ニュース

オープンウェイトの最高評価AIモデル「MiMo-V2.6」、Xiaomiが無償公開

〜1.02TのProはOpus 5に一部で並び、310BのFlashも好成績

 「Claude Opus 5」と肩を並べるとうたうAIが、商用利用も認められる条件で誰でも入手できるようになった。XiaomiのAI開発チームXiaomi MiMoは9月22日(日本時間)、AIモデル「MiMo-V2.6」シリーズの3モデルをオープンウェイト(モデルの重み)として公開した。Hugging Faceから無償でダウンロードでき、ライセンスはMITで商用利用・改変・再配布が認められる。上位版のProは、Artificial Analysisの総合指標「Intelligence Index」において、オープンウェイトのモデルで首位に立った。

 MiMo-V2.6は、テキストに加えて画像や動画、音声も扱えるMoE(Mixture-of-Experts)型のAIモデルである。MoEは、モデル内部を役割の異なる多数の小さなネットワークに分割し、入力ごとに必要なものだけを動かして計算量を抑える仕組みだ。強化学習(課題を解かせて採点し、その結果をもとにモデルを更新する学習方法)の規模を大きく広げて学習させ、AIエージェントとしてコーディングや業務、サイバーセキュリティなどの作業をこなす能力を伸ばした。

 上位版の「MiMo-V2.6-Pro」は、総パラメータ数が1.02T(1兆200億)で、1トークンあたり動くアクティブパラメータ数は42B(420億)にとどまる。軽量版の「MiMo-V2.6-Flash」は、総パラメータ数が310B(3,100億)、アクティブパラメータ数が15B(150億)で、総パラメータ数はProの約3分の1だ。コンテキスト長(一度に扱える文章量)は、どちらも最大100万トークンに対応する。

MiMo-V2.6と前世代・他社モデルのエージェント系ベンチマーク比較。ProはAutomationBenchで53.1とOpus 5の50.3を上回った

 Xiaomiが公表したエージェント系ベンチマークでは、ProがOpus 5に勝つ項目がある。業務自動化の「AutomationBench v1.0.6」は53.1で、Opus 5の50.3を上回った。端末のコマンド操作を伴う「Terminal Bench 2.1」は89.9対89.1と僅差で上回り、実務の課題を長時間こなす力を測る「Agents' Last Exam」は31.6で並んだ。職務タスクの「JobBench」は62.0で、Opus 5の65.7には届かないものの、Anthropicの「Claude Fable 5」の57.4は上回っている。

 前世代「MiMo-V2.5-Pro」からの伸びも大きい。コード修正の「DeepSWE v1.1」は19.0から71.9へ、JobBenchは25.0から62.0へと大幅に向上した。ただしDeepSWE v1.1では、Opus 5の74.0にわずかに届いていない。

 軽量版のFlashは、Proに近い成績を残した。DeepSWE v1.1は67.9でPro(71.9)との差は4ポイント、AutomationBench v1.0.6は52.3でPro(53.1)とほぼ同じだ。

 手元で試しやすいのは、「Qwen3.5-9B」をMiMoが生成したデータで追加学習した9B(90億)パラメータの「MiMo-V2.6-Distill-Qwen-9B」だ。Pro/Flashと異なり、90億パラメータすべてが動くDense(高密度)型のモデルである。Pro/Flashを含め、3モデルとも有志による量子化版がHugging Faceで公開されている。

MiMo-V2.6シリーズで公開された3モデル

  • MiMo-V2.6-Pro: 総パラメータ数1.02T・アクティブパラメータ数42BのMoE型の上位版。Artificial AnalysisのIntelligence Indexで46を記録し、オープンウェイトのモデルで首位
  • MiMo-V2.6-Flash: 総パラメータ数310B・アクティブパラメータ数15BのMoE型の軽量版。DeepSWE v1.1で67.9と、Proの71.9に近い
  • MiMo-V2.6-Distill-Qwen-9B: Qwen3.5-9BをMiMoが生成したデータで追加学習した、9BパラメータのDense型モデル。研究者が強化学習を試すためのモデルとして公開