会期:1月6日~9日(現地時間)
会場:Las Vegas Convention Center/The Venetian
eVGAはCES会場近くのホテル内にスイートを設け、同社における今年前半の新製品を展示した。
注目されるのは、GeForceを2基搭載する予定のデュアルGPUカード。3連ファンのクーラーを持つビデオカードに、FermiベースのGPUを2基搭載する。2010年6月のCOMPUTEX TAIPEIにおいて、GalaxyがGeForce GTX 470を2基搭載するボードを展示したのに続く例となる。
現在はあくまで試作の段階で、GeForce GTX 460を2基搭載したボードになっているという。GPU1基あたり1GB、計2GBのメモリを搭載。映像出力はDVI×3とHDMIを備えており、1枚のビデオカードで3D Vision Surroundを実現できるという。
GeForce 500シリーズの搭載についても検討されており、GeForce GTX 570または「その下のGPU」の搭載が考えられるという。ちなみにGeForce GTX 460を2基搭載した場合には、GeForce GTX 580より安い価格で提供できるだろうとスタッフは述べている。いずれのGPUが搭載されるにしても、具体的な製品については1~2カ月後にアナウンスするとのこと。
eVGAが展示したデュアルFermiカードの試作機。三連ファンのクーラーを採用。GeForce GTX 460を2基搭載する | 裏面。メモリは1GPUあたり1GBを搭載する | 電源端子は8ピン×2の構成 |
SLI端子も1基備えている | 映像出力はDVI×3とHDMI。1枚のビデオカードで3D Vision Surroundを実現できるとしている |
このほか、ボードサイズを短くしたGeForce GTX 570も展示。価格は未定で、発売は2月または3月頃が予定されている。オリジナル基板により実現したもので、動作クロックなどの仕様はリファレンス仕様どおり。
ただし、映像出力端子の仕様は変更されている。GeForce GTX 570のリファレンスデザインではDVI×2+mini HDMIの構成となるが、「ユーザーに使いやすいよう」DVI×2、標準のHDMI、DisplayPortの構成となっている。
手前がeVGAが発売を予定しているショートサイズのGeForce GTX 570。奥はリファレンスモデルである | ショートサイズに収めるために電源端子も位置を変更している |
ボードの裏面。メモリはすべて表面に実装。SLI端子は2基備える | ディスプレイ出力はDVI×2に加え、標準サイズのHDMI端子と、DisplayPort端子を備える |
Intel P67搭載マザーは3モデルを展示。今月中にも標準的なATXモデルを投入し、その後、ハイエンドの「Classifiedモデル」、microATXモデルの順に投入される予定になっている。
最初に登場する標準モデルは199ドルで提供される。PCI Express x16スロットを3基備え、PCI Express x8×2のSLIおよびCrossFireに対応。1基はPCI Express x4相当となる。チップセット提供のSATA 6Gのほか、ルネサスのUSB 3.0コントローラを1基用いて2ポートを搭載する。また、スロット上部にはLEDモニタを搭載しており、eVGAロゴが光る仕組みとなっている。
ハイエンドのClassifiedモデルは、6基のPCI Express x16スロットを搭載。うち1基はx1相当、2基はx8相当、残る3基はNVIDIAのスイッチを用いてx16またはx8で動作する。3-way SLIもサポートする。
またオンボード上にコンパクトフラッシュスロットを備えており、ストレージやキャッシュとしてフラッシュメモリを利用することができる。また展示機ではATX24ピンコネクタが一般的な垂直に差し込む形状となっているが、製品版ではボードの外側方向に折れ曲がった(SATA端子などと同じ)形状を採用するとしている。
また、車のメーター風のCPUクロックモニターも付属。とくにCore iシリーズではTurbo Boostによって動的にクロックが変化することから、その効き具合のチェックもできるうえ、頻繁に動いて面白いという。
ちょっと変わったところでは、Ethernet接続のゼロ・クライアント「PCoIP」のデモも行なわれていた。VMWareを用いて仮想化したホストから、Ethernetを介して動作するゼロ・クライアント。高い3D性能を要求する環境向けに、専用のホストカードも用意されるという。
クライアント側のインタフェースはDVI×2、USB 1.1×4、オーディオ入出力となっている。DVIはシングルリンクとなっており、最大で2枚の1,920×1,200ドットへの出力が可能。
発売は今月末、価格は299ドルを予定している。
eVGAが今月末の発売を予定している、ゼロ・クライアント「PCoIP」 | インタフェースは充実している。USBポートは2基が背面、2基が側面に配置される |
●ZOTACがGeForce GT 430オンボードのIntel H67を展示
ZOTACのブースでは、同社が手がけるMini-ITX製品が多数展示されている。注目はIntel H67にGeForce GT 430をオンボード搭載したマザーボードだ。製品名などは決まっていないが、International CES終了後、早い段階でローンチしたいとしている。
DDR3-1333対応のSO-DIMMを2スロットを備えるほか、拡張スロットはMini PCI ExpressとPCI Express x4。CPU内蔵のPCI Express x16はGeForce GT 430に接続されている格好だ。
また、ZOTACブースではこのマザーボードを組み込んだ小型PC「ZBOX with Fermion」も展示。FermionとはGeForce GT 430のマイクロアーキテクチャであるFemiから採られた独自のコードネーム。現段階ではあくまで試作品であり、具体的な製品計画などはノーコメントとしている。
なお、ZBOX with FermionのI/Oパネルから、先述のIntel H67+GeForce GT 430のI/Oリアパネルを見ることができるが、ディスプレイ出力にDVI×2、HDMI、DisplayPortを備えるほか、eSATA端子も備えていることを確認できる。
このほか同社ブースではローンチ済みのIntel H67搭載Mini-ITXマザー「H67ITX-A-E」も展示。こちらのマザーボードにはPCI Express x16スロットを備えることから、GeForce GTX 460を搭載するシステムのデモも行われていた。
●Super TalentがPCI Express接続SSDの第2世代製品を展示
Super Talentが展示したRAIDDrive II。同社のPCI Express x8接続のSSDとしては第2世代にあたる製品で、前モデルを超える性能を持つ |
メモリメーカーのSuper Talentブースでは、同社が昨年発売したPCI Express接続のSSD「RAIDDrive GS」の後継モデルとなる「RAIDDrive II」を展示。基板全体をヒートシンクで覆っていたGSモデルとは異なり、コントローラ部とフラッシュ基板の上部にのみクーリング用のヒートシンクやパネルが備わるだけのデザインとなった。
パフォーマンスはGSを大きく上回る。シーケンシャルリードが1.4GB/secから2.4GB/secへ、シーケンシャルライトが1.2GB/secから2.2GB/secへ、ランダムアクセスは140KIOPSから230KIOPSへ向上している。
容量は最大で2TBモデルをラインナップ。価格はGSと同程度になるとしている。
A-DATAのSATA 6Gbps対応SSD「S511」。リード/ライトともに500MB/secの性能を持つのが特徴 |
A-DATAはCES内にブースを設けず、台湾トレードセンターのカンファレンスに参加する形で新製品を紹介。
ここでは、SATA 6Gbps転送に対応したSSD「S511」の投入を発表した。現在同社では同じくSATA 6Gbps対応の「S501」の出荷を開始した段階にあるが、その上位モデルとしてラインナップされることになる。S501がリード480MB/sec、ライト310MB/secに対し、S511ではリード/ライトともに500MB/secと高速化する。製品の投入は今年第2四半期を予定している。
(2011年 1月 11日)
[Reported by 多和田 新也]