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逆襲のビックカメラ、精鋭「マイスター」が推し提案?激戦区池袋でリニューアル
2025年11月17日 06:17
ビックカメラは、2025年11月14日午前10時、東京・池袋のビックカメラ池袋本店、ビックカメラ池袋カメラ・パソコン館、ビックカメラ池袋西口店の3店舗を同時リニューアルオープンした。
池袋の新たな3店舗では、「宝探しのようなワクワク感あふれる場所」をリニューアルコンセプトに掲げ、商品提案と展示演出にこだわり、商品との出会いを、宝物と遭遇するような体験として得られることを目指したという。
精鋭の「ビックカメラマイスター」を配置
リニューアルオープンした3店舗は、「ビックトレジャー2025 池袋」キャンペーンを共同で開催し、iPhone13 SIMフリーモデルを100台限定で、4万9,800円で販売したほか、Meta Quest 3Sを同じく100台限定で、4万8,980円で販売。池袋本店限定の「お宝発掘市」では、PS5向けゲームソフト「モンスターハンターワイルズ」を980円で販売するなど、多くの特価品を用意して、リニューアルオープンを盛り上げた。
また、ビックカメラが「専門販売員の精鋭」と位置づける「ビックカメラマイスター」が買い物体験をサポート。「たった1つで、生活がガラッと変わる商品」や、「みんなが憧れるあの商品」といったテーマでの商品展示を行ない、商品との出会いを後押しした。
「ビックカメラマイスター」は、商品知識と接客技術に優れた社員を認定する社内制度で、2023年9月からスタート。試験に合格した販売員だけに与えられている資格だ。合格率は20%程度で、資格取得者は、店舗従業員全体の1割未満に留まるという。
また、「ビックカメラマイスター」には、「シニアマイスター/エキスパートマイスター」「エグゼクティブマイスター」の上位資格があり、最上位の「エグゼクティブマイスター」の認定者は現時点では1人もいないという難関だ。
店内には、ビックカメラマイスターなどが選んだ「販売員がおすすめBest3」「迷ったらコレ」「推しアイテム」といった内容での展示が積極的に行なわれており、ここにも宝探しのようなワクワク感を、売り場づくりに持ち込んだ様子が感じられる。
本部主導で人気商品を提案するという形ではなく、現場にいるマイスターが主導して、現場から商品を提案する姿勢を打ち出した取り組みとも言えるだろう。
ビックカメラ 池袋カメラ・パソコン館の宮内健史店長は、「展示台のエンド部分におすすめ商品を展示し、お客様の生活を変える宝物(=商品)を発見してもらえるような仕掛けをしている。買い物は最大のレジャーである――。これはビックカメラの創業者の言葉でもある。買い物を楽しんでもらうために、ビックとレジャーの言葉を掛け合わせた。そこからトレジャー(宝探し)のコンセプトに行き着いた」とする。
今回のリニューアルにあわせて、34人のビックカメラマイスターが池袋に集合し、2026年2月末までの期間、来店客に対応することになるという。
さらに、リニューアルにあわせて、ビックカメラマイスターが選ぶ「ビックマイスター大賞」を開催。部門賞として188商品を選び、その中から、大賞には、アンカーのモバイルプロジェクタ「Nebula Capsule 3」を選出している。
選定理由として、ビックカメラ池袋本店シニアマイスターの瀬出井健斗氏は、「350mlの缶ジュースと同じコンパクトサイズでありながら、最大120型の大画面を実現する。自宅や外出先でも楽しむことができ、ネット動画にも幅広く対応している。お客様の生活の変化に、大きく携わることができる商品であることを評価した」という。
なお、ノートパソコン部門賞は、富士通クライアントコンピューティングの「FMV LIFEBOOK PH77/J3」、モバイルノートPC部門では富士通クライアントコンピューティングの「FMV Note U UX-K3」が選ばれている。
ビックカメラでは、LIFEBOOK PH77/J3の部門賞の選定理由として、AIを搭載し、面倒な設定や調整がいらない次世代のPCであり、使うたびに、1つ上の快適さを実感させてくれること、FMV Note U UX-K3については、軽量化に加えて、薄型設計で快適操作を実現し、外出先でも仕事や趣味をストレスなく楽しめることを挙げている。
池袋カメラ・パソコン館
ビックカメラは、池袋東口駅前に池袋本店、池袋カメラ・パソコン館を持ち、さらに、傘下のソフマップ池袋店がある。そして、西口駅前にはビックカメラ池袋西口店を出店するという体制だ。
池袋西口店は、1店舗の中に、家電、スマホ、カメラ、PC、ゲーム、玩具を集約させる一般的な店舗構成だが、東口では、池袋本店が家電や玩具、ゲーム、スマホ、時計、薬、酒などの販売を行なう一方、PCとカメラは、池袋本店の中には売り場を設けず、道を挟んで反対側にある池袋カメラ・パソコン館に集中させている。また、PCやスマホ、デジカメ、ゲームの買取やリユースは、両店の近くあるソフマップが行なうというように、専門性を持った複数の店舗で構成しているのが特徴だ。
池袋カメラ・パソコン館は、「“撮る”、“つくる”、“あそぶ”がもっと楽しくなる専門館」を目指したという。
「カメラとパソコンの専門館」というコンセプトを継続しながら、専門性をさらに深堀し、カメラやPCを初めて使う人から、自分なりの使いこなしをしている人まで、幅広い顧客を対象にした店舗にバージョンアップした。
ビックカメラ 池袋カメラ・パソコン館の宮内健史店長は、「商品を見てもらうだけでなく、実際に商品を試せることを重視した。ここにネットショップとの違いがある」と語る。
PC売り場では、従来は1フロアだったゲーミングPCおよびゲーミングデバイスの売り場を6階と7階の2フロアに拡充。さらに、PCの組立パーツの品揃えも強化した。
「ゲーミングPCを購入する際に、メーカー製PCだけでなく、自分でパーツから組み立てができるPC、メーカーにカスタマイズを発注できるPCも揃えることで、自分に最適なPCを選ぶことができるようにした」としながら、「だが、PCの組み立てが難しいと考えているお客様も多い。販売員が組み立てたり、その場で一緒に組み立てたりといったことを可能にした。お客様の相談に乗り、お客様の不安を取り除くことで、安心してゲーミングPCを購入してもらい、気軽に組立パーツを選んでもらえるようにしている」という。
6階フロアには、PCの組み立て作業が行なえる大きなテーブルを用意。専門販売員が組み立てをサポートするといった販売も可能で、その場で組み立てが完了したPCは、購入して、持ち帰ることができる。
7階では、ゲーミング用ヘッドセット、マウス、キーボード、チェアなどのゲーミングデバイスを展示。従来に比べて展示スペースを拡充している。また、このフロアに展示しているデバイスのすべてが、PCに接続して試用できるようになっている。「商品を1つ1つ確認してもらい、『これだ!』と思ったデバイスを購入できるようにした。ゲーミングデバイスでは、お客様の声を聞いて、これまでは扱っていなかったメーカーの品揃えも増やした」としている。
また、カメラ売り場を拡大し、初心者でも商品を手に取りやすい売り場構成としたほか、ビックカメラとしては、初めて中古カメラの展示販売を開始。ソフマップとの連携によって中古商品を展示することで、デジカメ購入の選択肢を広げることができたという。また、下取りの仕組みを用意することで、新品への買い替え提案を加速する考えも示す。
さらに、フォトギャラリーを用意し、顧客や販売員が撮影した作品を、季節ごとに変えながら展示。ビックカメラが独自に実施した写真コンテストの受賞作品も掲出している。
宮内店長は、「若年層や女性層に、どんな商品が刺さるかを考えた。店員と話し合った結果、若年層でもカメラに興味を持つ人が多いことが分かった。そこで、中上級者だけでなく、初心者でもカメラを試しやすいフロアを1階に設置した。若年層に楽しんでもらえる店舗づくりに向けて、体感や体験ができる場を増やしているのも特徴だ。たとえば、アニメを描くために欠かせないペンタブレットの売り場は、あらゆる商品を、お客様が体験できるようにしている」という。
宮内店長は、「今回、作った売り場は完成形ではない。お客様の声を聞きながら、進化をさせていきたい」とも述べた。
ビックカメラ池袋本店
一方、ビックカメラ池袋本店は、「訪れるたびに“ワクワク”と“感動”がある」店舗づくりを目指しており、顧客の生活をより豊かに便利にすることができる日常に寄り添った提案や、憧れの生活に一歩、二歩と近づくことが出来る「あったらいいな」という商品との出会いなどを強化したという。池袋エリアの顧客と築いてきた信頼関係をそのままに、フロアごとの“ワクワク”と“感動”を、新たに届けるという。
ビックカメラ池袋本店の横井孝典店長は、「池袋の街には若者が多く、女性の比率が高い。もともとアニメやサブカル、キャラクターが好きな客層が多い市場でもある。だが、ビックカメラの店舗を訪れる若年層や女性が少ないという課題もあった。キャラクターグッズの品揃えを強化したり、7階に設置したポップアップストアでは、キャラクターイベントを開催したりといったことを行なう。これまでのビックカメラ池袋本店とは異なる客層を取り込みたい」と意気込みを語った。
1階フロアでは、スマホの契約カウンターをなくし、スマートフォン周辺機器コーナーを大きく改装。モバイルバッテリやスマホケースだけでなく、スマートフォンと一緒に使うと便利な商品や、生活が豊かになるバラエティ系小型家電なども展示。スマホとの連動によって、しゃべるキャラクターなどの展示販売も行なっている。
また、これまでビックカメラが得意としてきた知育やホビーについても売り場を拡充したという。
また、ビックカメラ池袋西口店は、「池袋の生活に寄り添う暮らしの専門店」と位置づけ、顧客の困りごと解決や、新たな発見の後押しを、より一層可能にする店舗としてリニューアル。すぐ欲しい商品を選びやすく、しっかり選びたい商品は楽しく吟味できるように、フロアごとにメリハリをつけた店舗構成を実現したという。
各量販店がしのぎを削る池袋
東京・池袋の駅前は、もともとビックカメラの本拠地とも言える場所であったが、2009年10月に、三越池袋の跡地にヤマダ電機が出店。さらに、2021年8月には東武百貨店池袋本店にノジマが出店し、2025年内には、西武池袋本店にヨドバシカメラの出店が予定されている。いまや、池袋は、家電量販店の最激戦エリアとなっている。
ヨドバシカメラの進出を前に、ヤマダ電機も、ノジマもリニューアルを実施しており、いよいよビックカメラも、今回のリニューアルで、ヨドバシ進出を迎え撃つ体制を敷いたというわけだ。
ビックカメラでは、JR 山手線池袋駅の駅名標を、「池袋(ビックカメラ前)」に変更。山手線ホームでは、すでに、2024年3月からは、発車メロディが「ビックカメラのテーマソング」となっていることから、この組み合わせで、「ビックカメラ=池袋」の印象をより高めようとしている。さらに、駅構内では、今回のリニューアルオープンにあわせて、大々的な広告を展開しており、力の入れようは並大抵ではない。
ビックカメラ池袋本店の横井店長は、「競合他社の出店があるという想定で、この時期のリニューアルを進めてきた。また、年末商戦の最も盛り上がる時期とも重なるということでも準備を進めてきた。競合がどんな店舗を出すのかによって、さらに変えていく必要があるかもしれない。また、どんなモノが売れるのか、どんなモノが売れないのかといったことを検証し、選択と集中を行ない、店舗を最適化していく。だが、周りを気にしすぎることなく、ビックカメラが得意とするスタイルで提案を行ない、店舗でなにができるのかということをしっかり考え、お客様の満足度を高めることに力を注ぎ、良い売り場を作っていきたい」と抱負を述べた。






















































































































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