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Broadcom、16nmプロセス3GHz超の64bit ARMプロセッサを開発

Broadcomのクリス・オライリー氏
12月5日 発表

 米Broadcomは5日都内で説明会を開催し、10月に米国で発表されたARMv8-A 64bit命令セットを採用の次世代マルチコアプロセッサアーキテクチャについて説明した。

 新アーキテクチャは、サーバー向けの高い性能と、通信向けの技術を統合したもの。説明を行なった、同社プロセッサ&ワイヤレスインフラストラクチャグループ シニアディレクターのクリス・オライリー氏によると、これは、ワイヤレス、ストレージ、ネットワーキング、セキュリティという4つの分野を対象としたもので、市場規模は30億ドル。サーバー向けプロセッサベンダーとしては、Intel、IBM、Sunを買収したOracleなどがあり、通信向けプロセッサベンダーとしては、LSI、Cavium、Freescaleなどがあるが、両方を手がけるのはBroadcom 1社だという。

新アーキテクチャの概要

 新アーキテクチャは、TSMCの16nm FinFET製造技術を採用し、3GHzを超える周波数で動作。4命令同時発行と、4スレッド実行が可能で、命令処理はスーパースケーラーによるアウトオブオーダー方式。ARMv8-A命令セットを利用するが、ARMのIPをカスタマイズしたものとなる。

 特徴としては、CPU、各種アクセラレータ、I/Oをエンドツーエンドで仮想化可能。また、この種のプロセッサとしてはユニークな電力管理機能を搭載するほか、オープンでスタンダードベースのソフトウェア環境、標準化されたプログラムモデル/ツールチェーン/API/ネットワーキングライブラリを用意。これにより、採用メーカーはより短い時間で製品化を実現できる。なお、このアーキテクチャを採用した製品の名称は、同社内部では決定しているが、まだ公開はできないという。

 同社は64bit MIPSも長年手がけてきているが、今回の新アーキテクチャは、MIPSを捨てることを意味するのではなく、同社の製品ポートフォリオに新たに加わるものだとしている。

(若杉 紀彦)