イベントレポート
Samsung、FreeSync+HDMI 2.0対応4K液晶2製品を展示
(2015/1/8 00:00)
4K TVや、キッチン向け家電、GALAXYシリーズなどを積極的に展開するSamsungブースにあって、PC関連の展示は例年より寂しくなっているが、PC用液晶については一角に大きなコーナーを設けて展示している。
液晶ディスプレイのコーナーで注目を集めるのは、FreeSyncとHDMI 2.0に対応する4K液晶2製品だ。FreeSyncは、元々はAMDが提唱した技術で、ビデオカードの出力とディスプレイのリフレッシュレートを自動的に同期させることで、フレームレートが変化しても、画面が上下に分割してしまうティアリングを抑えられる。また、フレームレートが低い動画や、静止画を表示させている場合は、リフレッシュレートを下げることができるため、消費電力の低減にも繋がる。
NVIDIAもG-SYNCという同様の技術を提唱し、対応製品も出ているが、FreeSyncは、VESAのAdapytive-Syncの名称でDisplayPort 1.2aの標準技術の1つとしてに取り込まれたため、G-SYNCよりも対応製品が増加することが見込まれる。
今回展示されていたSamsung製品の発売時期や価格は不明だが、AMDでは2015年第1四半期に最初の製品が登場予定としており、おそらくSamsung製品もこの時期に登場するだろう。
展示されていたのは28型で4K(3,840×2,160ドット)表示対応の「UE590」と「UE850」。いずれもFreeSyncに加え、HDMI 2.0にも対応。HDMIはFreeSyncと関係ないが、帯域が向上したことで、HDMIでも4K時に60Hzの表示ができる。PC用ディスプレイでの採用例はまだ少ない。
主な仕様は共通で、輝度は370cd/平方m、コントラスト比は1,000:1、中間色応答速度は1mg、視野角は上下160度/左右170度。
インターフェイスはUE850がDisplayPort×2、HDMI×2、UE590がDisplayPort、HDMI×2。このほか、UE850はスタンドの高さ、上下/左右の角度を調節できる。
FreeSync以上に大々的に宣伝されているのが、湾曲型ディスプレイ。同社製品としては、2014年のCESで展示された1,920×1,080ドット(16:9)対応27型と、3,440×1,440ドット(21:9)対応34型があるが、今回その間を埋める、1,920×1,080ドット対応31.5型の「SE590C」と、2,560×1,080ドット(21:9)対応29型の「SE790C」が展示された。
SE590Cの主な仕様は、輝度が350cd/平方m、コントラスト比が3,000:1、中間色応答速度が4ms、視野角が上下/左右とも178度。インターフェイスはDisplayPort、HDMI、ミニD-Sub15ピン。
湾曲ディスプレイは、目から両端までの距離が近くなるため、横長でも端も見やすくなるのに加え、ユーザーを取り囲むようになるため、多画面構成にして、より没入感を高めるデモなどを行ない、訴求している。
液晶以外の新製品としてはポータブルSSDである「T1」が発表された。全体的に丸みを帯びた形状や、2.5インチではないサイズなど、従来製品とは一線を画すフォームファクタを採用するのが特徴。
NAND FLASHには同社独自の3D V-NANDを採用。容量は256GB/512GB/1TBの3モデルが用意され、価格は256GBが179.99ドル。欧米およびアジアの15の国と地域で1月中旬より発売される。
インターフェイスはMicro USB 3.0で、連続アクセス速度は読み書きとも最大450MB/sec、ランダムアクセス速度は読み込みが8,000IOPS、書き込みが21,000IOPS。AES 256bitの暗号化にも対応する。
本体サイズは71×53.2×9.2mm(幅×奥行き×高さ)。
普段数機種あるPCの展示は「ATIV Book 9」1機種に留まった。主な仕様は、Core M、メモリ8GB、SSD 256GB、2,560×1,600ドット表示対応12.2型液晶を搭載。インターフェイスは、Wi-Fi、Bluetooth 4.0、USB 3.0×2、HDMI出力、microSDカードスロットなどを搭載。筐体は一体成形のアルミ製で、厚さは11.8mm。重量は950gと軽い。バッテリ駆動時間は12.5時間。