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理研、NVIDIA GPU採用の新スパコン。富岳や量子コンピュータと直接接続

 理化学研究所(理研)は11月18日、量子コンピューティングとHPCの連携加速に向けた「量子HPC連携プラットフォーム向けスーパーコンピュータ」のシステム構成を決定したと発表し、「GB200 NVL4」をはじめとしたNVIDIA製品を採用すると明らかにした。

 量子HPC連携プラットフォーム向けスーパーコンピュータは、兵庫県神戸市の理研計算科学研究センターに設置される新たなシステム。量子コンピュータとHPCを直接接続するためのAPI「SQC Interface」を通じて、富岳をはじめとしたスパコン/量子スパコンと連携することで、量子計算におけるアルゴリズム開発や性能評価のシミュレーション環境としての活用、量子コンピュータとHPCを統合的に利用したアプリケーション開発を可能にする。

 新システムは「GB200 NVL4」を搭載した計算ノード135台で構成され、合計540基のBlackwell GPUを内蔵。ノード間はQuantum-X800 InfiniBandで接続し、最大3.2Tbpsの高速通信を実現する。あわせて、自然の力のみで冷やせる温度である32℃の冷却水を使った「温水冷却サーバー」を採用することで、同規模のスパコンと比べて約20%電力を削減するなど、高性能と高エネルギー効率の両立を図った。

 演算性能はFP64で21PFLOPS以上、FP8で5EFLOPS以上を発揮。世界有数の計算能力を提供できるとしている。

 システムは2025年度中に構築が完了する見込み。今後は、富岳やすでに導入済みの「ibm_kobe」(IBMの超伝導型量子コンピュータ、IBM Quantum System Two)、「黎明」(Quantinuumのイオントラップ型量子コンピュータ)などと連携し、量子HPC連携プラットフォームとしての運用を開始する予定。