イベントレポート
Samsung、最新SoCを採用し、カメラをさらに強化したGalaxy S9/S9+
2018年2月26日 02:05
Samsung Electronicsは、2月25日~3月1日(現地時間)の予定でスペイン王国カタロニア州バルセロナ市にあるFira Gran Viaにおいて開催されるMobile World Congress 2018に先だって24日(同)から記者会見を開催し、「Galaxy S9」、「同S9+」を発表した。
Exynos9810/Snapdragon 845採用のハイエンドスマートフォン
Samsung Electronicsが発表したGalaxy S9/S9+は、昨年(2017年)Samsungが発表したGalaxy S8/S8+の後継となる製品だ。他の製品と比較した本体サイズと重量は以下のようになっている。
【表1】 | 製品のサイズ(幅×奥行き×高さ)と重量 | |
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S9 | 147.7×68.7×8.5mm | 163g |
S9+ | 158.1×73.8/8.5mm | 189g |
S8 | 148.9×68.1×8mm | 155g |
S8+ | 159.5×73.4×8.1mm | 173g |
iPhone X | 143.6×70.9×7.7mm | 174g |
iPhone 8 | 138.4×67.3×7.3mm | 148g |
iPhone 8 Plus | 158.4×78.1×7.5mm | 202g |
ディスプレイはいずれもS8/S8+と同じ大きさの5.8型(S9)、6.21型(S9+)のOLEDを採用しており、解像度はQHD+(2,960x1,440ドット)になっている。それぞれ前モデルと比較するとほんのわずかに縦方向が大きく、横方向はわずかに小さくなり、厚さはわずか厚くなり、重量はやや増えている。
S8、S8+と同じく、いわゆる狭額縁になっており、ディスプレイのベゼルが極限まで小さくなっているのが特徴。S9/S9+では、S8/S8+に比べてフロントカメラや虹彩認証用のセンサーがより見えにくいデザインになっているのが大きな違いとなる。
【表2】 | スペック(市場によって異なる場合がある) | |
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Galaxy S9 | Galaxy S9+ | |
SoC | Samsung Exynos9810/Qualcomm Snapdragon 845 | |
メモリ | 4G/6GB | |
ストレージ | 64GB | |
拡張スロット | microSDXC(最大400GB) | |
ディスプレイ | 5.8型OLED(QHD+) | 6.21型OLED(QHD+) |
生体認証 | 指紋/顔/光彩 | |
バッテリ | 3,000mAh | 3,500mAh |
OS | Android 8 |
スペックはハイエンドスマートフォンにふさわしい仕様になっており、SoCはSamsung Exynos9810/Qualcomm Snapdragon 845を採用し、メインメモリは4GB/6GB、ストレージは64GB(microSDで最大400GBまで拡張可能)となっている。LTEは、下り最大1.2Gbpsで通信することが可能。OSはAndroid 8で、バッテリ容量はS9が3,000mAh、S9+が3,500mAh。
生体認証は、背面に指紋認証センサー、前面カメラを利用した顔認証と虹彩認証が可能というハードウェア周りの機能は変わらないが、顔認証と虹彩認証が同時に利用可能になった。たとえば、屋外など外光が強い環境では顔認証を、逆に暗い環境では虹彩認証をと自動的に切り替えることが可能になっている。
大きな強化点はカメラ周り、F値1.5対応のデュアル絞り機能、スーパースローモーション対応など
このように、スマートフォンとしては最新のSoCなどにスペックアップされたほかは、S8/S8+と同等部分が多く、基本的には正常進化版と言ってよいが、大きく更新されているのがカメラ周りだ。画素数こそ前面が800万画素、背面が1,200万画素という部分こそ同じだが、レンズが明るくなり、新機能が追加されている。
背面のカメラは絞りを調整する機能が用意され、F値を1.5/2.4に切り替えられる。これはカメラの内部にある絞りを物理的に切り換えることで実現されている機能で、周囲が明るい場合にはF=2.4に、暗い場合にはF=1.5に自動的に切り替え、シーンに合わせて最適な撮影を行なうことが可能だ。
さらに複数のフレームから合成することでノイズを減らすマルチフレームノイズリダクション機能も搭載されており、従来モデルに比べて合成に利用するフレーム数を増やすことで、ノイズをより低減している。
また、内蔵されているCMOSセンサーが、DRAMを積層したモデルに切り替わったことで、960fpsのスーパースローモーションの動画を撮影可能になった。スーパースローモーションの動画撮影機能自体は、すでに他社で採用済みだが、Galaxy S9/S9+ではソフトウェアによる機能拡張が充実しており、動きを自動検知してスーパースローモーションで自動撮影する機能、BGMを簡単につける機能、作成してBGMをつけたスーパースローモーションの映像をアニメーションGIFにしてSNSで共有する機能などが用意されている。
また、S9+に関しては昨年の8月に発表されたGalaxy Note8と同じように、背面のカメラにワイドとテレの2つのレンズが用意されている。これより、2倍の光学ズームがあるカメラのように利用可能。このほか、カメラで撮影した画像を元にアバターを作りそれを絵文字として利用できるAR Emoji、背景を芸術的にぼかすことができるArt Bokeh、フロントカメラでセルフィーをしている時に背景をぼかす機能などが搭載される。
Samsung Electronicsの日本法人であるサムスン電子ジャパン株式会社によれば、Galaxy S9/S9+の日本市場での展開、販路、価格などに関しては現時点では未定とのことだ。