イベントレポート

ASUS、自作ユーザーの“マンネリ”を改善するモジュラーPCを提唱

~ケーブルレスでパーツを交換

Project Avalonのケースの一例

 ASUSは30日(現地時間)、自作ユーザーのためのモジュラー構造「Project Avalon」を発表した。

 長年PCを自作しているユーザーにとって、ATXやmicroATX、Extended ATX、そしてMini-ITXなど、さまざまなフォームファクタの変遷を経験してきたと思うが、組み立ての際にやっていることは基本的にこの20年間ほぼ変わってない。CPUとメモリ、拡張カードを装着し、電源コネクタをマザーボードに接続して、HDDやSSDにもデータ転送用ケーブルと電源コネクタを挿す。それだけだ。

 もちろん、時代の変化に伴い、ソケットやスロットの形状に変化があったり、電源のピン数が増えたり、ATXやPCI Expressの補助電源コネクタが追加されたり、ペリフェラル4ピンがSATA用に変わったり、そしてIDEケーブルがSATAケーブルになったりしたが、基本的な作業は20年前となんら変わっていない。これでは自作ユーザーが減るのも無理はないだろう。

 その“マンネリ”を少しでも改善しようとASUSのR.O.G.チームが提唱したのが、Project Avalonだ。Avalonではマザーボードに対して垂直となっているライザーカードを多用することで、内部のケーブルを極限にまで減らし、組み立ての作業を大幅に簡素化。それでありながら、CPUやメモリ、ビデオカードを選択する余地や、さらにはインターフェイス部のカスタマイズまでもをカスタマイズできるようにした。

フォームファクタの遷移
Avalonのプロトタイプ

 例えば、前面には2.5インチのホットスワップベイを4基搭載できる。背面のI/Oはもっともシンプルなタイプから、M.2が付いたタイプ、USBポート数重視のタイプから選べる、と言った具合だ。ビデオカードの電源コネクタに関してこればかりは致し方ないのだが、配線が最短となるよう配慮されている。

 ASUSではこのAvalonをオープンなフォームファクタとして提唱する。このためサードパーティがこのエコシステムに参入することが可能だとし、マザーのみならずケースなども製造してもらいたいとした。

Avalonのパーツ類。マザーボードに加え、インターフェイスも選べる
3種類のインターフェイス
マザーボード。現時点ではZ170チップセットを搭載し、SkylakeやDDR4に対応する
Avalonプロトタイプの背面。電源ユニットなども交換可能になると見られる
ライザーカードを多用し、ケーブルレスを実現
ビデオカードは自由に選択できる
ただ補助電源コネクタばかりはケーブルタイプとなる模様
Avalonのもう1つのプロトタイプ。前面にホットスワップベイを4基搭載している

 このほかイベントでは、電源ユニットの外付け化により、GeForce GTX 1080を2基搭載しながらも20Lクラスの筐体を実現し、4K解像度でゲームが快適に動作するデスクトップ「ROG G31 Edition 10」や、7.1chヘッドセット「ROG Centurion」、180Hz駆動可能な24型フルHD液晶「ROG Swift PG248Q」を発表した。

 これ以外にも、31日に開幕するCOMPUTEXの会場にて、いくつかの新製品を展示する予定。詳細は追ってお伝えしたい。

ROG G31 Edition 10。GeForce GTX 1080を2基内蔵している
電源の外付け化により本体は小型化できた
ROG G31 Edition 10は20Lクラスの筐体で、GTX 1080を2way SLIで構成
DOOMも4Kの最高設定で60fpsを維持できる
ROG Centurion
ROG Swift PG248Q

(劉 尭)