会期:5月31日~6月4日(現地時間)
会場:Taipei World Trade Center Nangang Exhibition Hall
Taipei World Trade Center Exhibition Hall 1/3
Taipei International Convention Center
米NVIDIAはNangang Exhibition Hallにブースを構え、新製品などに関連した展示やデモを行なっている。その中でも目を引いたのは、「Kal-El」を搭載したAndroid 3.0タブレットによる「ロスト プラネット2」の技術デモだ。
Kal-Elは現行のTegra 2の後継となるモバイルプロセッサのコードネームで、CPUコアが2基から4基、GPUコアが2基から3基に増えており、Tegra 2の5倍の性能を発揮すると言われている。CESでその名前が初めて公開され、Mobile World Congressでは実機を使ったデモも行なわれた。
COMPUTEXでもKal-Elのデモ機はショーケースに入れられた状態でいくつかあったのだが、その内1つでカプコンのロスト プラネット2のデモが行なわれていた。Android向けロスト プラネット2の製品化に向けた発表はされていないが、このデモはAndroid向けにも拡張されたゲーム開発プラットフォーム「MT Framework」を利用して開発されたという。ロスト プラネット2が実際にAndroid向けに発売されるかは不明だが、これまでiPhone用に「ストリートファイター4」などを提供してきたカプコンが、今後Androidにも注力していくことの表われであることは確かだろう。
デモの内容は、既存のものと同じオープニングのデモ。間近で見ると、解像度はやや低いものの、オブジェクト(ポリゴン)数は多く、ジオメトリもリッチで、ちょっと遠目にはコンソール版と遜色ない仕上がりになっている。
Kal-El搭載機によるロスト プラネット2の技術デモ |
これ以外に新しいゲームとしては、Tegra 2搭載機で「Euphoria」、「Shadow Gun」といったタイトルが動作していた。
Euphoriaは日本のイニスという会社が年末に発売予定のアクションパズルゲーム。Tegra 2に最適化しており、Tegra 2搭載機では表現がより豊かになるほか、専用のマップや魔法などが用意されている。さらに、Kal-Elへの対応も見据えており、クアッドコアをフルに使う設計になっているという。
MadfingersによるShadow Gunもやはりクアッドコアを見据えたFPS。グラフィックのクオリティは群を抜いて高く、これがタブレットで動作しているとは思えないほど。ロスト プラネット2とShadow Gunは動画も掲載しているので、その動作のほどを確認してみて欲しい。
Tegra 2のチップ | イニスのEuphoria | MadfingersのShadow Gun |
【動画】Kal-Elでのロスト プラネット2のデモ |
【動画】Tegra 2でのShadow Gunのデモ |
このほか、タブレット系の展示としては、Android 3.1、未発売のSamsung「Galaxy Tab 10.1」などがあった。Android 3.1は、画面描画によりGPUを活用するようになり、3.0ではかくつくこともあるスクロールや表示などがよりスムーズになる。また、同OSとFlash Player 10.3の組み合わせも、さらにGPUを活用した表示を行なうよう改善されるという。
今回、PC系では大型の新発表や未発表製品の展示などはなかったのだが、発表されたばかりの有線版3D Visionメガネや、GeForce GTX 560Mを搭載したToshiba製ノートPCなどが展示されていた。
有線版の3D Visionメガネ | 従来の無線版(右)と比較すると、マット調になり、つるのデザインも変わったのが分かる |
ToshibaのGeForce GTX 560M搭載ノート | 今回発表会などはないが、ジェン・スン・フアン氏が息子とともにブースを視察していた |
(2011年 6月 1日)
[Reported by 若杉 紀彦]