イベントレポート

CES UnveiledでIoT機器が続々と登場

~貼る体温計、貼る心拍計など、いずれもスマートフォン連携

 2015 International CESの開幕を控えた4日(現地時間)、恒例のCES Unveiledが開催された。ここ数年増加を続けている各種センサーを搭載した小型のデバイスは、「IoT」(Internet of Things)の呼称が2014年に徐々に浸透したことでさらに勢いを増しており、特にスタートアップ企業が多く出展するCES Unveiledの会場では、もっとも数の多いジャンルとなっている。その中で、特に個性的な製品を紹介する。

 赤ん坊の体温を測定するシール型センサー「TEMP TRAQ」は、脇の下に貼り付けて利用する。米政府機関のFDA(食品医薬品局)への認可を申請中で、肌がかぶれにくい粘着素材を採用していると言う。シールには体温を測るサーモセンサーとBluetoothのチップが搭載されており、専用アプリケーションをインストールしたスマートフォンやタブレットなどで確認、自動的に記録する仕組み。

「TEMP TRAQ」は、貼る体温計。Bluetoothを使ったスマートデバイスとの接続で、赤ん坊の体温を継続してモニタリングできる。計測値を記録するほか、発熱によるアラートの表示も可能。日本では厚生労働省にあたる米政府機関のFDA(食品医薬品局)による認可を待って製品化する見通し

 同様に貼るタイプのセンサー「AMPSTRIP」は、心拍センサーとBluetoothのチップを搭載している。こちらはトレーニングやフィットネス用途で、心臓のやや下の部分に貼ってトレーニングすることで継続的に心拍数を記録する。アプリケーション側で目標値を設定したトレーニングなどに利用する。これまでにあった同様の製品はベルトで身体に巻くスタイルが主流で、面倒だったり邪魔だったりしたが、「貼る」ことに単純化した部分がポイント。クラウドファンディングで資金を集めて5月に初期製品を出荷予定。市販製品は149ドルとなる見通し。

クラウドファンディングのIndiegogoで資金を集めている製品。みぞおち部分に貼り付けることで心拍数をモニタリングする。大きさは1×3.5インチで厚さは0.224インチ。心拍センサーとBluetoothのチップが内蔵されている。充電はワイヤレス充電で行なえるとしている。価格は本体1個とワイヤレス充電器のセットで149ドルから

 もう1つ貼るデバイスを紹介する。フィットネス用途の「Valedo」だ。加速度、角速度のモーションセンサーを搭載したデバイスを、体幹に当たる胸部と腰骨の部分に付けて、運動の状態を検知する。トレーニングはゲーム形式になっており、ストレッチをしたり、体をひねるなどの動作で操作する。

貼るフィットネスデバイスの「Valedo」。モーションセンサーを身体の体幹に当たる前後にそれぞれ付けることで、身体の動きをより正確にモニタリングする仕組み

 糖尿病の患者向けに、インスリンの投与と血糖値の測定を行なうキット「Bee」。血糖値の測定を行なう機器は本誌でもこれまで何度か紹介しているが、インシュリンの投与まで行なえるデバイスは世界初と出展者は紹介してる。

治療の最大原則はデータの記録と分析なので、測定と記録を同時に行なえるスマートデバイスは使い勝手がいい

 そのほか、Unveiledで目に留まったIoTデバイスは写真で紹介する。

日本のどれほどの家庭にプールが付いているのかは分からないが、プールに浮かべて、気温と紫外線を測る機器も展示されていた
こちらも日本のどれだけの家族が日常的に野外バーベキューをするのかは分からないが、プロパンのガスボンベに取り付けて、ガスの残り容量を計測し、残量から、あとどれぐらいの時間の調理が行なえるかなどを知らせるセンサーユニット。その名も「GasWatch」
こちらも世界初!?というスマートペダル。自転車のペダルパーツにGPSとセルラーユニットを搭載。位置情報を自動的に記録する。サイクリングルートの記録や、盗難時における発見補助などに利用できるとしている。漕ぐことで発電する機構を備えるため、充電不要で使える

(矢作 晃)