GIGABYTE、Pineview採用のNASを参考展示
GIGABYTEブース |
会期:6月2日~6日(現地時間)
会場:Taipei World Trade Center Nangang Exhibition Hall
Taipei World Trade Center Exhibition Hall 1/3
Taipei International Convention Center
COMPUTEX TAIPEIで例年、大型ブースを設置するGIGABYTE。マザーボードからノートPC、ペリフェラル、その他関連製品までさまざまなジャンルの製品が展示されている。会場近くの商業ビルTAIPEI101内に設けられたスイートルームで公開された情報と併せて紹介する。
●PineviewベースのNASをひっそり展示GIGABYTEブースの一角に、何のパネルも掲示せずにひっそり置かれたNAS風の製品があったが、これは実はIntelのPineviewをベースとしたものだった。同社のスイートルームでは中に使われている基板も展示しており、その実態を伺うことができる。
PineviewはCOMPUTEXで行なわれたIntelのカンファレンスでも紹介されたが、CPUコアとGPUを1チップに統合した、次世代Atomとも称されるプロセッサだ。これにI/OチップであるTigerPointを組み合わせてPinetrailプラットフォームが形成される。本製品のマザーボードも2チップ構成となっており、まさにそのPintrailプラットフォームそのものといった雰囲気である。メモリはDDR2-667モジュールを1枚搭載していた。
製品としては3.5インチHDDを最大4台搭載可能で、前面に2基、背面に4基のUSBポートを装備。ワットチェッカーが17Wを示していたとおり、その低消費電力も特徴にしている。製品化や発表のタイミングは、Pineviewが正式リリースされる時期によるとのこと。早ければ、年内にも本製品のもう少し詳しい仕様が公開されるのではないだろうか。
なお、本製品の基板と同等のものが、Intelのブースにも展示されていた。こちらの説明員の話によると、この基板はPineviewと「ICH9R」を組み合わせており、Tigerpointは使われていないそうだ。
PineviewはTigerpointのほか、ICH10RやICH9Rと組み合わせることも可能で、Tigerpointは主にモバイル製品で使われるのに対して、デスクトップ製品では主にICH10/9Rが使われることなるという。
Pineviewを使用したNASで、3.5インチHDDを4台搭載可能。製品名などは公表されていない | コントローラ部の基板。Pinetrailプラットフォームを形成する2つのチップには、いずれもヒートシンクが載っている | 特にHDDアクセスなどはしていない状態ではあるが、ワットチェッカーの表示は17W。低消費電力もアピールしていた |
●SATA 6Gbpsや独自機能が売りのマザーボード
例年通り、同社ブースでは、壁一面を使って多数のマザーボードが展示されている。Intel P55やAMD 785Gといった新チップセットを搭載した製品のほか、過去最高となる24フェーズのVRMを実装したIntel X58マザーボードあたりがトピックとなる。
Intel P55搭載マザーボードは、SATAの6Gbps転送に対応したMarvellのコントローラを搭載しており、4基の対応ポートを備え、RAID 0/1をサポートする。ちなみに、4基のポートがあるものの、2ポートのコントローラを2個使うことで実現しているとのことで、RAID 5には対応しない。
このほか、ソフトウェアの独自機能「Smart6」もアピール。BIOSに直接アクセスして機能を提供するもので、自動オーバークロックのように従来から提供している機能が形を変えたものから、機能が強化されたバックアップ機能、果てはBIOS領域のフラッシュメモリを使ってパスワード管理を行なう機能など、多彩な機能が用意されている。
●「ブックトップPC」にもCULV搭載版が登場
GIGABYTEはCeBITにおいて、家ではネットトップ、外出先ではネットブックという、「ブックトップPC」というコンセプトを打ち出したが、現在では、そのBooktopという名称を同社の薄型軽量のノートPCブランドとして採用している。
会場では、Booktopブランドにラインナップされる13.3型製品「Booktop M1305」を展示した。M1305は現時点ではコンセプトモデルということで詳しい仕様は公開されていないが、CULV版のCore 2 Duoを搭載し、13.3型のWXGAを搭載。光学ドライブを内蔵するほか、HDMI端子やeSATAを備えていることを確認できる。
ただし、CeBITで公開されたM1024のようにドッキングステーションと組み合わせるといったギミックはないようで、側面部にはそうした端子類は見られない。製品化の時期は2009第3四半期としており、日本での発売についてはコメントを得られなかった。
CULV版Core 2 Duo、13.3型WXGA液晶を採用する「Booktop M1305」 | 本体右側面には光学ドライブのほか、eSATA、HDMI、ミニD-Sub15ピンを備える | 左側面はオーディオ、USB、LANを装備。ドッキングステーションに接続する端子などは備えない |
●液晶装着可能なMini-ITXケースやスワロのクリスタルを埋め込んだマウスなど
同社が展示した新コンセプトのケース「MIB」。MIBはMonitor Integrated Boxの略で、Mini-ITXに対応したケースと、VESAマウントを備えたアームを一体化したものとなる。アームは一般的な垂直に近いスタイルから、液晶面が完全に水平になる位置まで柔軟に動く。
基本的にはOEM向けとのことだが、自作パーツとして発売されてもおもしろそうな製品だ。現時点では2モデルが展示されているほか、ケースのデザインを変更したバリエーションモデルなども検討しているという。
電源は同社の主力ブランド「ODIN GT」シリーズが多数展示されていたが、その新ラインナップとして「Gold Power」が用意された。製品名からも想像できるように、新しい電源ユニットのトレンドとして注目が高まっている80Plus Gold認証を通過した電源ユニットとなる。
「GM-M7800S」は、“Elegant Vogue Wireless Mouse”というキャッチコピーが付いたマウス。スワロフスキーのクリスタルを埋め込んでいるほか、ホイールの縁取りなどには18金を使うなど、きらびやかなデザインを特徴とする。
マウスの機能としては、800/1,600dpi自動切り替え機能を備えたレーザー方式で、5ボタンのチルトホイール付き。レシーバは小型で、10mの範囲で利用が可能になっている。
本製品は全世界1万個限定で発売されるもので、第3四半期の投入が予定されている。価格については「安くはない」とのコメントに留まったが、このCOMPUTEXではとくに日本人から好評を得ているとのことで、日本で発売される可能性は高いと説明員は語っていた。
(2009年 6月 5日)
[Reported by 多和田 新也]