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ソニー、会見で「Xperia 1 VII」の不具合を改めて謝罪説明
2025年9月12日 16:50
ソニーは、7月4日にスマートフォン「Xperia 1 VII」に不具合が発生したことを発表。関連記事でも紹介しているように、製品の出荷/販売を一時停止するとともに、不具合の対象となる製品の交換を行なってきた。
今回の不具合についてソニーは、その原因が製造工程における温度や湿度の影響により基板に不具合が生じると特定するとともに、基板製造時の湿度の影響を適切に制御する工程を追加することで安定した品質を確保できるようにし、Xperia 1 VIIの販売を8月27日より再開している。
そういった中、ソニーは9月12日、改めてXperia 1 VIIで発生した不具合について、報道陣への説明を行なった。説明を行なったのは、ソニーモバイルコミュニケーションズ事業部の事業部長である大島正昭氏だ。
大島氏は、今回の不具合について「基板の製造工程において温度や湿度の影響を受けたことによって基板に不具合が生じたことが原因」と改めて説明した。そして、この問題を解消するため、基板製造において、温度/湿度の影響を適切に制御する工程を追加し、基板製造プロセスによって気温や湿度条件の変動があっても安定した品質を確保できるようにし、Xperia 1 VIIの製造および出荷を再開していると述べた。
また、Xperia 1 VIIの製造において、今回影響を及ぼした原因が関連する類似の工程、機能に影響する各設定値の総点検を行なったという。同時に、今後の機種製造においても品質管理の強化を目的として、製品特性や状況に応じた点検体制を構築すると説明。
そのうえで、製造工程において品質に影響するリスク検証や評価を強化する新たな管理体制を構築し、既にこの新しい管理体制をXperia 1 VIIの交換製品も含めて、現在製造している製品で運用しており、厳格な品質基準の運用に取り組んでいくとした。
最後に、「今回の不具合で、お客様に多大なご迷惑をおかけしたことを重く受け止め、お客様に今一度安心/信頼していただけるよう、製品作りに真摯に取り組んでいきたい」とコメントした。
質疑応答
今回の会見では、質疑応答も行なわれたので、以下にその内容を紹介する。
――問題の発生原因は、製造上の問題ということだが、不具合は製造後の輸送やユーザーの手に届いた後など、どこの段階で発生したと認識しているのか。
A:今回の不具合は、製造工程で基板が温度/湿度の影響を受けて発生しているので、原因は製造工程そのもの。ただ、不具合の現象が発生するのは、製品の運送行程やお客様の手に届いてからのどちらでも発生すると考えている。
そもそも製造工程で温度や湿度の管理が担保されていれば、それ以降の輸送やお客様の使用状況に関わらず不具合は発生しないため、やはり根本原因は製造工程にある。
――Xperia 1 VIIは製造が中国の工場に変わったと聞いているが、その影響はあったのか。
A:Xperia 1 VIIは、中国の協力工場で製造しており、我々はサプライチェーンの最適化も含めて、製造工場に関わらず工程の変更や最適化を実施しているが、その中の変更した工程に不備があった。そのため、工場が変わったというよりも、製造工程そのものの変化があり、そこに問題があったと考えている。
――今回製造工程を変更したとのことだが、それはどの機種に対して行なったのか
A:Xperia 1 VIIの基板製造工程において変更を施した。今回新たに発表したXperia 10 VIIにおいては、そもそもその工程はないので影響はない。
――変更した製造工程の具体的な内容は?
A:基板に部品を実装する工程の中で、これまでも温度や湿度は管理していたが、今回基板の一連の実装工程の中で、その管理基準が適切ではなかった。そのため、湿度が低い場合に静電気が発生することなども考慮して管理体制を強化した。
――今回の不具合はどの段階で認識し、原因を特定したのか。
A:6月末頃に、電源関連の不具合報告が徐々に大きくなってきたことから、これは何かあるのではないかと考えて調査を始めた。その中で7月4日にソフトウェアアップデートとデータのバックアップを案内した。その時点では、ソフトウェアのアップデートで対応できると考えていたが、その後の解析でハードウェアとしての不具合があると判明したため、今回の措置となった。
我々も総力を挙げて原因究明と対策に取り組んで来たつもりだが、お客様からすると、それでも時間がかかったと考えている。
――この不具合は、そもそも通常の品質検証では発見しづらいものだったのか。
A:本来は事前に不具合を発見しなければならなかった問題と捉えている。製造工程に変化点があった段階で、変化した内容のさらに奥深く、材料の特性やばらつきなどに踏み込んで検証しなければならなかったと考えている。
――現在、不具合が発生する製品の回収はどの程度進んでいるのか。
A:回収は比較的進んでいるが、まだ全数回収には至っていないので、今後も回収を進めたい。現在不具合が発生していない製品においても、今後どこで不具合が発生するか分からない。最終的には電源が入らなくなり、データが取り出せなくなるのが最も大きな症状となるため、データバックアップや早めの交換を促すとともに、適切な工程で製造されていないものは速やかに回収して交換したい。
――今回の件もあって、ソニーがスマートフォンから撤退するのではないかという懸念もあるが。
A:今回の不具合の件は我々も重く受け止めている。しかし、通信技術はスマートフォンだけに関わらずソニー全体における重要な技術と考えているので、我々は引き続きスマートフォンビジネスに取り組んでいきたいと考えている。















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