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“顔パスで乗車”、上海の地下鉄が率先して採用

顔認証による乗車

 中国Alibaba、上海申通地鉄集団、およびAnt Financialは5日(現地時間)、戦略パートナーシップを締結し、上海地下鉄の券売機および改札ゲート、乗客の流れを分析する次世代コンセプトを発表した。

 次世代券売機には音声認識技術が盛り込まれる。乗客は行きたいスポットが存在する駅の名前を知らなくても、スポット名を喋るだけで、最寄り駅とスポットまでの距離を提示し、承諾するだけで乗車券が購入できる。騒音が比較的多い駅のなかで、いかにして音声認識するかが、技術的な焦点となる。

音声認識による券売機

 その購入した“乗車券”も、実態があるものではない。券売機で購入したあと、乗客は次世代改札の前に立ってカメラに顔を向けるだけで顔認証し、改札を通れるようになる。バックエンドでは、乗客の顔認証情報とAlipayのアカウント情報を結びつけ、自動的にAlipayのアカウントから引き落としされる。

 現在、中国のスマートフォンを用いた決済は、スマートフォンに付随するカメラとQRコードによって実現しているが、このシステムが実現すれば、スマートフォンさえポケットから取り出さずに決済ができるようになる。

 このコンセプトは、すでに基礎開発を終え、サンプルの開発が行なわれている段階で、もうじき実用化するとしている。

 これとは別に、2018年1月より、上海の17路線の地下鉄すべてでQRコードによる乗車が可能になる。乗車前に「Metro大都会」アプリとAlipayアカウントを紐付け、同アプリで駅の改札のQRコードをスキャンするだけで、改札が通れるようになる。料金は降車時(駅から出るとき)に支払う仕組み。