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ソニー、高解像度化と小型軽量化を両立させた電子書籍端末

~iOS用リーダーアプリを提供。ストアも全面刷新

「PRS-T3S」
10月4日 発売

価格:オープンプライス

 ソニーは、従来モデルから解像度を上げながらも、小型軽量化を図った電子書籍端末「PRS-T3S」を10月4日より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は1万円前後。

 従来機は600×800ドット/16階調表示の6型E-Ink製電子ペーパー「Pearl」を採用していたが、新製品は758×1,024ドット/16階調表示6型の「Pearl HD」を採用。これにソニー独自の技術を加え、最大で4時間リフレッシュなしで読書可能になった(従来機は最大15ページごとに1リフレッシュ)。

 筐体の設計も見直し、従来機のサイズ約110×173~173.3×9.1~10mm(幅×奥行き×高さ)から、約107×160~160.5×8.8~9.5mm(同)へと約13%小型化。重量は約164gから約160gへの4g減だが、別売のカバーを、本体の背面カバーと一体化させ、本体の背面カバーと取り換える構造にすることで、カバー利用時の重量が約200gと、従来の約240gより大幅に軽くなった。また、ライト付きカバーは、本体から給電する仕組みとなり、専用の電池が不要になった。本体とカバーは、ブラック、ホワイト、レッドの3色が用意される。

ホワイト
ブラック
レッド
スタンダードカバーを付けたところ
閉じたところ
新カバーは、本体の背面パネルと一体化。ライト付きカバーは、本体のバッテリから給電するようになった
ライト付きカバーの背面
上からライトを引き延ばし、このように使う

 充電の頻度が少ないため、つい充電を忘れてしまうという状況を考慮し、3分で書籍1冊分(約400ページのめくりに相当)の充電が可能なパワーチャージ機能を追加。操作は、従来通り、画面のタッチと、本体のハードウェアボタンの両方で実行可能。

 このほかのハードウェアの仕様は、メモリが2GB(使用可能領域は約1.2GB=約本1,200冊分)で、インターフェイスに、microSDカードスロット、Micro USB、IEEE 802.11b/g/n無線LANを装備。バッテリは、無線オフで最長2カ月、無線オンで最長1.5カ月持続する。

 対応方式は、電子書籍が、配信コンテンツ(mnh)/XMDF/ドットブック/EPUB/PDF/テキスト、写真が、JPEG/GIF/PNG/BMP。

 また、新製品発売に合わせ、初めてiOS端末用アプリを提供する。対応OSは、iOS 6以降で、対応機種はiPhone 4/4S/5/5s/5c、iPod touch(第4世代/第5世代)、iPad 2/3/4/mini。ただし、閲覧可能なのはEPUB3形式のみで、アプリ公開時点ではコミック約2万冊、雑誌約千冊が利用可能で、近い将来書籍も配信開始予定としている。

 このほか、すでに別途発表されている通り、「PlayStation Vita」では購入した書籍をnasneにバックアップでき、「PlayStation Vita TV」では液晶TVなどに映して読書できる。

 さらに、24日より販売ストアの「Reader Store」を刷新する。同社によると、口コミを通じて購入した書籍は、そのほかの場合よりも、面白い本につながることが多いという調査結果を元に、ストアにソーシャル機能を組み込む。

 コンセプトは、「ネット上で本屋さん体験が楽しめる」となっており、サイト上に簡単な手続きで自分の仮想本屋を開設し、お勧め本のレビューを公開できる。また、ユーザーはそれらの仮想本屋の店長を個別にフォローでき、Twitterなどのようにタイムラインとして表示できる。自分のレビューを読んだ人が、その書籍を購入すると、購入額の5%分のポイントがもらえる。

新しいReader Storeのイメージ
タイムラインのイメージ

(若杉 紀彦)