イベントレポート

AMD、Zen 5採用でコア数をさらに倍にした「第5世代EPYC」

第5世代AMD EPYCプロセッサ、1つのパッケージで192コアというこれまでにない高密度を実現するのが特徴に

 AMDは4日、Zen 5アーキテクチャを採用するデータセンター向けCPUとなる、開発コードネーム「Turin」(英語ではチューリン、和名ではトリノ)を「第5世代AMD EPYCプロセッサ」(以下第5世代EPYC)として2024年後半にリリースする計画であることを明らかにした。

12基のCOD+1基のIODで192コアを実現

AMDが明らかにしたTurinこと第5世代EPYCのスペック

 AMDは、2022年11月に第4世代AMD EPYCプロセッサ(コードネームGenoa)として発表した。第4世代EPYCではZen 4コアを採用し、12基のCOD(CPUダイ)と1基のIOD(I/Oダイ)という構造となっている。1つのCODあたり8CPUコアになっており、パッケージ全体で96CPUコアという、Intelの第3世代Xeon SPの最大40コアに比べて倍以上のCPUコアを実現していた。

 第5世代EPYCはその後継となる。Turinというイタリアの都市がコードネームとしてつけられているのも、AMDのデータセンター向け製品の通例で、今回の最大のトピックは、新しいCPUアーキテクチャの「Zen 5」が採用されていることになる。

 現時点ではAMDはZen 5の技術的な詳細は明らかにしていないが、Zen 5を採用するデスクトップPC向けのRyzen 9000シリーズでは分岐予測の精度とレイテンシの改善、より深いパイプラインと浮動小数点エンジンの強化によりスループットの改善、ウィンドウサイズの深化によるより高い並列実行化などが改良点として挙げられている。

 第5世代EPYCについては、第4世代EPYCとピン互換であり、CPUコア数は192コア/384スレッドに達することが明らかにされた。AMDは詳細を説明していないが、公開された第5世代EPYCの写真を見る限り、12基のCODと1基のIODという構成は変わっていないように見えるため、第4世代EPYCの1基のCODあたり8CPUコアから、第5世代EPYCでは1基のCODあたり16CPUコアへと強化されたと考えられる。

 第5世代EPYCは2024年後半に投入される。

第5世代EPYCのパッケージ