イベントレポート

i9-9900Kとモジュール式RTX 2080搭載のゲーミングノート「Alienware Area-51m」

DellのAlienware Area-51m

 Dellは、1月8日~1月11日(現地時間)にアメリカ合衆国ネバダ州ラスベガスで開催されているCESの初日にあたる1月8日に記者会見を開催し、ゲーミングPC向けブランドの「Alienware」の最新ゲーミングノートPCとなる「Alienware Area-51m」を発表した。

 Alienware Area-51mは、GPUにGeForce RTX 2080、CPUには本来デスクトップPC向けの8コアプロセッサとなるCoffee Lake-S RefreshのCore i9-9900Kを搭載可能になっており、まさにゲーミングデスクトップPCをノートPCのシャシーに入れ込んだモンスターゲーミングノートとなる。

 かつ、GeForce GTX 2000シリーズを搭載するGPUユニットがモジュール構造になっており、次世代GPUが出た場合でもモジュール交換によってGPUだけを強化可能になる予定だ。

デスクトップ向けCore i9-9900Kとアップグレード可能なモジュール形式のGeForce RTX 2080を選択可能

DellのAlienware Area-51m

 Alienware Area-51mは、Coffee Lake-S Refreshの第9世代Coreプロセッサが搭載可能であり、SKUはCore i9-9900K、Core i7-9700K、Core i7-8700を選択できる。チップセットはIntel Z390で、CPUとチップセットだけを見ればデスクトップPC向けそのものだ。

DellのAlienware Area-51mのパーツ
冷却系のパーツ。これでデスクトップPC向けCPUとGPUを冷却する

 このため、CPUなどを冷却するシステムは特別設計になっており、Dellがデュアルインテーク(2重の吸気口)/デュアルエキゾースト(2重の排気口)と呼ぶ仕組みを採用。具体的には底面に用意されている2つのファンから空気を吸って、それぞれのファンにつき2つずつ用意される排気口から熱が排出される仕組みになっている。

 2つのファンは95×105mm(幅×奥行き)とノートPCとしては異例なぐらい大きなファンになっており、25CFMの風量が確保されているという。このファンを利用して確実にCPUとGPUを冷やすために、ヒートパイプは6mm、8mmと肉厚がある銅製のものが使われている。

 また、ファンはソフトウェア的にもコントロールされており、CPUやGPUへの負荷を見て、どちらをより冷やすかなどをシステムが自動で判別して冷却を行なう仕組みになっている。

モジュールに搭載されているGeForce RTX 2000シリーズ

 GPUはいずれもMax-QではないGeForce RTX 2080(8GB)、GeForce RTX 2070(8GB)、GeForce RTX 2060(6GB)の3つから選ぶことができる。これらは別基板でモジュール化されており、基板を交換することで新しいGPUへとアップグレードできる仕組みになっている。将来GeForce RTX 3000シリーズが発売されたりすれば、モジュールだけをアップグレードして、GPUの処理能力を強化できるわけだ。

 ただ、現時点ではどのようなかたちでアップグレードを行なうかは未定とのこと。

G-SYNC/144Hz+視線認識に対応した17.3型フルHDディスプレイを選択可能

ディスプレイは17.3型フルHD

 ディスプレイは標準では17.3型フルHD(1,920×1,080ドット)だが、リフレッシュレート、NVIDIA G-SYNC対応の有無、Tobiの視線追尾機能搭載の有無などで、選択肢が複数用意されている。

 具体的には60Hz/G-SYNC未対応/視線追尾未対応、60Hz/G-SYNC対応/視線追尾未対応、144Hz/G-SYNC未対応/視線追尾対応、144Hz/G-SYNC対応/視線追尾対応、の4つとなる。なお、ディスプレイは狭額縁とまではいかないが、従来のゲーミングノートPCに比べると額縁がせまくなっているのも特徴の1つ。

フレームはマグネシウム合金
Tobiの視線追尾(Eye Tracking)を選択可能
キーボードとポインティングデバイス。キーボードは全キーをRGBカスタマイズ可能

 I/Oポートは右側面、背面、左側面の3つの面に用意されており、USB Type-Aが3ポート、Thunderbolt 3に対応したUSB Type-Cが1ポート、HDMI 2.0、オーディオ端子(オーディオ出力とヘッドフォン端子)、Mini DisplayPort、外付GPUボックスに接続するためのAlienware Graphics Amplifierポートなどが用意されている。

本体の左側面
本体の右側面
本体の背面

 ACアダプタ用の端子が2つ用意されており、ACアダプタを2つ搭載するかたちになっている。ACアダプタは3つの組み合わせが用意されており、180W+180W、180W+240W、180W+330Wとなっている。選択するGPUなどに合わせて変わり、Core i9-9900K+GeForce RTX 2080の組み合わせの場合は180W+330Wの最大の組み合わせを選択する必要がある。

 なお、バッテリは90Whが搭載されているが、ACアダプタから供給できる電力が2つ合計で最大510Wとなることから、フルパワーで動かした場合には、バッテリが数十分程度でなくなってしまう計算だ。

ACアダプタの端子が2つ用意されている

 サイズは410×402.6×27.65~42mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は3.87kgからとなっており、選択するパーツにより重量は変わってくる。従来DellがゲーミングノートPCのハイエンドとして販売していたAlienware 17が、424×332×29.9mm(同)で、平均重量4.42kgだったことを考えると、底面積や高さは増しているが重量は減っている点は特筆できるだろう。本体色はルナライトと呼ばれるシルバー系の色のみで、背面がブラックとなっている。

 Alienware Area-51mは米国では2019年1月21日から提供される予定で、価格は原稿執筆時点では未定。日本での展開も不明だ。

【表1】Alienware Area-51mのスペック
製品名Alienware Area-51m(Area-51m R1)
CPUCore i9-9900K/i7-9700K/i7-8700
GPUGeForce RTX 2080(8GB)/2070(8GB)/2060(6GB)
チップセットIntel Z390
メモリ最大64GB(16GB×4SO-DIMM、DDR4-2400)
ストレージシングル/デュアル/トリプル構成(最大2TB RAID0+1TB Hybrid Drive)
ディスプレイ17.3型 フルHD(60Hz)/17.3型 フルHD(60Hz、G-YNC)/17.3型フルHD(144Hz、Tobi)/17.3FHD(144Hz、Tobi、G-SYNC)
カメラ(Windows Hello対応有無)HD(未対応)
USB Type-A3
USB Type-C(TB3)1
HDMIHDMI 2.0
Gigabit Ethernet1
オーディオオーディオ出力×1、グローバルヘッドセット×1
その他ポート電源x2、Alienware Graphic Amplifierポート、MiniDP
Wi-FiIEEE 802.11ac
BluetoothBluetooth 5.0
キーボードAlienware TactX keyboard(2.2mmキーストローク、キー毎のRGB LED、プログラマブル)
ポインティングデバイスタッチパッド
ACアダプタ180W+180W、180W+240W、180W+330W
バッテリ90Wh
サイズ(幅×奥行き×高さ)410×402.6×27.65~42mm
重量3.87kg
OSWindows 10 Home/Pro