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Intel、AlteraのFPGA「Arria 10 GX」を1パッケージに統合したXeon

Broadwell-EPとAlteraのFPGA「Arria 10 GX」を1パッケージに統合したXeon

 去る3月9月~10日(現地時間)に米・サンノゼで開かれたOpen Compute Project U.S. Summit 2016にて、Intelは興味深い新製品を2つ披露した。

 1つ目は、Broadwellをベースとした16コア/32スレッドの「Xeon D-1581」。これまでXeon Dは8コアだったため、コア数が倍となる。講演による説明では、Facebookとのコラボレーションにより、16コアとEthernetの内蔵を実現したとされるダイを公開したが、大きさを見る限り8コア製品と大差はなく、新ダイかどうかは不明。

 仮に新ダイであった場合、Broadwell-EPとは別系統の多コア構成ダイとなり、その場合リングバスの構造など、若干疑問点が残る。また、手にしたダイがフェイクである可能性もあるし、8コア×2のMulti-Chip Package(MCP)構成である可能性も残されている。

 このXeon D-1581は1.9GHzで駆動し(ただしArkの情報ではベース1.8GHz、Turbo時2.4GHz駆動とされている)、キャッシュは24MB、TDPは65W。対応メモリチャネル数は2で、DDR4と3を両方サポート。PCI Expressのレーン数は32。Monolakeプラットフォーム専用SKUとなるようだ。

 なお、Intel Arkには、TDP 45Wで16コアの「Xeon D-1571」や「Xeon D-1577」、12コアの「Xeon D-1557」と「Xeon D-1567」(TDP 65W)の製品情報もひっそりと追加されている。

この時初めて発表されたXeon D-1581
16コアXeon Dのダイ。基調講演の動画を聞くと、このチップにEthernetを内蔵しているとも取れるが、詳細は不明だ

 そして2つ目は、Intelが買収したAlteraのFPGA「Arria 10 GX」を、MCPで1つのパッケージ上に統合したXeonだ。講演で示されたスライドを見る限り、15コアのBroadwell-EPを統合していると思われる。このXeonは既にサンプル出荷が開始されているという。ただし映像だけでは対応ソケットは不明である。少なくともLGA2011-v3ではなさそうだ。

 現在データセンターではFPGAの採用が焦点の1つとなっている。IntelはXeonとArria 10 GXを統合することで、データセンターにおけるAltera FPGAの採用を浸透させる狙いがありそうだ。

 下のスライドはISCA 2015(42回International Symposium on Computer Architecture)で示された、Ivy BridgeとFPGAを統合させる構想を示したスライドで、FPGAとCPUはQPIで接続されていることが分かる。

Ivy BridgeとFPGAを統合するイメージ
15コアのBroadwellとArria 10 GXをMCPで1パッケージに収めた

 ちなみに、Alteraは「EMIB(Embedded Multi-die Interconnect Bridge)」というIntelの新パッケージ技術を採用し、他のダイ(半導体)を1パッケージにするソリューションを提案している。このXeonでもEMIBを採用する可能性があるのでは? と思ったのだが、スライドでは思いっきり「MCP」と書いてあるので違うようだ。

(劉 尭)