イベントレポート

スマホのノウハウ凝縮したHuawei製モバイルノート「MateBook 10 X Pro」

Huawei コンシューマービジネスグループ CEO Richard Yu氏

 ファーウェイは25日、Mobile World Congress開幕に先立ち、バルセロナ市内で製品発表イベントを開催した。

 このイベントでは、同社コンシューマービジネスグループ(CBG) CEOのRichard Yu氏が、クラムシェル型タッチ対応ノートPC「MateBook X Pro」と、Androidタブレットの「MediaPad M5」を発表(Huawei、13.9型3,000×2,000ドット液晶搭載モバイルノート「MateBook X Pro」および、Huawei、Androidタブレット新モデル「MediaPad M5」シリーズを発表参照)した。

 登壇したRichard Yu氏は、まず、CBGのビジネスが好調であることをアピールしたあと、とくに2017年秋に発売した「Mate 10」シリーズが各方面から5つ星の評価を得ていることを報告した。

CBGの好調なビジネスをアピール

 また、2017年リリースされたクラムシェルノートの「MateBook」シリーズも各方面が絶賛しているとした上で、さらにユーザーニーズを調べていった結果、

  • 大きな画面のノートPCはトッププライオリティ
  • スリムで軽いノートPCは良いが、高性能なグラフィックスがあればもっと良い
  • エレガントとパワフルを両立してほしい

 といった、コンシューマのニーズが浮かび上がってきたことを報告した。

 そこでシリーズを刷新し、再定義されたのがMate 10 X Proだ。

意識しているライバルが想像できる発表スライド
世界初の「フルビュータッチスクリーンノート」として紹介されたMateBook X Pro

 Intelの第8世代Coreプロセッサを搭載し、ディスクリートGPUとしてGeForce MX150を搭載したクラムシェルノートPCで、13.9型でアスペクト比3:2のタッチ対応スクリーンは、狭額縁によって実に91%の画面占有率を占めるという。

 また、Dolby Atmosによるイマーシブサウンド、オフィスワークで14時間は駆動できるという57.4Whの大容量バッテリ、防滴、指紋認証機構つきのワンタッチ電源ボタンなどの特徴が強調された。

 Yu氏は、淡々と新シリーズの特徴を挙げていくが、どうも、まだPC関連の用語には慣れ親しんでいる印象がない。スマートフォンの発表会の同氏とは、ちょっと雰囲気が違う。しかも、今回もまた、5Gはもちろん、LTEなどのWAN対応は発売計画にない。

 それでも、F6キーとF7キーの間に仕込まれたプッシュで飛び出すポップアップ式のカメラを紹介したときの得意げな表情は、会場をなごませるのに十分なものだった。自撮りのHuaweiがここまでやる。

画面の占有率は狭額縁によって91%に達する
飛び出すカメラ。ファーウェイの自撮りソリューションだ。さすがにビューティモードはない

 また、Microsoftからも、Jurt Petersen氏がゲストとして登壇した。Microsoftは、スマートフォンのMate 10にも、Huawei専用のMicrosoft翻訳アプリを提供しているが、今回のMate 10 X Proにも、Cortanaに統合されインスタント翻訳機能が提供されるという。

ゲストとして登壇したMicrosoft グローバルデバイスパートナー担当GMのKurt Petersen氏
Cortanaビルトインとして提供されるMicrosoftの翻訳ソリューション

 続いて紹介されたのが10.8型と8.4型の2サイズ展開となるAndroidタブレットMediaPad M5シリーズだ。当然、LTEに対応し、Cat6で200カ国17のLTEバンドに対応するという。

 Yu氏が、このタブレットに2in1 PC体験を提供することを明らかにすると、会場がざわついた。

 デモンストレーションで、キーボードドックにタブレットを装着すると、スマートフォンのMate 10シリーズでお馴染みのPCモードに自動的に移行し、PowerPointなどのアプリをPCライクに操作する様子が紹介された。

 PC的な体験は、もはやデバイスを規定するものではなく、どんなデバイスでも、TPOに応じて使い分けるべきという考え方が着実に伝わってくる。

 そして最後に、5Gへの取り組みが紹介され、世界初の3GPP 5Gチップセットの商用製品「Balong 5G01」が披露されたあと、3月27日にパリで開催されるスマートフォン「Pシリーズ」の予告で基調講演が締めくくられた。

MediaPad M5シリーズを発表するYu氏
2サイズ展開となる
キーボードドックに装着するとPCモードに移行する
どこかで見たような壁紙だ
MateBook X Proの価格構成。残念ながら一次発売国に日本は含まれない
新スマートフォン「P20」が3月27日にパリで発表されることが告知された