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2020年に向けたパナソニックの“おもてなしイノベーション”の展示会が今年も開催
(2016/2/5 13:47)
パナソニックは、2016年2月5日~10日までの平日、東京・有明のパナソニックセンター東京において、「Wonder Japan Solutions」を開催するのに先駆け、4日、報道関係者に展示内容を公開した。
Wonder Japan Solutionsは、東京オリンピック/パラリンピックが開催される2020年と、その先の社会インフラ構築に向けて、パナソニックが開発中の独自技術やソリューションを提案する展示会で、「2020年に向けたパナソニックの“おもてなしイノベーション”」をテーマに、関係者や取引先を招待。一般には公開されない招待制のものだ。2015年2月に第1回目の展示会を開催。9コーナーに54商材を展示したが、今年は規模を拡大し、14コーナーに74商材を展示した。
パナソニックの井戸正弘役員は、「1964年の東京オリンピックは発展途上国型のオリンピックであり、新幹線や高速道路、モノレールなどが建設された。だが、2020年の東京オリンピック/パラリンピックは、成熟国家型のオリンピックになり、ハードウェアだけでなく、ソフトウェア、サービスも組み合わせたレガシー形成が求められる。パナソニックでは、スマートトランスポーテーション、スマートコミュニティ、スマートコミュニケーション、スマートペイメント、スマートセキュリティの5つのスマートを通じて、2020年に向けて東京都が抱える課題の解決に貢献したい。これらのソリューションは、2016年から受注活動を開始し、実用化の段階に入ってくることになる」とした。
また、「国や東京都では、障害者対応、超高齢社会対応、健康増進、大会盛り上げ、競技力強化といった点に取り組むことになるが、パナソニックでは、バリアフリーナビやアシストスーツにより、障害者や高齢者を含めて誰もが快適に暮らせる社会を目指すアクセシビリティ、スポーツやヘルスケアへの興味を高め、健康年齢の引き上げに貢献するウェルネス、スポーツ解析・映像ソリューションにより競技力を強化し、スタジアムソリューションにより新たな観戦体験を提供するスポーツの3つの分野からソリューションを提供する。今回の展示でも、それらのソリューションを展示している」とした。
Wonder Japan Solutionsは、パナソニックセンター東京の1階ホールおよび有明スタジオを展示会場に使用。街や店舗、駅、ホテルなどの様子を最新技術やソリューションで表現。2020年の街と、それを支えるパナソニックの技術を、具体的なシーンごとに幅広く展示した。
展示技術の中には、昨年(2015年)の技術展示を元に、新たな協業が生まれ、商材として進化を遂げたものもあり、積水化学、JTB、森ビル、NTTドコモ、電通、富士通、アシックスなど、パートナー企業との連携が相次いでいたのも特徴だ。会場を見回すと、協業によって、具体的ソリューションとして展示しているものが増えた印象だ。
「昨年のWonder Japan Solutions以降、約30社の企業と、共同開発や共同実証実験を行なっている。今回の展示では15社との協業成果を公開している」と述べた。
メインステージでは、「おもてなしを、もっと、みんなのものに」をテーマに、2020年に向けた、パナソニックのおもてなしイノベーションを紹介。さらに、多言語翻訳ソリューションや、暑さ対策のための藤棚型ミスト、都内サイクルシェアに活用するドコモバイクシェアとの協業開始、新規充電ロッカーモデルの提案などのほか、より軽量化したアシストスーツや、手話や筆談に対応した対面KIOSK、次世代スタジアム向け映像配信ソリューション、個人向け健康増進ソリューション商材なども展示してみせた。
「2020年とその先に向け、全ての人が、より快適に、便利に、安全に過ごせるためのおもてなしソリューションを、実物で実演し、体感してもらうことにこだわった。昨年は、訪日外国人をテーマにしたソリューションが多かったが、今年は障害者、高齢者、地方といった観点からのソリューションも増やしている。昨年は約750人の関係者、取引先が来場したが、今年はその3倍となる約2,300人の登録がある。パナソニックを含めて3,000人規模でのイベントになる。1964年の東京オリンピックでは、パナソニックは新幹線建設などには貢献できなかったが、2020年は日本の技術がここまで進化しているということを全世界に見てもらう機会になり、オリンピックがなれればできなかったという、パナソニックの技術やソリューションをパートナーとともに作り上げたい」とした。
また、内覧会では、歌舞伎俳優の市川染五郎さんがゲストとして登場。「2020年に向けた、伝統とテクノロジーの融合による新しい文化体験」をテーマにトークセッションを行なった。
市川染五郎さんは、「展示を見て感じたのは、夢と思っていたことが、現実に起こること。そこにワクワクしている。自動翻訳機は、自分の言葉で話し合うことができる点はありがたい。歌舞伎には早変わりというものがあるが、ハイスピードプロジェクション技術によって、無限の早変わりができるようになるなど、歌舞伎への応用も考えたい。今年5月にラスベガスで公演が予定されているSHI-SHI-Oでは、新たな技術も活用したい。今年は凄艶をキーワードに演じたい」などとした。
今回の展示の中では、なりきり動画ソリューションにおいて、市川染五郎さんが協力。モーションキャプチャーをつけて演目「お祭り」を撮影し、その動きを細かくデジタルデータ化。一方で外国人を撮影した3Dデータと組み合わせると、外国人が歌舞伎を演じる映像が表示されるというものだ。「30年以上、歌舞伎をやって身に付けた踊りが、一瞬で歌舞伎をやったことがない外国人が、歌舞伎俳優になりきって踊れてしまう」と語り、笑いを誘った。
写真で、Wonder Japan Solutionsの展示内容を見てみよう。