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ロジクールの新型最上位マウス「MX MASTER 4」登場。触覚フィードバックとショートカット機能でさらに使いやすく

MX MASTER 4

 ロジクールは、触覚フィードバック機能を備えた新型フラグシップワイヤレスマウス「MX MASTER 4」を10月30日に発売する。価格はオープンプライスで、直販価格は2万1,890円。

 MX MASTER 4は、同社のフラグシップデバイスシリーズ「MX」シリーズに属する新型ワイヤレスマウス。MagSpeed電磁気ホイールを導入した「MX MASTER 3」から約6年ぶりのフルモデルチェンジとなる。MagSpeedや静音スイッチ、使いやすいボディデザインなどはそのままに、ハードウェア/ソフトウェアの両面で進化を図った。

触覚フィードバック機能を搭載

 ハードウェア面では、親指が接する左側面エリアに「触覚フィードバックセンスパネル」を搭載。電源オン/オフや電池残量などデバイス本体のイベント発生時、後述の「Actions Ring」の操作時、アプリの操作時といった場面でパネルが細かく振動し、ユーザーに起きたイベントを直感的に知らせる。

 なおサードパーティアプリについては、発売時点でAdobeのPhotoshop、Lightroom、およびWeb会議ツールのZoomにネイティブで対応するほか、10月中旬にはAdobe Premiere Proもサポートする見込み。SDKも公開する予定で、アプリ開発者が自由にフィードバックを設定することもできるという。

 触覚フィードバックのパターンはシンプルなものから複雑なものまで合計20種類を搭載。現時点ですべてのパターンを使っているわけではないが、イベントの内容を直感的に伝えられるようにさまざまなパターンを用意したという。強さやタイミングなどの調整も行なえる。

強さやタイミングも調整可能
触覚フィードバックセンスパネルは左側面に装備
右側面

 ソフトウェア面では、アプリの起動や操作をすばやく行なえるショートカット機能のActions Ringに対応。同社の専用ソフト「Logi Options+」との組み合わせで実現している機能で、マウスの移動量を最大63%、作業時間を最大33%削減できるとする。

 触覚フィードバックセンスパネルを押すと、画面上に8つのショートカットがリング状に出現。カーソルを使いたい機能にあわせることで、アプリの起動、ショートカットやSmart Actions(マクロ)の実行といった操作を即座に行なえる。最初に表示される8つの各ショートカットの先に、さらに9つの機能を設定できるため、合計72個の操作を登録しておける。

 使用中のアプリに応じて表示するショートカットを自動的に変更する機能も搭載。接続先を切り替えるEasy-Switchもリング内に設定でき、本体を裏返してボタンを押すことなく切り替え操作が行なえる。加えて、キーボードなどEasy-Switch対応デバイスをほかにも使っている場合、1回の操作でまとめて接続先を切り替えることもできる(最大3台まで)。

さまざまな機能を割り当てられるActions Ring
最大33%作業時間を削減できるという
Easy-Switchによるデバイス切り替えもActions Ringから呼び出せる
設定しておいたSmart Actions(マクロ)も呼び出せる

 また、筐体デザインにも細かな改善を実施。左側面のサムホイールは従来より少し出っ張った形状とすることで指との接触面積が広がり、1回の操作でより多くのスクロールをしやすくなった。ジェスチャーボタンもアクセスしやすいよう、戻る/進むボタンの奥側に移動した。

 側面グリップには高耐久シリコン、本体の天面には触り心地のよいマイクロテクスチャを採用。左右クリックボタンは透明なパーツを使用した。底面には面積の広いソールを装備し、滑らかで安定した操作を実現したという。サステナビリティにも配慮し、再生素材を使ったパーツやパッケージ、塗装を使わない設計なども特徴としている。

 接続はLogi BoltおよびBluetooth Low Energyに対応。マウス側のチップなどの改善により、MX MASTER 3と比べて約2倍の接続性を実現したとする。Logi Bolt用のUSBドングルはType-C接続のものが同梱される。

耐久性の高い素材を採用
再生素材も各所に使用した
接続はLogi BoltとBluetooth Low Energyに対応。ドングルはUSB Type-C接続に
サムホイール周りの形状やジェスチャーボタンの配置が変わった(左がMX MASTER 4、右がMX MASTER 3S)
クリックボタン部分には透明パーツを使用
底面のソールは面積が広いものに

 そのほかの仕様として、センサーはDarkfieldで、解像度が200~8,000dpi。内蔵の充電式バッテリで駆動し、1回の充電で最大70日間使用できる。充電用インターフェイスはUSB Type-C。

 本体サイズは88.2×128.2×50.8mm、重量は150g。カラーはグラファイトとペイルグレーの2種類。

カラーはグラファイトとペイルグレーの2色

ユーザーの高まる期待に応えるべく開発したMX MASTER 4

嶋田典子氏
MX MASTERシリーズの歴史

 報道関係者向けに行なわれた製品説明会ではまず、ロジクール執行役員の嶋田典子氏が挨拶。MX MASTERシリーズは2015年の初代に始まり、2代目が2017年、3代目が2019年に登場。その後、3代目を静音化したMX MASTER 3Sが投入されていると紹介。その上で、3Sまでが主にハードウェアの進化と洗練が中心だったのに対し、今回のMX MASTER 4はソフトウェアが大きく進化した製品であり、2019年以来の大幅リニューアルとなるとした。

Alexandre Zreikat氏
MXシリーズに求められるニーズ
最近さまざまなデバイスで使われるようになった触覚フィードバック

 続いてLogitech International MXシリーズシニアプロダクトマネージャーのAlexandre Zreikat氏が、MXシリーズおよびMX MASTER 4について紹介。MXシリーズは、エンジニアやクリエイティブのプロ、ソフトウェア開発者など長時間PCを使うユーザーに対し、作業に没入できる環境などをエコシステム全体で提供してきた。

 中でもMX MASTERシリーズのマウスはユーザーからの評価も非常に高いという。その一方で寄せられる期待も高く、それを超える何かを考えた結果、現在さまざまな機器に搭載されるようになった触覚フィードバックに着目。デジタルと現実の架け橋となり、ユーザーのさらなる生産性向上を実現する機能として、MX MASTER 4に新たに実装したという。

Riccardo Chianella氏
MX MASTERシリーズDNAを継承しつつデザイン
20種類の振動パターンを設計

 加えてシニアユーザーエクスペリエンスデザイナーのRiccardo Chianella氏が製品デザインについて紹介。MX MASTER 4では、MX MASTERシリーズのDNAを継承しつつデザインをスタート。形状については、木を使ったモックアップの作製に始まり、握った際にマウスと手がどう触れるのかを調べるサーマル分析などを通じて進められた。

 特にMX MASTER 4で特徴的な触覚フィードバックについては、パネル部分の形状をどうするかという物理的な部分だけでなく、振動パターンについても検討を重ね、シンプルなものから複雑なものまで、何が起きたのかが手で直感的に分かるようデザインしたという。

 そのほか会場では、開発時のモックアップや20種類の振動パターンを体験できる機器なども展示されていた。

形状が仕上がるまでのモックアップ
サーマル分析の様子
マイクロテクスチャのサンプル
触覚フィードバックセンスパネル
触覚フィードバック機能の開発過程
振動パターンが体験できるボタン
内部が見えるサンプル