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日本HP、直販13,860円のBeats Audio搭載7型Androidタブレット

~Tegra 4とIPS液晶の10型ハイブリッド、21.5型も

8月下旬より順次発売

価格:オープンプライス

 日本ヒューレット・パッカード株式会社(日本HP)は29日、個人向けのAndroidタブレット3製品を発表した。8月下旬より順次発売する。価格はオープンプライス。

 ラインナップは、7型液晶の「HP Slate7」、10型液晶のキーボードドック付き「HP Slatebook10 x2」、21.5型の据え置きタイプ「HP Slate21」。2月のMobile World Congress 2013で公開された製品が、ようやく国内販売される。HP Slate7は169ドルだが、国内は13,860円からとアグレッシブな価格設定にしたという。

 OSはAndroid 4.1または4.2を搭載し、Google Playに対応。独自のプリントソリューション「HP ePrintアプリ」を標準搭載し、対応プリンタで直接印刷できる。

HP Slate7

 HP Slate7は8月下旬発売。ストレージ容量で販路が異なり、8GBモデルは直販で13.860円から、16GBモデルは量販店で20,000円前後の見込み。直販モデルは8月6日より受注を開始する。本体色はシルバー、レッドの2色。

 大きな特徴は、タブレットとして初という「Beats Audio」を搭載。同社のPC製品に搭載されてきたサウンド技術で、タブレットでの動画、音楽、ゲームなど音に関するアプリケーションのユーザー体験向上を目指したという。なお、本体にはステレオスピーカーを内蔵するがスピーカーでは機能せず、ヘッドフォンジャック経由で有効になる。

HP Slate7
Beats Audioをヘッドフォンジャックでサポート
色はシルバーとレッドを用意

 ストレージ以外の主な仕様は、OSにAndroid 4.1、デュアルコアARM Cortex-A9 1.60GHz、メモリ1GB、1,024×600ドット表示対応7型タッチ液晶を搭載。インターフェイスはMicro USB、microSDカードスロット、IEEE 802.11b/g/n無線LAN、Bluetooth 2.1+EDR、前面30万画素/背面300万画素カメラを備え、加速度センサーを内蔵する。

 バッテリ駆動時間は約5時間。本体サイズは約197×116×10.7mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約370g。

HP Slatebook10 x2

 HP Slatebook10 x2は9月上旬発売。販路は直販のみで、価格はストレージ16GBモデルが5万円前後、64GBモデルが6万円前後を予定。本体色は16GBモデルがスモークシルバー1色、64GBモデルがスモークシルバーとスノーホワイトの2色。

 10.1型タブレットとキーボードドックをセットにしたハイブリッドタイプの製品。合体時はクラムシェルのノートPCなどと同様に折り畳める。タブレットのみでの重量は約600g、バッテリ駆動時間は約8.75時間。ドック合体時は約1.25kg、約14.75時間となる。タブレットのサイズは258×182×9.6mm(同)、合体時のクラムシェル状態は258×194×20~22.5mm(同)。

HP Slatebook10 x2
展示機は英語キーボードだったが、国内版は日本語になる予定
製品の特徴

 ディスプレイは1,920×1,200ドット(WUXGA)表示対応の10.1型IPSパネルを採用。そのほかの仕様は、OSにAndroid 4.2、プロセッサにTegra 4(最大1.80GHz)、メモリ2GB、KINGSOFT Office for Androidを搭載。

 インターフェイスは、タブレット側がmicroSDカードスロット、IEEE 802.11a/b/g/n無線LAN、Bluetooth、前面92万画素/背面200万画素カメラ、音声入出力を装備。キーボードドック側はUSB 2.0、SDカードスロット、HDMI出力、音声入出力などを備える。タブレットのセンサーは加速度、ジャイロスコープ、コンパスを内蔵する。

HP Slate21

 HP Slate21は9月上旬発売。販路は直販、価格は4万円前後を予定。色はグロッシースノーホワイト1色。

 液晶一体型PCのOSとボードをAndroidにした形の製品。Androidスマートフォンやタブレットで慣れたインターフェイス環境やアプリ資産を、据え置きで使いたいユーザー向けだという。スタンドは軽い力で15~70度まで傾斜できる設計とした。スタンドを外してVESA 100×100mmでも運用可能。USBキーボード、マウスが付属する。

HP Slate21
スタンドは15度の角度まで倒して使用できる

 主な仕様は、OSにAndroid 4.2、プロセッサにTegra 4(同)、メモリ1GB、ストレージ8GB、1,920×1,080ドット(フルHD)表示対応21.5型IPS液晶、KINGSOFT Office for Androidを搭載。

 インターフェイスはUSB 2.0×3、Ethernet、IEEE 802.11a/b/g/n無線LAN、Bluetooth 3.0、SDカードスロット、92万画素Webカメラ、音声入出力などを備える。

 本体サイズは約531×169~330×155~346mm(同)、重量は約5kg。

メジャーになるかニッチになるかの境目の時代

日本HP 取締役 副社長執行役員 プリンティング・パーソナルシステムズ事業統括 岡隆史氏

 同社は7月29日、都内で発表会を開催。日本HP 取締役 副社長執行役員 プリンティング・パーソナルシステムズ事業統括 岡隆史氏が、現在のマーケットのトレンドとデバイスの開発背景を説明した。

 岡氏はスマートフォン、タブレット、PCのIDC予測を示し、世界的に見た場合、2013年は15億台程度、5年後には23億台に上り、毎年2億台程度が成長する分野だとした。PCの成長率は1%程度だが、スマートフォン/タブレットは2桁成長が期待できるという。今後は低価格化や多様化が進んで行くだろうとした。

 デバイスの大事な要素として使い勝手を決めるOSに関しては、スマートフォン/タブレットでAndroidが伸び、同様にソフトウェア資産が豊富で企業用デバイスに適したWindowsも伸びていくというGartnerのデータを基にしたグラフを提示。岡氏は「HPとしてOSのトレンドに対応していく」とし、マルチOSで展開していく意向を示した。

 モバイル環境で使いたいデバイスという意味で、フォームファクタにも注力。クラムシェルのUltrabook、合体するハイブリッド型、変形型などを展開し、「ビジネスを想定したタブレットなどの製品作りも大切」とする。「ソリューションとして特定領域に特化した製品も要求されるようになり、ニーズが多様化し、フォームファクタ、OSといった要素を広い製品群でカバーしたい」とした。

 最後に岡氏は「メーカーとして製品と(販売)地域を広げていくことができるか、メジャーになれるかニッチになるのかの境目の時代だと感じている。本日の製品はマルチOS展開として発表する」と語った。

グローバルのデバイス市場
OSの割合の推移予測
フォームファクタ、OSなどデバイスのトレンドに対応

(山田 幸治)