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日本HP、ElitePad 900を発売

~「HP Slate 7の国内投入は前向きに検討」と岡副社長

ElitePad 900を持つ岡隆史氏
発売中

最小構成価格:69,300円~

 日本ヒューレット・パッカード株式会社(日本HP)は2月28日、Windows 8を搭載したタブレット端末「ElitePad 900」を発売した。最小構成価格は69,300円から。

 同社の直販サイトであるHP Directplusのほか、システムインテグレータなどのパートナールートを通じて販売する。量販店などのコンシューマルートでの販売は行なわない。

 ElitePad 900は、1,280×800ドット表示対応10.1型マルチタッチディスプレイ搭載のビジネス向けタブレットで、CPUにはIntelのAtomプロセッサを搭載。コンピュータ制御加工(CNC)により、アルミニウムから削り出した一体成形によるデザインを採用するとともに、米軍調達基準「MIL-STD-810Gテスト」に準拠した耐久性を実現しているのが特徴。2GBメモリと32GBストレージを搭載し、重量は約680g、本体サイズは、261×178×9.2mm(幅×奥行き×高さ)となっている。

 スマートジャケットを用意しており、バッテリを内蔵したスマートジャケットを利用することで、標準で約10時間のバッテリ駆動時間を18時間に拡張できる。また、キーボードが利用できるキーボードジャケットも用意する。

2013年2月28日から発売となったElitePad 900
オプションのスマートジャケット

 日本HP プリンティング・パーソナルシステムズ事業統括の岡隆史取締役副社長執行役員は、「企業向けに求められる機能は詰め込めるだけ詰め込んだ製品。すでに数十社の企業が導入の検討を行なっており、発売前のセミナーでも、常に満席となる人気ぶりだった。手応えは予想以上にいい」とする。

 また、「商談においては、営業担当者などのモバイルワーカーが持ち運ぶ端末として、または接客用端末としての検討が多い。Windows 8を搭載したタブレットの登場を待ち望んでいた企業ユーザーが多く、数千台単位での導入を検討している企業もある」などとしている。

 さらに、「まずは、日本市場向けに数千台単位で確保した。直販サイトにおいても、3月、4月は安定的に供給できるだろう」としている。

 なお、日本マイクロソフトが発売するWindows 8搭載タブレット「Surface」の国内投入については、「企業向けとなるElitePad 900との競合はない」とした。

ElitePad 900の特徴

HP Slate 7の国内投入も検討中

HP Slate 7

 一方、バルセロナで開催しているMobile World Congress 2013で発表したAndroid搭載の7型タブレット「HP Slate 7」については、「日本での発売を前向きに検討していきたい」と語った。

 HP Slate 7は、コンシューマ向けのAndroidタブレット端末で、米国では4月の発売を予定している。価格は169ドルから。

 CPUには、Cortex-A9(デュアルコア1.6GHz)を搭載。8GBのストレージ、1,024×600ドット表示に対応した7型液晶を採用。OSはAndroid 4.1となっている。本体サイズは116×197×10.7mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約369g。

 ノキアから米Hewlett-Packard入りしたアルバルト・トーレス氏が率いるモビリティ事業部門が開発した第1号製品であり、Beats Audioによる高音質化や、ePrintによる印刷機能の強化などが特徴となっている。

 「どのような販売ルートで展開するかについても未定だが、競争力の高い製品だと考えており、これまでとは違うマーケティング戦略を打ちだし、この製品の良さを伝えたい。日本HPの今後のコンシューマ事業戦略おいて、重要に意味を持つ製品になる」との考えを示した。

 なお、webOS事業の売却については、「日本市場における影響はないと考えている」と語った。

(大河原 克行)