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日本マイクロソフト、2月7日発売の新Officeを紹介する記者会見を実施
~20時からはニコファーレでユーザーイベントを開催
(2013/2/6 19:15)
日本マイクロソフト株式会社は、新Officeの発売を2月7日に控え、六本木・ニコファーレで記者会見を実施した。また2月6日20時からは同じくニコファーレで「新Office発売記念記者ユーザーイベント(前夜祭)」と題したイベントも開催される予定。
代表執行役社長の樋口泰行氏は新Officeについて、「Windows 8発売後の一番大きなマイルストーン。Windows 8に最適化され、新しい時代の両輪が揃った。新OfficeによってWindows 8の価値が高まり、Windows 8で動くことで新Officeも高い価値を持つ。そのような相乗効果を持っている」とし、2012年7月に公開されているカスタマープレビューを利用した人の声をビデオで紹介。
また、パッケージ版発売とともに、PCメーカーやシステムインテグレータ14社から170モデル以上の搭載PCが2月7日以降に発売されるとした。
発売から3カ月が経過したWindows 8についても、現在までに6,000万ライセンスを提供。Windowsストアの登録アプリ数はWindows 8発売時点から4倍に増え、1億回以上のダウンロードが行なわれるなどの進捗を紹介。「タッチパネルの供給が逼迫しているなどの理由で需要に対して供給が追いついていないが、これは時間とともに解決するので、春から夏商戦に向けて盛り上げていきたい」と意気込みを述べた。
新Officeの機能を紹介した日本マイクロソフト業務執行役員Officeビジネス本部本部長のロアン・カン氏は、世界20カ国での調査において、モバイルデバイスやSNS、クラウドネットワークなどの“破壊的技術”によって60%の人が自由時間がなくなったと感じている。50%の人が3台以上のモバイルデバイスを持っているという結果を提示した。そして、「技術こそが世界を変え、人々の生活を変えられる。それがマイクロソフトのビジョン」と語り、自由な時間の確保や、増大する情報へ常にアクセスしたいというユーザーの期待などを、新Office開発の背景として紹介した。
新Officeの特徴については、「もっと賢く、使いやすく」、「Windows 8への最適化」、「クラウド統合」という3つのキーワードを提示。
「もっと賢く、使いやすく」とは、例えばフリックすることでページをめくるなどの直感的な操作が可能としたことや、フラッシュフィルやおすすめグラフ機能などデータ分析に基づいてリッチなコンテンツをより簡単に作れるようにしたことなど、ユーザーがやりたいことを、よりスマートに実現できることを表している。
「Windows 8への最適化」については、「マルチデバイス」という会見中に多く使われた。PCだけでなく、スマートフォンやタブレットなどでの生産性/閲覧性を高めていることを示している。
先のフリック操作などもそうだが、タッチやペンでの操作にも最適化している。また、左から右へドラッグ/フリックという同じ操作でも、マウスならテキスト選択、タッチならページめくり、ペンなら線を引く、といった具合に結果が変わるようになっている。
ほかにも、スマートフォンやタブレットで使うときにリボンUIのボタンを大きくしたり、よく使うコントロールだけを右端に表示させるような機能を持っているという。
「クラウド統合」は、新Officeで作成されたコンテンツは全てSkyDriveへ保存されるという特徴を示している。カスタマープレビューでも75%の人がSkyDriveへアクセスし、新Officeで作成されたコンテンツが9億ファイル保存されているという。
SkyDriveに保存されているコンテンツをほかの人と共有して編集作業を進めることができることや、SNSへの投稿機能を備えることで、よりリッチな情報を配信したいというニーズに応えることができるとした。
ちなみに、デフォルトではSkyDriveに保存されるが、同時にローカル側にもキャッシュ(複製)を保存。ネットワークが切れている状態でも同じPCで編集し、ネットワークが回復したときに自動的に同期されるようになっている。
また、パーソナライズも行なっており、アカウントのユーザーごとに最新ドキュメント、よく使うテンプレートなどを記録しており、家族で共有している場合には、お互いに参照することができるなどの機能も持っている。
このほか、新Officeはハードウェアアクセラレーションを活用し、バッテリ駆動時間の改善にも寄与しているという。例えば、従来のOfficeでは文字入力の際にカーソルが点滅するが、新Officeでは一定時間操作がないと点滅を止める。PCのリソースを少しでも使わないようにするためだ。もちろん、あくまで一例で、カン氏は「カーソル点滅は非常に小さな改善にしかならないが、こうした小さなことを積み重ねている」とした。
また、Office上ではOfficeアプリはという、クラウドベースで動作するアプリの開発モデルも提供される。日本を含めた世界各国の開発者が作りやすく、ユーザーはダウンロードしやすいものであるとした。
PCメーカーや“サポーター”としてチュートリアルの徳井さんらも登壇
記者会見では、2月7日以降に発売される各社の新Office搭載PCが展示されたほか、NECパーソナルコンピュータ、ソニー、東芝、富士通(登壇順)の代表者が、新Officeへの期待や搭載PCの紹介を行なった。
NECパーソナルコンピュータ代表取締役社長の高塚栄氏は、「新Officeの登場は我々にとっても嬉しいことだが、一番幸福感を味わえるのはユーザーだと思う。日本のPCにはOfficeが入っているのが当たり前なぐらいで、Officeはいつ新しくなるんだと待ち望んでいたものがやっと手に入る」と述べ、LaVie Zを手に、モバイル環境でもコンテンツ作成がしやすくなるメリットを強調した。また、NECのユーザーには初心者も多いことから、動画ナビや小冊子などでサポートしていくことを紹介した。
ソニー業務執行役員SVP VAIO & Mobile事業本部本部長の赤羽良介氏は、春モデルでVAIO Tシリーズの13/14/15型全てがタッチ対応となるなど、タッチモデルをアピール。また、自身で作成したスライドを紹介し、「タッチもペンも快適。こうなると自分で何か作りたいという気持ちに駆り立てられる。スライドも簡単にできて仕事も楽しくなる。そして、PCも楽しいものにできるのではないかと思う。このような新しい体験を提供することで、PC業界を活性化させたい」と、他社を含めたPCメーカーと協力して業界を盛り上げたいという意向を示した。
東芝デジタルプロダクツ&サービス社DS第一事業部事業部長の長嶋忠浩氏は、「日本でPCを買う人は買い換えが多くなっており、従来のOfficeを使っている人が、いち早く新しいOfficeで加わった機能を使えるようにしたい」とし、春モデルで投入される新Office搭載モデルに、Officeのレッスン動画をプリインストールしている。レッスン内容を画面の端に置いて操作に慣れられるようにしているという。
富士通執行役員常務の大谷信雄氏は、春モデルにおけるタッチパネル搭載モデルの拡充をアピール。「店頭で(タッチ非対応の)A4ノートの画面をタッチしている人がいるなどニーズを感じたこともあり、今回はA4ノートなどの主力モデルも含めてタッチ化した」といったエピソードも紹介。とくに指紋や脂が付きにくい特殊コートなどをアピールしている。
また、家電通としても知られるお笑いコンビ、チュートリアルの徳井義実さんが新Officeサポーターとして登壇。体操競技日本代表の田中和仁さん、田中理恵さん、加藤凌平さんらとともに、新Officeを使って、練習風景をOneNoteにまとめる、体調管理のためにExcelのテンプレートを使ってカロリー計算を行なう、Wordでレポートをまとめて新しい閲覧モードで読む、ペンで文字を書いて友達とコミュニケーションを行なう、結婚式を控えた田中和仁さんのために妹の理恵さんがPowerPointで思い出の写真を集めたスライドを上映する、といったデモが行なわれた。