イベントレポート

Max-Q搭載ノートPCの増加とG-SYNC HDRをアピールしたNVIDIA

Max-Qは着実に進展、699ドルの製品もラインナップ

 NVIDIAは、6月4日にCOMPUTEX TAIPEI近くの会場で記者会見を行ない、同社のエッジデバイス向け開発ボード「Jetson」の最新製品となる「Jetson Xavier」などを発表した(その詳細は別記事NVIDIA、ロボットの脳になるVoltaアーキテクチャの開発ボード「Jetson Xavier」参照)。

 また、NVIDIAは報道関係者向けの説明会を行ない、同社のコンシューマ向けGPUソリューションのアップデートを行なった。この中でNVIDIAは同社のノートPC向けGPUの熱設計技術「Max-Q」を搭載したノートPCが増えたこと、さらには先日ようやく米国で販売が開始されたNVIDIAのG-SYNC HDRに対応したゲーミングモニターに関する説明が行なわれた。

Max-Qに対応したノートPCは着実に増加、価格も699ドル~と低価格化も進む

 NVIDIAは昨年のCOMPUTEX TAIPEIにおいてMax-Qの導入を発表して、その概要を説明した(2017年の記事:熱くて厚いゲーミングノートがMax-Qで変わる。新設計を提案するNVIDIAの狙い)。Max-Qは、同社のノートPC向けGeForce 10シリーズに対応した新しい熱設計ソリューション。熱設計のやり方と電源回路設計に手を入れることで、性能をあまり損なわずに薄くて長時間バッテリー駆動を実現するという技術だ。

 NVIDIAによれば、すでにすべての大手OEMメーカーがMax-Qに対応したノートPCを出荷しており、85の新しいモデルが発表済みだという。かつ価格帯も下がってきており、現在では699ドル(1ドル=110円換算で76,890円)という低価格なモデルも登場し、普及期にあるという。今回NVIDIAのデモスイートでは、ASUS、GIGA-BYTE、MSI、Razer、XiaomiといったOEMメーカーのMax-Q対応ノートPCが展示された。

Max-Qの特徴
XiaomiのGeForce GTX 1080(Max-Q)搭載ゲーミングノートPC
ASUS ZenBook Pro 14型(UX480)、GeForce GTX 1050(Max-Q)搭載
GIGA-BYTE AERO 15X、GeForce GTX 1070(Max-Q)搭載
Razer Blade 15、GeForce GTX 1070(Max-Q)搭載
MSI GS65、GeForce GTX 1070(Max-Q)搭載

 ところで、今回もNVIDIAはGeForce 10シリーズの後継製品に関して何も発表しなかった。2016年の5月にGeForce 10シリーズが発表されてから、すでに2年が経過しているが……そろそろ期待したいところである。

1月のCESで発表したG-SYNC HDRディスプレイは実際に販売が始まる

 NVIDIAは、同社がディスプレイメーカーと協力して提供しているG-SYNCに対応したHDRディスプレイに関するアップデートを行なった。1月に発表したG-SYNC HDR対応ディスプレイだが、5月から米国などでAcerの「Predator X27」が販売開始されるなど、実際に利用できる環境などが整い始めている。今回NVIDIAはそうしたAcer Predator X27、ASUS ROGブランドのSwift PG27UQが展示されており、SDRの違いなどがアピールされていた。

Acer Predator X27(右)を従来のSDRディスプレイと比較
ASUS ROG Swift PG27UQ

 ただし、アップデートは販売が開始された程度で、そのほかの大きなアップデートはなかった。

G-SYNC HDRを説明するスライド