イベントレポート
Lenovo、14型モバイル液晶や新ノートのThinkPad X390/X390 Yogaなどを展示
2019年2月27日 12:39
Lenovoは、MWC 19 Barcelonaに出展し、CESやMWCで発表した新製品などを展示した。PC関連では、いくつかの新製品を発表した。
そのなかでも注目を集めたのは、「ThinkVision M14」という、USB Type-Cケーブル1本で接続可能なモバイルディスプレイ(Lenovo、USB Type-C 1本で動作する14型モバイル液晶ディスプレイ参照)。4.6mmの狭額縁の14型フルHDディスプレイを採用し、595gと比較的軽量を実現している。
また、Lenovoは現在のLenovoのベストセラーモバイルPCであるThinkPad X280の後継となる「ThinkPad X390」、その2in1型となる「ThinkPad X390 Yoga」を発表し、MWCの同社ブースに展示している。従来のThinkPad X280が12.5型のディスプレイを採用していたのに対して、ThinkPad X390は13.3型のディスプレイを搭載していることが大きな特徴になる。
それぞれ写真とともに紹介していこう。
4.6mm狭額縁で595gという軽量さを実現した14型モバイルディスプレイThinkVision M14
ThinkVision M14は、14型フルHDの液晶パネルを搭載したモバイルディスプレイ。USB Type-CのDisplayPort Alt Modeを利用して、USB Type-Cケーブル1本でPCからDisplayPortの信号と電力を供給可能になっている。
同様の製品としては、ASUSから「MB16AC」という製品が販売されているが(縦置きにも対応した15.6型モバイル液晶、ASUS「ZenScreen MB16AC」参照)、こちらは15.6型のディスプレイとパネルサイズが大きいため、重量は780gとやや重くなっている。それに対してThinkVision M14は、14型で595gと軽量。よりモバイル向けのディスプレイと言えるだろう。
構造もユニークで、ディスプレイサイズの3分の1程度のスタンド部分にポート類が用意されており、持ち運び時には折りたたんでより小型化可能。ただし、カバーなどはとくに用意されていないようなので、なんらかのケースなどに入れる必要がありそうだ。
液晶パネルは300cd/平方mの輝度になっており、現在の主流のハイエンド向けノートPCの輝度と同程度。4K UHD(500cd/平方m)のパネルを搭載したThinkPad X1 Carbon 7Genと並べてみても違和感がなかった。なお、HDR関連にはビデオストリームも含めて未対応だったことを実機で確認した。
米国での価格は249ドル(約27,000円)で、5月より出荷予定だ。日本の関係者からの要望もかなり入っているとのことなので、日本で発売される可能性はかなり高そうだ。
ベストセラーモバイルX280の後継は13.3型のX390、360度回転ヒンジ2in1のX390 Yogaも追加
Classic ThinkPadと呼ばれるX1がつかないThinkPadの日本での売れ筋製品と言えば、“X2x0シリーズ”こと12.5型のディスプレイを採用した製品群だろう。
現行製品はThinkPad X280で、堅牢性とコストのバランスが取れた製品だ。エンタープライズに一括導入されている例も多く、パナソニックのレッツノートシリーズと並び日本のビジネスパーソン御用達と言って良い製品だ。
今回発表されたX390はそのX280の後継となるが、最初の一桁が上がっていることからもわかるように、パネルのサイズが12.5型から少し大きくなり13.3型にサイズアップされているのだ。
このX2x0シリーズは初代のX200、そしてそれ以前の製品となるX6xシリーズからずっと12型級のディスプレイを採用し続けてきたこともあり、それが13.3型にサイズアップされたというのはちょっとしたニュースと言っていいだろう。
このため底面積は若干大きくなっている。X280が307.7×209.8mm(幅×奥行き)であったのに対して、X390では311.9×217(同)となっており、横が4.2mm、縦が7.2mmほど大きくなっている。
ただし、厚さはX280が17.4mm(ノンタッチモデル)だったのに対して、X390は16.5mmと0.9mmほど薄くなっている。重量はX280のノンタッチが1.13kgからだったのに対して、X390では1.22kgからとなっており、90gほど重くなっている。
なお、ディスプレイはHD(TNパネル、250cd/平方m)、フルHD(IPS、300cd/平方m)のほかに、フルHD(IPS、400cd/平方m)でPrivacyGuardという、電子的にプライバシーフィルタ機能を搭載したものが用意されている。今回のブースにはX390のPrivacyGuardのモデルはなかったが、ThinkPad T480に組み込んだサンプルが展示されており、Lenovo Vantege(設定ツール)でオン、オフできることを確認できた。
また、従来のX280がUSB Type-C(USB PD対応)×2(うち1つはThunderbolt 3対応)、USB 3.0×2、HDMI、オーディオ、Gigabit Ethernet(変換アダプタを利用)となっている。
Wi-Fiは、コントローラがIntel Wireless-AC 9650に変更されており、IEEE 802.11ac wave 2のオプション規格「HT160」に対応したWi-Fi APないしはWi-Fiルーターを利用していれば1.73Gbpsの通信速度が実現される。
なお、X280と同じようにLTEもオプションで選択可能で、FibocomのL830-EBが採用されていた。
【お詫びと訂正】初出時にX390について、Gigabit Ethernet端子がなくなっているという表現がありましたが、従来どおり変換アダプタ経由で、以下の写真にある左側のコネクタの端子から利用可能です。お詫びして訂正させていただきます。
ThinkPad X390 Yogaは、そのThinkPad X390のYoga版となる。ThinkPad X1 Yogaの廉価版というイメージになる。
X390がYogaになったと考えていいが、サイズは310.4×219×15.95mm(幅×奥行き×高さ)となっており、横と厚さは若干小さくなっているが、縦は2mmほど大きくなっている。重量は1.32kgでX390より100gほど重い。細かな違いとしては、LTEモデムがFibocomのL850-GLとなっていた。
筐体カラーはX390、X390 Yogaともにスペック上はブラックとなっているが、展示されていたX390 Yogaで確認したところThinkPad X1 Yoga Gen4と同じくシルバーに近いブラックになっていた。
X390は米国では5月から出荷予定で市場想定価格は1,099ドル(約120,000円)から、X390 Yogaも米国で5月から出荷予定で市場想定価格は1,359ドル(約149,000円)からとなっている。