縮される傾向にあることも分かった。

 このことから、継続的かつ長期にゲームをプレイしていくことで、ゲームプレイのパフォーマンス向上だけではなく、生活のさまざまなシーンでの課題遂行能力が向上する可能性があると示唆しており、生産性の向上や教育分野など、幅広い領域への応用を具体化しながらゲームの裾野を広げていきたいとしている。