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ノートPC向け世界初の1,000Wh/Lバッテリ、LenovoがThinkPadに搭載へ
2026年6月19日 12:09
Lenovoは6月18日(米国時間)、ノートPC向けとしては世界初となるエネルギー密度1,000Wh/Lのシリコン負極バッテリ「ED1000」の詳細を明らかにした。既に研究段階を終え量産体制が整った段階で、2026年後半にThinkPadの高性能AI PCに搭載される見込み。性能の大幅な向上とバッテリ駆動時間の劇的な延長を実現するという。
ED1000は、3月16日のNVIDIA GTCにてモバイルワークステーションの「ThinkPad P」シリーズ新製品とともに発表された、リチウムイオンバッテリの概念実証だ。同月にジュネーブ国際発明展の金賞(審査員祝辞付き)を受賞している。
リチウムイオンバッテリの体積あたりの容量、つまりエネルギー密度はこれまで年間で約3%しか増加しておらず、グラファイト負極を採用した製品で既に約900Wh/Lという上限に達していた。一方ED1000は一気に10%向上させる画期的な成果を上げ、民生用バッテリとして初めて“4桁の時代”に突入できたという。
このような容量を実現した背景はシリコン負極の採用だ。シリコンは理論容量がグラファイトと比較してはるかに高いため有望視されているが、充放電を繰り返すと300%以上も体積が膨張するというデメリットがあり、寿命と安全性に悪影響を及ぼすため民生用における大規模な実用化は困難であった。
この問題に対応するため、研究チームは弾性のある多孔質炭素骨格を設計。この骨格はナノスケールにおいてシリコンの膨張に対応できる干渉空間を提供し、全体の構造的完全性を維持。これにより、材料中のシリコン含有量が約7%増加し、効率的な3次元電子輸送ネットワークが構築され、充放電サイクル中の構造的破損を防ぐ。
材料準備段階で、プラズマ活性化原子工学を導入。多孔質カーボン骨格内に化学結合部位を精密に構築し、ナノシリコンとカーボンの強力な化学結合を実現。電気伝導率が約100倍に向上し、界面剥離の問題を根本的に解決して長寿命化を図った。
製造においては、低温プラズマ強化蒸着法を適用することで、シランガスの反応温度を400℃以上から300℃以下に抑えた。これにより、多孔質炭素の細孔利用率が約10%、シリコン含有量がさらに5%向上し、固定されない浮遊シリコンを大幅に抑えることでサイクル安定性を高めた。
さらに、材料表面に高いイオン伝導性を持つ固体電解質コーティングを形成。電解質とシリコン間の副反応を遮断すると同時に、強力な構造的支持を実現し、安全性と充放電サイクル寿命をさらに向上させた。従来のバッテリは数百回の充放電サイクルで著しい劣化が見られる傾向があるが、ED1000は1,200回以上の充放電サイクル後でも安定した状態を維持できたとしている。
今回の研究はLenovoのインテリジェントデバイスグループCPSD研究開発チームと上海交通大学による産学連携研究イニシアチブの成果で、Lenovoが大学を支援するとともに、上海のBYD Batteryや珠海のCosMX Batteryといったパートナー企業の協力を得て実現した。




















