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レッツユーザーが、Let'snoteにもの申す!
~開発秘話も飛び出したユーザー会議をパナソニックが開催
(2013/2/12 00:00)
パナソニックは9日、東京・内幸町の同社コンシューママーケティングジャパン本部が入居する幸ビルディングにおいて、Let'snoteユーザーを対象にした「Let'snoteユーザーミーティング」を開催した。
Let'snoteユーザーと、同製品のモノづくりに関わるキーマンとの交流の場と位置付け、「Let'snoteとの相棒度」、「エピソードや活用術」、「次期商品への要望」をテーマに、開発者やゲストとのフリートークなどが行なわれた。
1日2回開催し、午前中に行なわれた第1回目のゲストには、ビジネス書作家である戸田覚氏が登場。また、午後の第2回目には、アプリ・ソムリエとしても活躍中のタレントの石井寛子さんが登場し、進行役を務めた。
各回とも10人を超えるLet'snoteユーザーが参加し、約2時間に渡って意見を交換し、交流を深めた。
ユーザーの声を聞いて進化したLet'snote
同日午後2時から始まった第2部のユーザーミーティングでは、13人のLet'snoteユーザーが参加。開発者と、ざっくばらんに情報交換を行なっていたのが印象的だった。
ユーザーミーティングの冒頭、パナソニックコンシューマーマーケティングジャパン本部AVCグループPCチームの田鍋文雄チームリーダーが、「Let'snoteは、1996年に発売したCF-N1以来、お客様の声を聞いて、困り事を解決することで進化を遂げてきた。今日も、みなさんの声を聞く場とし、今後のモノづくりに活かしていきたい」と挨拶。続いて、パナソニックAVCネットワークス社ITプロダクツビジネスユニットテクノロジーセンターLet'snote総括参事の坂田厚志氏と、パナソニックAVCネットワークス社ITプロダクツビジネスユニット市場開発グループ商品企画チームLet'snote担当リーダの井上剛志氏が、Let'snoteの開発秘話を語った。
同社では、ビジネスモバイルに特化した2002年のLet'snote CF-R1からを「第1世代」と呼び、それ以前は「紀元前」と社内で称しているが、「紀元前から蓄積したノウハウを元に、2002年に第1世代となるCF-R1を開発した。CF-R1の開発の際には、法律を破らなければ、なにをやってもいいと言われて、それまでの保守的な姿勢を打ち破って開発した。軽量、長時間駆動に徹底的に特化して、開発したのがCF-R1である」と坂田氏が説明。また、「鞄の中にLet'snoteを入れていて、液晶が割れてしまうといったユーザーの声を聞き、実際に満員電車の中に、計測器を持った社員が乗り込んで実態を計測。そこで、100kgの荷重と細かい振動がかかることが、液晶が壊れる原因であることが分かった。それを再現する振動/加圧試験機を作り、そのシミュレートを元にして開発したのがCF-W4である」などと述べたほか、「仕事の効率性向上を目指して、性能を高めたのがCF-S8であり、初めてB5サイズのノートPCに標準電圧版のCPUを搭載した」と語った。
また、「くさび型の形状は、細い方を下にすれば鞄に入れやすいと思っていたが、利用者の声を聞くと、バランスを取るために重い部分を下に入れているユーザーが多く、むしろ、くさび型は不評だった。そこで全体を平らにしてほしいという要望にあわせて、ボンネット構造を維持しながら開発したのがCF-SXシリーズ。ここでは、25.4mmの厚さを実現した」。「Windows 8搭載、およびUltrabook対応として、20mmを切るサイズとしたのがAX2である。これを開発した時は、パナソニックの開発チームは、天才ではないかと思ったが(笑)、それから2カ月後に開催されたInternational CESでは、他社から同じようなものが登場したので一気に落胆した。しかし、比較してみると、この構造で、このサイズ、この軽さを実現したのはLet'snote AX2だけである」との自負を述べた。
さらに、「Let'snoteチームは、工場の社員や品質管理部門の社員も、お客様に接し、生の声を聞く機会を持っている。社員自らがタッチ&トライの会場に立ち、Let'snoteの説明しているのもそのためである」など、全社をあげて顧客の声を聞く環境を構築していることを強調した。
Let'snoteユーザーとの意見交換で、進行役を務めた石井寛子さんは、AX2を現在使用していることに触れながら自己紹介。「Let'snoteはビジネス用PCということだったので、最初は自分に合うのかと不安だったが、使ってみるとぴったりだった。軽くて、サイズが小さくて、おしゃれ鞄にも入る。ブログをアップする際には、これまではスマートフォンを使用していたが、Let'snoteであれば、大画面を使い、しかもキーボードでも打てる。周りの人からも『いいねぇ』と言われている。旅行の計画を立てたり、ゲームをしたり、画面をみなさんに見せながらプレゼンテーションができる。Let'snoteが人と人のコミュニケーションの架け橋になる」としたほか、「出演している番組の中で、Let'snoteの上に乗る機会があったが、成人女性が乗っても壊れない頑丈さを持っている」などと語った。
Let'snoteの相棒度は70~100点の高評価
Let'snoteとの相棒度については、参加者が、100点から70点までの評価をつけた。
PC歴31年という73歳の男性は、Let'snoteの相棒度に95点の評価。「小型、軽量、高性能。だが、マイナス5点は価格が高いということ」とコメント。PC歴25年の男性は、仕事で使うのに最適なPCとしてLet'snoteを2カ月前に初めて購入。「軽くて、丈夫。見るからに壊れない筐体」とコメントし、80点の評価。まだ、Let'snoteの機能を使いこなせていないという点から20点の減点としていた。
また仕事で使用しているという女性は85点の評価。「電車の中でも、片手で持って操作ができる点が他のPCにはない点。筐体が熱くなってしまうこと、女性に受けそうにないデザインがマイナス点」などとした。
そのほか、「夜、充電を忘れても、意外と長く使える」、「24時間ずっと稼働し続けても壊れない」、「電源がオフでもスマートフォンの充電に使える」、「強固なセキュリティ機能が安心できる」、「フルサイズのインターフェイスを搭載していて便利」、「Let'snoteは、憧れの存在のPCであり、多くの人から注目される」などの声が挙がった。
また、仕事で利用している男性は、「学会に出席した時には、全ての人がLet'snoteを利用していた」としたが、その一方で、専門学校生の男性は、「学校では周りに使っている人が少なく、個性的なPCで注目される」と、対照的なコメントをしていたのも、Let'snoteならではの利用シーンだといえよう。
さらに、「壊れた場合に、修理状況を逐一連絡をしてくれたのは、さすがパナソニックであると感じた」といったサポート面からの評価の声も挙がっていた。
デザインを始め、数々の要望も
一方で、女性からはデザイン面での減点が多かった。「マイレッツ倶楽部で注文できる天板のカラーバリエーションに、プラス5,000円の負担というのはやめ、最初から標準価格で用意して欲しい」、「天板だけでなく、筐体全体のカラーバリエーションの登場に期待したい」などの声も挙がり、石井寛子さんは、「女性ユーザーが増加すると、Let'snoteのデザインに対する要求がもっと増えてくるかもしれない」とした。
そのほか、「液晶ディスプレイの視野角が狭い」、「液晶の反射をもう少し抑えられないか」といった要望も出ていた。
ちなみに、進行役を務めた石井寛子さんの質問に回答する形で、5人の出席者がLet'snoteを落としたことがあるとして手を挙げ、「それでもそのまま使えているのはLet'snoteならでの堅牢性」という、石井寛子さんのコメントに参加者がうなずいていた。
次期商品への要望の中では、「もっとモバイルに特化した軽量化、小型化したLet'snoteが欲しい」、「最先端のテクノロジーを搭載した製品がないので、そうしたモデルを積極的に出して欲しい」、「キーボードの隣のキーを打ち間違えないような工夫が欲しい」といった声のほか、「できれば、20万円以下の価格になってほしい」、「学生の立場からは10万円という価格が、親に相談しやすい」などの声が挙がった。
そのほか、「Let'snoteという名前を、もっと格好がいいものに変えられないか」、「ビジネスマン向けのプレミアム製品向けの新たなブランドを用意してはどうか」というような意外な意見も飛び交った。
同社では、「いつでも、どこでも、というLet'snoteが目指したコンセプトを理解していただいているユーザーが多いことに安心した。今回のイベントでいたただいた声を元に、今後の製品づくりにも反映していきたい」としている。
なお、同イベントは、2月13日には、Let'snoteの生産拠点である兵庫県神戸市の同社AVCネットワークス社ITプロダクツビジネスユニット神戸工場でも開催され、ゲストとして本誌でお馴染みの山田祥平氏が登場する予定となっている。