特集
AndroidでSteamライブラリのゲームが遊べる「GameHub」を徹底検証
2026年3月30日 10:04
PCゲームをAndroid端末で動かせる「GameHub」というソフトがある。最近はスマートフォンも高性能化しているし、PCゲームも古いものやライトなものは大してマシンパワーを必要としないことを思うと、なるほどあってしかるべきもの、という気はする。
PCゲームを遊ぶには、当然ながらPCが必要だ。PCの前に座り、電源を入れ、ゲームソフトを起動する。ゲームのタイトルにもよるが、腰を据えてやるのが億劫に感じることはある。流行りのポータブルゲーミングPCならいくぶんハードルが下がるが、そこそこの重量もあるし、常に手が届くところに置いてあるとも限らない。
スマートフォンなら常に持っているものだし、利便性は何にも負けない。これでPCゲームが動くなら最高だ。そんなうまくいくのかどうか、実際に使って試してみた。
インストールして大丈夫?怪しくない?
まず真っ先に気になるのがソフトの素性だ。ゲームのエミュレータと言われただけで身構える方は多いだろう。
「GameHub」の提供元は、ゲームパッドのメーカーとして知られる中国GameSirだ。最近は家電量販店でもよく見かけるし、Xboxの公式ライセンス商品も開発している。会社としての素性に怪しさは感じられない。
「でもアプリ本体は.apkファイルを落とす野良アプリなんでしょう?」と思っていたら、ちゃんとGoogle Playからダウンロードできる(別に.apkファイルもある)。それならちょっと試してみてもいいかな、という気持ちにはなる。
今回はGoogle Playからダウンロードしたもので試していく。端末はシャープ製の「AQUOS R8 Pro SH-R80P」。SoCはSnapdragon 8 Gen 2、RAMは12GBで、2~3年前のハイエンド機である。
インストールから初期設定まで
アプリをインストールして起動すると、最初に利用規約とプライバシーポリシーの確認を求められる。これはよくあるものだが、「GameSirへようこそ」という文言から始まっており、アプリ本体というよりはGameSirに対しての個人情報取り扱いに同意するかという確認だ。フォントが中国語なのが気になるが、同意する。
次は「蓋世ゲームへようこそ」という画面が出る、蓋世ゲームって何だ? といきなり混乱させられるが、「GameHub」の中国名は蓋世ゲームと言うらしい。蓋世(がいせい)は気力が大きく意気盛んであるという意味で、意訳すれば「やる気全開のすごいゲーム」くらいのニュアンスだろうか。
ここではユーザー登録を行なう。メールアドレス、Google、Appleのいずれかのアカウントを利用する必要がある。これはスキップできないので、GameSirに何かしらの個人情報を渡すことになる。筆者はメールアドレスを選び、GameSirから届いたメールに書かれた認証コードを入力して登録完了となった。
続いてプロフィール画像とニックネームを入力する。「GameHub」を利用するためには必要性を感じないが、これもGameSirアカウントとしての登録作業なのだろう。その後、通知の許可を求められるが、これはお好みで。
登録作業が済むと、アプリが使えるようになる。よくあるゲームランチャー風の画面が表示された。
Steamゲームをインストールしてみる
早速アプリを試してみよう。まずは上部のタブから「マイ」を選択(自分用の領域、といった意味なのだろう)。
いくつかのアイコンが並んでおり、左から「ゲームライブラリ」、「Steam」、「PCシミュレーター」、「PCリンク リモートプレイ」、「PS Link リモートプレイ」、「インポートゲーム」となっている。
ゲームライブラリはインストール済みのゲームの一覧の確認(この時点では何も入っていない)。PCシミュレーターも同じインストールゲームの一覧に飛ぶ。PCリンク リモートプレイは、蓋世ゲームのPCクライアントをインストールしたPCのストリーミングゲーム機能。PS Link リモートプレイはPlayStationのリモートプレイのクライアントだ。
大事なのはここから。インポートゲームは、PC用のゲームの実行ファイルをインストールする機能。つまりPCで動くゲームを自由にインストールできる。ただしこの機能はGoogle Play版では使用できず、.apk版のみ対応しているという。よって今回は試さないことにする。
さて、最も重要なのがSteamだ。最初にSteamへログインする必要がある。ユーザーIDとパスワードの入力か、スマートフォンアプリからQRコードを読み取るか、2つの方法がある。SteamのPC版と同じ、おなじみのログイン手続きだ。
ログインすると、自分のSteamライブラリをアプリから確認できるようになる。筆者の場合だと89本のゲームが見えた。PC版のSteamとほぼ同じで、VR専用タイトルなども拾われている。
タイトル一覧からゲームを選ぶと、そのゲームのページが開かれ、「ゲームを入手」というボタンが表示される。「ドラゴンクエストIII そして伝説へ…」でボタンを押してみると、15.62GBというインストール容量と、端末の空き容量が表示された。
「インストール」を選ぶと、「ダウンロード中は画面をオンにしたままにしてください」と表示される。画面を消してスリープ状態にするとダウンロードが止まってしまうのだろう。
そのまま放置し、しばらくしてから見てみると、インストールが終わって「今すぐプレイ」というボタンになっていた。タップするとゲームの読み込みが始まる。
ただ起動までには結構待たされる。今回だと初の起動だったこともあってか、タイトル画面が出るのに2分ほどかかった。それでも間違いなく、Android端末でSteamのゲームが動作しているのが確認できる。
「ドラクエIII」は快適にプレイできるのか?
筆者の環境だと、解像度は標準で1,280×720ドットと低めに設定されており(「GameHub」の各タイトル設定で変更可能)、ゲーム内のグラフィック設定を最高画質にすると15~30fps程度で動いた。画質を最低まで下げれば最大で7割ほどフレームレートが向上するのを確認できた。
操作はバーチャルパッドが標準で表示されており、画面をタップして操作する。本作はRPGなので急ぐ操作は要求されず、バーチャルパッドでもさほど困らない。
もしUSB接続やBluetooth接続が可能なゲームパッドがあれば、端末に接続すればそちらでも操作できる。Xboxの純正ゲームパッドの有線接続と、サードパーティ製ゲームパッドのBluetooth接続を両方試してみたところ、どちらも問題なくゲームを操作できた。これならプレイ感は完全にPCゲームと同じだ。
動作はやや重い。フレームレートが低いのは問題ないとしても、バトルに入る際などの読み込み時間で数秒ほど待たされる。実機のPCに比べればプレイ感は劣るものの、動作そのものには大きな問題はなかった。
しばらく遊んでからゲームをセーブして終了すると、「GameHub」の「ドラクエIII」のページに戻ってくる。ここでクラウドの情報が最新という表示があるので、PCから「ドラクエIII」を起動してみたところ、「GameHub」でプレイしたデータが反映されていた。Steamのクラウドセーブ機能もしっかり動作している。
ヘビーな3Dゲームは辛いが、2Dゲームはかなり快適
ではほかのゲームもどんどん試してみよう。「ドラクエIII」も3D描画で見た目より重いゲームではあるが、より重めのゲームとして「Street Fighter 6」をインストール。こちらは72.4GBとデータが大きく、スマートフォンにインストールするには大きすぎるサイズだ。
時間はかかりつつもインストールができたので起動してみた。しかしバーチャルパッドが表示されるだけで、数十分間待っても画面はずっと真っ暗なままだった。情報がないので原因が分からないが、仮に起動したとしても遊べるレベルではないだろう。
もう少し古めのゲームとして、「モンスターハンター ライズ」も試した。こちらは初期設定のシェーダーウォーミングで長時間かかりつつも無事に起動した。グラフィック設定を中にすると街中で10fps程度。画質を下げてもせいぜい15fpsで、遊べるレベルには達しない。それでもスマートフォンで動作しているのを見るとちょっと感動がある。
3Dグラフィックスをヘビーに使うゲームは難しそうだが、2Dベースのカジュアルなゲームならば問題はなさそうだ。2Dベースの「ファイナルファンタジー ピクセルリマスター」を動かしてみると、30FPS前後で安定して動作する。2DゲームだとGPUの負荷が小さく、余裕があるように見える。
ローグライクカードゲームの新作「Slay the Spire 2」も無事に動作。フレームレートも安定して60fps近くまで出ており、プレイ感を何ら損ねていない。強いて言えば、操作がタッチ操作ではなくゲームパッドベースになるのがもどかしい。
どこでも手軽にSteamゲームを遊べる
実際に試してみて感じたのは、動作が安定していること。起動しなかったり画面が乱れたりといったトラブルはほとんどなく、動作が重くはあっても破綻はしない。
これについては、ゲームの互換性設定を見ると納得できる。互換レイヤーという項目に、WineとProtonの文字が見える。WineはLinux上でWindowsアプリを実行する互換レイヤー、ProtonはLinux上でWindowsのゲームを動作させるための互換レイヤーだ。特にProtonはLinuxベースで動作している「Steam Deck」でも使われており、ゲーム向けに実績がある。
Android端末はArmアーキテクチャなので、WindowsのゲームをAndroidで動かすには、Windows APIの変換(Wine/Proton)に加え、x86/64の命令をArmに変換する処理も必要になる。その点は確かに不利なのだが、Wine 10.0でarm64xビルドがサポートされ、Wine/Proton自体はARMネイティブで動作しつつ、ゲーム側のコードのみを変換する構成が可能になった。
つまり、Android端末でWindowsのゲームを動かす下地がソフトウェア側で整いつつあり、「GameHub」はその流れに乗ったアプリだといえる。ゲームのエミュレータと言うと怪しさが漂うが、やっていることはオープンな技術の延長線上にある真っ当なものだ。
ゲームのプレイ環境としては、やはりSteamの資産を活かせるのが素晴らしい。激しいアクションゲームやヘビーな3Dゲームは向かないにしても、PCゲームを最も気軽に遊べる環境であることは間違いない。
外出時の時間つぶしに遊ぶためのAndroidゲームも、携帯ゲーム機も要らない。すべてのゲームをSteamで管理し、いつでもどこでもプレイできる。長くSteamを使っているゲーマーほど、この恩恵を強く感じられるはずだ。
いざとなればゲームパッドが使えるのも大きい。USB Type-C端子で有線接続するのは少々邪魔ではあるが、Bluetooth接続できるものならとても手軽だ。
「これさえあればゲーミングPCは不要!」というものではなく、併用して時と場合によって使い分けるためのものだ。これが誰でも無料で使えるというのがありがたいのと同時に、怪しさも高めている。念のための自衛として、Steamログイン時にIDとパスワードを直接入力せず、QRコードでのログインを使うのがいい(Steamガード)。
エラーが出て使えなくなったら?
最後にもう1つ、「GameHub」を使用していて困ったことについてお伝えしておく。筆者が2本目のソフトをインストールした際、「Task "Download Game Config" Failed」というエラーが出て、ゲームを起動できなかった。その後にインストールしたソフトもすべて起動せず、起動済みの「ドラクエIII」だけが動かせる状態になってしまった。
どうやら通信周りのトラブルで、ゲームの初期設定を行なう設定ファイルをダウンロードできないのが原因のようだ。対処法はアプリの再インストール、回線の切り替え(Wi-Fiをオフにしてモバイルネットワークにするなど)、ルーターのファイアウォール設定の変更、VPNの使用などがある。
筆者はWi-Fiからモバイルネットワークへの切り替えと、アプリ「OpenVPN」でパブリックなVPNサーバーに接続して対処できることを確認した。1回起動してしまえば、その後は元のWi-Fi回線に戻しても問題なく起動する。
回線の切り替えで使えるようになるのは不思議な感じがするのだが、事実として対処できたので、問題が起きた際にはお試しいただきたい。理由ははっきりせず、現在はWi-Fi接続でも問題が出なくなったのだが、割と頻発するトラブルのようだ。













































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