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大量のCPU交換もこれで確実? Skylake-Xに未使用のRFIDチップが実装

~次期Xeonで有効にされるか

丸で囲んだのがRFIDチップ

 Skylake-Xプロセッサに未使用のRFIDチップが実装されていることが明らかとなった。この情報を明かしたのは、Skylake-X殻割りツールを制作するRoman Hartung(der8auer)氏。同氏は自身のYouTubeチャンネルで、この未使用チップについて説明している。

 同氏によると、Intelのハイエンドサーバー/ワークステーション向けの「Xeon E7 v2」シリーズには、プロセッサの各情報を保存している小容量のEEPROM「PIROM:Processor Information ROM」が表面に実装されており、Skylake-Xに実装されているものはこのPIROMのRFID対応版だと予測している。

 Xeon E7 v2シリーズのデータシートによると、このPIROMの低い番地(00-7Fh)にはCPUのコアやパッケージ、熱設計、動作クロック、電圧、QPI Link速度やL2/L3キャッシュサイズ、対応命令セットといった各種情報が格納されており、Intelによってライトプロテクト(書き込み禁止)にされている。マザーボードはSMBusを通じてこのPIROMの情報を読み出せるようだ。

 一方、高い番地(80-FFh)はまっさらなEEPROMで、システムベンダーなどが自由に書き込むことができる。書き込んだ後SM_WPシグナルを送信することで10kΩのプルダウンを行ない、書き込み禁止に設定できるという。

 ただし、コンシューマデスクトップ向けの製品ではPIROMからのSMBusがカットされており、いかなる手段を用いてもアクセスをすることはできない。Skylake-Xも例外ではなく、同氏はCOMPUTEXが始まる3週間前から、ASUSのチームとともに解析したが、PIROMにアクセスすることはできなかったという。

 Skylake-Xと同世代のXeonでは、このPIROMにRFID機能を搭載することで、RFIDリーダーを用いればバルクの状態でもプロセッサの情報を読み取れるようにしたと見られる。これによってサーバー管理者やシステムインテグレータらは、大量のCPU交換や装着に追われても、簡単かつ確実に目的のCPUをピックアップし、装着できるようになるだろうと同氏は予測している。