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dynabook XP9、Core Ultraシリーズ2/着脱式バッテリでローカルAIに好適なモバイルノート
2025年1月24日 15:32
Dynabookは23日、Core Ultraシリーズ2を搭載し、ユーザー自身で交換できる着脱式バッテリを採用した14型プレミアムモバイルノート「dynabook XP9」を発表した。4月中旬に発売し、実売予想価格は29万円台前半の見込み。
一部構成のカスタマイズが可能な法人向けモデル「dynabook X94」の受注も開始した。価格はオープンプライス。本稿では、同日に開催された発表会の内容をお届けする。製品の仕様については既報を参照されたい。
dynabook XP9は、CPUにCore Ultra 7 258Vを採用し、クラウドとエッジの双方で快適なAI処理を提供することを目指したフラグシップのモバイルノート。独自の「dynabookエンパワーテクノロジー」により高負荷の作業時でも安定した性能を発揮するよう設計されている。
同社は、AIの普及が進む中で、ローカルでAI処理を行なうエッジAI分野が今後本格的な進化の時期を迎えると考え、クラウドAIの通信速度やセキュリティ面の課題を克服する最適解はCopilot+ PCであるとし、dynabook XP9の開発に至ったという。
高負荷なAI処理を行なうと電力消費が増加するため、特にノートPCでは処理性能だけでなくバッテリも重要になる。そこで同社は、ユーザー自身でバッテリを着脱できる「セルフ交換バッテリー」機構をdynabook XP9にも採用した。
セルフ交換バッテリーの採用により、エッジAI処理中にバッテリが故障しても迅速に交換できるため、PCを変えることなくAIワークロードを継続できる。
なお、同機構ではこれまで、バッテリパックとして容量がSとLの2種類を提供していたが、本製品ではLバッテリのみを採用している。これは、Lバッテリ搭載モデルを選択した場合にSバッテリが選べない仕様がユーザーにとって分かりにくいためだという。
このほか、本製品の特徴として、Copilotキーやバックライトを搭載した1.5mmキーストロークキーボードを搭載するほか、天板を開きやすくするフィンガーフックをディスプレイ上部に備えている。
4つの独自AI機能を新たに搭載
dynabook XP9では、同社独自のAI機能として「dynabook AIアシスタント」、「AIパワーオプティマイズ」、「AIプライバシーアシスト」、「AIハンドコントロール」の4つを新たに搭載している。
dynabook AIアシスタントは、クラウドを介さずローカル環境で動作することで情報漏洩のリスクを抑えつつ、翻訳や要約などを簡単に行なえるローカル生成チャットボット機能。ネットワークのないスタンドアロン環境でも利用できるという。
dynabook AIアシスタントでは標準の対話機能のほか、翻訳、要約、「アンサンブルチャット」、「PCヘルプチャットルーム」の4つを搭載する。
翻訳機能は、あらかじめ第1言語と第2言語を設定することで、従来のように「日本語に翻訳してください」といった指示を出す必要がなく、翻訳したい文章を入力するだけで自動的に処理が完了する。要約機能もボタン1つで実行でき、指示文を書く手間を省くことができる。
アンサンブルチャットは、AIが作成したバーチャルキャラクターと会話できる機能で、キャラクターと対話しながらアイデアを練ることが可能。PCヘルプチャットルームは、Windowsの操作や設定が分からない場合にAIが24時間体制でサポートを提供する。
AIパワーオプティマイズは、Web会議を始めるとAIが自動的に検出し、Web会議に最適なバッテリ駆動モードに切り替えるバッテリ管理機能。
Web会議中のバッテリ消耗が速く、バッテリが持たないというユーザーの不満に応える形で開発された。本機能を使用することで、最大8時間にわたり連続でWeb会議を行なうことが可能だという。
AIプライバシーアシストは、AIが顔を検知して、覗き見や背後に人がいる場合に、ユーザーに警告を表示する顔検知プライバシー保護機能。画面上にアラートバーを表示するだけでなく、アラートをクリックすることでプライバシースクリーンを起動し画面をぼかすことも可能。
ユーザーの動きにも対応しており、離席時には画面を自動的にオフにし、戻るとスリープ画面を解除するなどの設定もできる。
AIハンドコントロールは、AIがハンドサインを認識してPCを遠隔操作できる機能。異なるハンドサインをAIが判別し、PCに触れずに動画の停止や再生などを操作できる。手が濡れていたり汚れていたりする場合や、プレゼンテーション中にスライドを遠隔で操作する際に好適とする。
本機能は、長年多くのユーザーから要望があり同社も開発していたもので、AIの登場により簡単なハンドサインでの利用が実現したため、製品への導入に至ったという。
発表会ではこのほか、dynabook XP9やdynabook X94の実機が展示されていた。