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ソニー、「新しいカタチ」をアピールした新VAIO発表会
(2013/10/8 19:20)
ソニーは8日、「VAIO」シリーズ2013年秋冬モデルの新製品発表会を都内で開催した。製品の詳細は関連記事を参照されたい。
冒頭、ソニー株式会社 業務執行役員SVP VAIO&Mobile事業本部 本部長の赤羽良介氏が、VAIOの方向性について説明した。
近年のモバイルデバイスは、ソニーではスマートフォン/タブレットが堅調で、ノートPCが縮小、Windowsタブレットが増加するとみている。そこで、「VAIOが目指すもの」として、スマートフォンやタブレットのようにPCを進化させること、創造性を備えていることを挙げた。前者は取り回しやスリープからすぐ使えるなど手軽に使えるという点、後者はPCらしく生産的なことができること。赤羽氏は「よく遊び、よく働き、よく学べ、VAIOはそれを支援する存在に」と話した。
そこで、創造力を手助けするOCRスキャナのように使えるソリューションとして、「VAIO Inspiration Stream」を紹介。ソニーの技術を用いて、「撮る」、「観る」、「加工する」を実装。具体的には、「撮る」がイメージセンサーの「Exmor RS for PC」、「観る」がTVでも使われている技術のPC版「トリルミナスディスプレイ for mobile」と超解像技術「X-Reality for mobile」、「加工する」がエッジ検出などを活用しているオリジナルの切り取りアプリ「VAIO Clip」と手書きや画像の貼り付けなどが行なえるノートアプリ「VAIO Paper」となる。撮影時に台形補正やOCRが行なえるアプリ「CamScanner」とVAIO Clip/Paperのオリジナルアプリ群をまとめて「VAIO Inspiration Suite」と呼んでいる。
赤羽氏は「VAIO Inspiration Streamは従来のPCの形では実現できない」とし、この活用のために「新しいカタチ」を提案。新しい形や体験を提供するのが、3スタイルで使える「VAIO Fit 13A/14A/15A」、11.6型タブレット「VAIO Tap 11」、21.5型テーブルトップPC「VAIO Tap 21」と話し、新製品を披露した。
続いてゲストとしてインテルの宗像氏が招かれ、Ultrabookの進化を紹介。最初のコンセプトから、さまざまなフォームファクタが登場し始め、2-in-1の形態へと向かっているとした。宗像氏は「2-in-1で選択肢が拡がっていくと期待している。ソニーさんとともにプラットフォームのイノベーションを進めていく」と語った。
最後にソニーマーケティング株式会社 ITマーケティング部 統括部長の下野裕氏が、国内のマーケティング戦略を説明した。
国内のコンシューマ市場はPCが厳しいとみているが、モバイルノートPCは伸長しており、VAIO Duoなどの新しいスタイルが支持されているとした。ただ、ホームノートPCは縮小し、買い換えサイクルが長くなっていることやタブレットに流出することを踏まえ、VAIOにできることをアピールし、PCの新市場創造、活性化を目指すとした。
VAIOでできることとして、タブレットモード対応による用途の拡大、フォトソリューションによる活用の2つを提案する。
前者はこれまでクラムシェルしか無かったホームノートPCのカテゴリに、新しいVAIO Fitを投入することで、タブレットとしてもビューアーとしても使えることを提案。同様にVAIO Tap 11はタブレットとしてもキーボードが使えるPCとしても使えること、VAIO Tap 21は液晶一体型だけでなく水平にもできるということをアピールした。
後者は、PCの主な用途として写真の管理や保存が多数あることに着目し、観る、管理する、加工する、の3点ができる製品を拡充。今回のラインナップは全てがタッチや高画質化技術、PlayMemoriesを搭載し、ペン対応機種が増加した。
また、VAIO Duo 13のLTEモデルにおいて、auの「データシェア」サービス(2014年春開始予定)の対応がアナウンスされた。auのスマートフォンでパケット定額を使っている場合、「先取り!データシェアキャンペーン」を適用することで、VAIO Duo 13を月額プラス1,050円(2年間、3年目以降は2,992円)で7GB(2014年6月以降は2GB)まで利用できる。
プロモーションは新VAIO Fitを中心に、TV CM、Web、店頭、ソニービルなどで実施する。下野氏は、「この充実のラインナップでマーケットの活性化を図る」と意気込みを語った。
会場では試作機や、各技術のパネルや動画などが展示された。
VAIO Fitの変形機構は、ロックを外したまま液晶側を持ってしまって、磁力が持たず本体側が宙ぶらりんになってしまう状況も想定しているほか、折る位置が二重になりタブレットモード時に液晶側と本体側に隙間が生じてしまうが、この際の加圧など、各種耐久試験を行なっている。ソニーがその様子の動画を公開しているので、この機構や耐久性に興味がある方はご覧いただきたい。