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MSIが語る“Kなし”Skylakeでのオーバークロックのコツ
~Broadwell-E最適化のX99マザーボードなども展示
(2016/1/14 19:53)
CES 2016で展示したX99とZ170マザーボードを日本で発売
今回の内覧会で日本市場への投入が発表されたのは、CES 2016でも展示されていた「X99A GODLIKE GAMING CARBON」、「Z170A GAMING PRO CARBON」、「Z170A KRAIT GAMING 3X」の3種類のマザーボード。それぞれ既存モデルのリファイン版という位置付けで若干仕様を変更し、前の2モデルはデザイン面の改良も施している。
MSIは、X99A GODLIKE GAMING CARBONとZ170A GAMING PRO CARBONを投入した理由について、昨年(2015年)の1年間でゲーミングシリーズの一新を行なってきたが、ユーザーからイメージカラーである“赤と黒”のカラーリングに飽きたという意見が聞かれるようになったためだという。そのため、カーボンによってマッシブな印象を与える今回のデザイン改良版を投入した。なお、既存のX99A GODLIKE GAMINGとZ170A GAMING PROも併売されるが、順次置き換わっていくことになる。
一方のZ170A KRAIT GAMING 3Xに関しては、MSI誕生30周年を祝う記念製品的な存在となり、そのために製品名末尾に「3X」を付けている。ただし、数量限定で販売というわけではなく、こちらも既存のZ170A KRAIT GAMINGから置き換わって行くことになる。
「X99A GODLIKE GAMING CARBON」
X99A GODLIKE GAMING CARBONと従来モデルとの違いは、前述したカーボンデザインの採用以外にいくつかあり、2,000色でマザーボードを光らせる「Mystic Light」機能に8つのLEDエフェクトを追加したことと、DDR4メモリスロットにスロット部分を補強する「Steel Armor」が実装されたことなどが挙げられる。背面インターフェイスにUSB 3.1 Type-Cポートも導入された。
また、MSIは今年(2016年)の半ばには登場するとする新アーキテクチャ「Broadwell-E」への最適化も訴求しており、既存モデルもBIOS更新で最新CPUには対応するものの、動作の最適化を行なうという公式アナウンスを出すのは現時点ではこのマザーボードのみとなる。発売は2月下旬を予定しており、価格はオープンプライス。店頭価格は従来のモデルと大きく変わらないとのこと。
主な仕様は、フォームファクタがExtended ATXで、ソケットはLGA2011-v3、メモリスロットはDDR4が8基(搭載容量最大128GB)。オーバークロックでDDR4-3400をサポート。
拡張スロットはPCI Express 3.0 x16×5。ストレージインターフェイスは、SATA 6Gbps、SATA Express、M.2(Type 22108/PCI Express接続)。
背面インターフェイスは、USB 3.1×2(1基はType-C)、USB 3.0×4、USB 2.0×2、PS/2、Gigabit Ethernet×2、IEEE 802.11a/b/g/n/ac無線LAN、音声入出力などを装備する。
「Z170A GAMING PRO CARBON」
「Z170A GAMING PRO CARBON」は、既存のZ170A GAMING PROからカーボンデザインに変えるとともに、マザーボードのメモリ側基板部分を光らせる「MYSTIC LIGHT」が、基板パターンに変更。また、背面インターフェイスにある2基のUSB 3.1ポートの内の1基がType-Cコネクタに変わり、このほかにもPCIスロットがPCI Express x1に、SATAポートが垂直ではなく水平な向きに変えられている。これらの仕様変更はユーザーのフィードバックを元に決定されたそうだ。本製品の発売日は1月23日で、価格はオープンプライス。税別店頭予想価格は21,800円前後の見込み。
主な仕様は、フォームファクタがATXで、ソケットはLGA1151、メモリスロットはDDR4が4基(搭載容量最大64GB)。オーバークロックによりDDR4-3600までサポート。
拡張スロットはPCI Express 3.0 x16×3、PCI Express 3.0 x1×4。ストレージインターフェイスは、SATA 6Gbps×2、SATA Express×2、M.2(Type 22108/PCI Express接続)。
背面インターフェイスは、USB 3.1×2(1基はType-C)、USB 3.0×2、USB 2.0×4、PS/2、HDMI出力、DVI-D、Gigabit Ethernet、音声入出力などを装備する。
「Z170A KRAIT GAMING 3X」
前述の通り、MSI誕生の30周年を記念して発売されるモデルとなる。こちらも背面インターフェイスにUSB 3.1 Type-Cポートが追加されるといった仕様の変更が行なわれているが、先の2製品のようなデザイン面変更はなく、小幅な改良となる。発売日は2月末くらいを予定しており、価格は未定。
主な仕様は、フォームファクタがATX、ソケットはLGA1151、メモリスロットはDDR4が4基(搭載容量最大64GB)。オーバークロックによりDDR4-3600までサポート。
拡張スロットはPCI Express 3.0 x16×3、PCI Express 3.0 x1×4。ストレージインターフェイスは、SATA 6Gbps×2、SATA Express×2、M.2(Type 22108/PCI Express接続)。
背面インターフェイスは、USB 3.1×2(1基はType-C)、USB 3.0×2、USB 2.0×4、PS/2、HDMI出力、DVI-D、Gigabit Ethernet、音声入出力などを装備する。
“Kなし”CPUのオーバークロックについてMSIがアドバイス
内覧会では新製品のほかに、Skylakeの“Kなし”CPU、つまり倍率ロックフリーではないCPUのオーバークロックについての説明も行なった。昨年の12月にはASRockがSKY OCを発表するなど、マザーボードメーカー間でのKなしCPUのオーバークロック機能の提供が話題となっている状況だ。
MSIは昨年の12月14日にZ170マザーボードでKなしCPUをオーバークロックするためのBIOSを配布しており、公式サイトからはダウンロードできないものの「HWBOT」のMSIのフォーラムから公式のオーバークロック用BIOSを手に入れることができる(BIOSがダウンロードできるHWBOTのページ)。
MSIはこれらのBIOS使う際の注意点として、ほかのメーカーと同じく倍率の変更によるオーバークロックではなく、BCLKの調整を行なうことになるので、K付きのCPUよりも難易度が上がり、メモリもオーバークロックタイプを用意する必要があると説明。加えて、メモリの相性が出やすいので、最低でもXMP対応のものを使うことを推奨している。また、クロックを伸ばしたい場合はGPUに内蔵のものではなく、ビデオカードを使うべきだとも述べていた。
OCに際しては、BIOSからEISTといった電力関係の機能を無効にした方が安定するとのことだが、当然消費電力やCPU温度上昇のトレードオフとなってしまう。MSIが特に注意して欲しいと言ったのは、「オーバークロック用のBIOSでK付きの倍率アンロックCPUを動かしてはいけないということ」。特別にチューニングしているBIOSであり、K付きCPUの動作を考えて作られていないそうだ。
MSIはKなしCPUでオーバークロックをするユーザーに対して、こういった注意点を知った上で、チャレンジして欲しいと伝えた。
ビデオカードの支え棒? 独自4-way SLI用ブリッジなどユニークな製品も発売予定
実物はなかったものの、プレゼンテーションではMSIが発売予定のユニークな製品が紹介された。
1つはビデオカードを支えるための棒状のもので、スライドでは「Graphics Card Jack」と名付けられていた。ハイエンドクラスのビデオカードを使ったことがある方なら分かるはずだが、PCI Expressスロットへのビデオカード装着後はブラケットにネジ止めしないと重量で端子部分が壊れてしまいそうなほど重い。ネジ止めした後も重量で少し垂れ下がってしまっているくらいだ。この製品はこういったビデオカード(の端子)への負担を減らすものとなる。
もう1つはMSI独自の4-way SLI用ブリッジで、4枚のビデオカードを冷却できるように上部にファンを装着可能な点が面白い。ちなみにこれを取り付けることで、高負荷時のGPU温度が約10℃ほど下がるとのことなので、実用性も十分にありそうだ。