イベントレポート

Cooler Master、モジュラー型PCケースのラインナップを拡充

~ラジエータ一体型水冷CPUクーラーなどのコンセプトモデルも

 Cooler Masterは、昨年(2015年)のCOMPUTEX TAIPEI 2015で“Make It Yours”というスローガンを掲げ、さまざまな製品群やプロトタイプを展示したが、COMPUTEX TAIPEI 2016では、そのコンセプトに沿った新製品を拡充し、数多く展示した。

MasterCaseシリーズ

microATX対応のミニタワーケース「MasterCase Pro 3」

 昨年のCOMPUTEXで発表された、カスタマイズ性に優れるフルモジュラー型ケース「MasterCase」シリーズ。

 昨年夏にはATXミドルタワー型の「MasterCase 5」シリーズが発売済みとなっているが、COMPUTEX TAIPEI 2016ではmicroATXミニタワー型の「MasterCase Pro 3」とExtended ATXフルタワー型の「MasterCase Pro 7」が発表された。これにより、ミニタワーからフルタワーまで、フルラインナップが完成となる。

 双方とも、コンセプトはMaster Case 5シリーズ同様で、前面パネルや側面パネル、前面I/Oユニット、ケース内のドライブベイなどを自由に組み合わせてカスタマイズできる点が特徴。ケースは高さが異なるため、前面パネルや側面パネルに互換性はないが、前面I/Oユニットや内部ドライブベイなどのユニットは互換性があり、自由に組み合わせ可能となっている。

 また、今回はさまざまなユニットも同時に展示された。例えば、側面パネルには透明アクリル採用のものや強化ガラス採用のものなどがラインナップに加わり、前面I/OユニットにはUSB Type-Cポートを備えるものも追加されている。加えて、有名ModderやデザイナーがデザインしたユニットをCooler Masterの特設サイトで販売する計画もあるという。ユニットが増えたことで、カスタマイズ性が高まり、本来のコンセプトを体現する製品へと成長してきていると感じる。

 MasterCase Pro 3は近々に、MasterCase Pro 7は年内に発売を予定しており、価格は未定。

内部の様子。ドライブベイなどのユニットはMasterCaseシリーズで共通となり、自由にカスタマイズ可能
前面I/Oユニットも全シリーズ共通で交換可能
Extended ATX対応のフルタワーケース「MasterCase Pro 7」
MasterCase Pro 7側面
MasterCaseのカスタマイズ用ユニットも拡充
前面パネルは種類が増えた
前面I/OユニットにはUSB Type-Cコネクタ搭載モデル(右)を追加
Webサイトでは、有名Modderやデザイナーがデザインしたオリジナルユニットを発売予定

日本製造の電源ユニット

日本にこだわった1,200W 80PLUS Platinum電源「MasterWatt Maker」

 電源ユニット新モデルとして展示されていたのが容量1,200Wの「MasterWatt Maker」。フルモジュラー式の電源ユニットで、80PLUS Titaniumをサポートする。

 この製品の最大の特徴となるのが、”日本”にとことんこだわっているという点だ。品質重視の電源ユニットでは、日本製コンデンサなど日本製パーツを採用する製品が多いが、MasterWatt Makerは、空冷ファンなどごく一部を除いて、全てに日本製パーツを採用するとともに、製造も日本で行なう。非公開ではあるが、日本の大手メーカーが製造を担当するという。

 海外では、電源ユニットを選ぶ際に、日本製パーツの採用が重視される場合が多いそうで、さらに製造までも日本で行なうことで、より優れた品質の製品であることをアピールしたいという。発売時期や価格は未定。

ほぼ全てに日本製のパーツを採用し、製造も日本で行なわれるという

完全自社製のCPU水冷クーラー

Cooler Master完全自社開発のCPU水冷クーラー「MasterLiquid Pro」シリーズ。こちらは120mmラジエータ採用の「MasterLiquid Pro 120」

 水冷CPUクーラー新モデルとして展示されていたのが、「MasterLiquid Pro」シリーズ。120mmラジエータ採用の「MasterLiquid Pro 120」と、240mmラジエータ採用の「MasterLiquid Pro 240」を用意する。

 これまでCooler MasterのCPU水冷クーラーでは、一部社外調達パーツを使っていたそうだが、MasterLiquid Proシリーズでは全てのパーツが自社開発になっているという。最大の特徴が水冷ヘッド部分で、ポンプ部とCPUの熱を吸収する部分をセパレートにした2重構造になっている。これによって、ポンプ部の発熱が抑えられ、従来よりも性能が高まるとともに、寿命も2倍に伸びているという。

 こちらは2016年7月頃に発売を予定しており、価格は未定。

こちらは240mmラジエータ採用の「MasterLiquid Pro 240」
水冷ヘッド部が2重構造となり、ポンプ部の発熱を抑えて寿命が従来の2倍に伸びているという

 このほかにも、ケースやキーボードなど、各種新製品およびコンセプトモデルが展示されていたので、まとめて紹介する。

MasterCase 5T

派手なカラーリングが特徴の「MasterCase 5T」

 MasterCase 5をベースに、一部赤のカラーリングを施した「MasterCase 5T」。MasterCaseシリーズでも、もっと見た目が派手なものが欲しいという声に応えて用意されたという。

 ケース内部や前面パネル、天板などに赤のカラーリングを施すとともに、デザインも凝った部分を追加することで、より派手な印象となっている。こちらはコンセプトモデルで、発売時期や価格は未定。

内部にも赤のカラーリングを採用
トップは独特のデザインとなっている

MasterCaseシリーズの静音モデル

MasterCaseシリーズの静音モデル、microATX対応ミニタワーの「MasterCase 4」(左)と、Extended ATX対応のミドルタワー「MasterCase 6」

 MasterCaseシリーズのコンセプトモデルとしては、静音性重視のケースも展示していた。microATXミニタワーの「MasterCase 4」とExtended ATXミドルタワーの「MasterCase 6」の2モデルが用意されている。

 コンセプトはMasterCaseシリーズを踏襲しつつ、前面パネル、側面パネル、天板に吸音材を装着することで、静音性が高められている。また、前面パネルと天板は可動式で、すき間を作って冷却能力を高めるギミックも用意されている。発売時期は2016年内を計画しているという。

トップと前面パネルは可動式で、冷却能力を高められる

MasterBoxシリーズ

microATX対応のミニタワー「MasterBox Lite 3」

 シンプルなケースとして、「MasterBox」シリーズを新たに展開。MasterCaseシリーズまで高機能なものは不要というユーザーをターゲットにしているという。

 microATX対応のミニタワー「MasterBox Lite 3」、Extended ATX対応のミドルタワー「MasterBox 5」、赤のカラーリングを採用する「MasterBox 5T」が用意される。発売時期や価格は未定。

Extended ATX対応のミドルタワー「MasterBox 5」
MasterBox 5の色違いモデル
赤のカラーリング採用の「MasterBox 5T」

ラジエータ一体型水冷CPUクーラー

ラジエータ一体型の水冷CPUクーラー。型番はまだ付けられていない

 こちらは、水冷ヘッド、ポンプ、ラジエータが一体型となった、水冷CPUクーラーのコンセプトモデル。

 ラジエータ部分が90度回転するギミックを備え、トップフロー、サイドフローどちらの形状でも利用できるようになっている。小型ケースなどでの利用を想定しているという。開発中でまだ型番も付けられておらず、発売時期や価格も未定だ。

ラジエータは90度回転し、トップフロー、サイドフローどちらでも利用できる
薄型ケースなどでの利用を想定

自社開発キー採用のフルカラーLEDキーボード

フルカラーLED搭載キーボード「MasterKey」シリーズ。サイズの異なる3モデルを用意

 キーにフルカラーLEDを内蔵する「MasterKey」シリーズのキーボードも展示。

 こちらは、メカニカルキーに限りなく近い打鍵感と、メンブレンキー同等の低コストを両立する、自社開発の「Mem-Chanical」キーを採用しているという。メカニカルキーのような、やや軽めという印象もあったが、明らかにメンブレンキーとは異なる打鍵感で、メカニカルキーにかなり近いと感じた。

 また、フルカラーLEDは発色パターンや色などを専用アプリで自在にカスタマイズ可能となっている。発売時期や価格は未定。

自社開発の「Mem-Chanical」キーを採用
LEDの発色やパターンはアプリで自由にカスタマイズ可能