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GeForce RTX 4090超えのAI性能を謳うモバイル向けCPU「Ryzen AI Max」

Ryzen AI Maxシリーズ

 AMDは、最大16基のZen 5コアを搭載するモバイル向け高性能CPU「Ryzen AI Max」シリーズを発表した。専用設計のメモリアーキテクチャにより、グラフィックスやAI処理などで優れた性能を発揮できるとする。採用製品は、ASUS、HPなど各パートナーより2025年第1〜第2四半期に順次投入される見込み。

 Ryzen AI Maxシリーズは、Ryzen AI 300シリーズよりもさらに上位に位置付けられる高性能CPU。最上位モデルで16基のZen 5コア、40基のCU(RDNA 3.5)を持つRadeon 8060S GPU、50TOPSのAI性能を発揮するXDNA 2 NPUを搭載。これに加えて、専用アーキテクチャを使用したメモリインターフェイスにより、256GB/sのメモリ帯域幅を実現できるほか、最大96GBをビデオメモリとして割り当てられる点が大きな特徴となる。

Ryzen AI 300シリーズよりさらに上位の位置付け
Zen 5コアやRDNA 3.5ベースの内蔵GPU、NDNA 2ベースのNPUに加え、高速なメモリを搭載する点が特徴

 同社の説明によれば、最上位の「Ryzen AI Max+ 395」とCore Ultra 9 288Vと比べた場合、3Dレンダリング性能で平均2.6倍、グラフィックス性能で平均1.4倍高速だという。また、M4 Pro搭載のMacBook Proと3Dレンダリング性能を比べた場合でも、優れた性能を発揮できるとしている。

 さらに、広帯域かつ大容量のビデオメモリを提供できることを生かし、ハイエンドGPU内蔵のデスクトップPCよりも高速にAIワークロードを処理できるのも大きな特徴。パラメータ数の非常に多い大規模言語モデル(LLM)も動作可能で、700億パラメータのLlama 3.3であれば、GeForce RTX 4090搭載デスクトップPCより最大2.2倍のAI性能を発揮できると説明している。

Core Ultra 9 288Vとの3Dレンダリング性能の比較
Core Ultra 9 288Vとのグラフィックス性能の比較
M4 Pro搭載MacBook Proとのレンダリング性能の比較
高速かつ大容量なメモリを生かし、GeForce RTX 4090を上回るAI性能も謳う

 ラインナップはビジネス向けのPRO版を含む7種類を用意する。

 通常モデルの主な仕様は「Ryzen AI Max+ 395」の場合、コア数が16基、スレッド数が32基、最大クロックが5.1GHz、キャッシュが80MB、CU(GPUコア)が40基、cTDPが45〜120W。

 「Ryzen AI Max 390」の場合、コア数が12基、スレッド数が24基、最大クロックが5GHz、キャッシュが76MB、CUが32基、cTDPが45〜120W。

 「Ryzen AI Max 385」の場合、コア数が8基、スレッド数が16基、最大クロックが5GHz、キャッシュが40MB、CUが32基、cTDPが45〜120W。

製品ラインナップ
HPやASUSなどから順次採用製品が投入される
【表】Ryzen AI Maxシリーズの主な仕様
モデル名コア/スレッド数CPUクロック
(ベース/ブースト)
キャッシュGPUGPUクロックCU数NPUピーク性能cTDP
Ryzen AI Max+ 39516/323GHz/5.1GHz80MBRadeon 8060S2.9GHz4050TOPS45〜120W
Ryzen AI Max+ PRO 395
Ryzen AI Max 39012/243.2GHz/5GHz76MBRadeon 8050S2.8GHz3250TOPS45〜120W
Ryzen AI Max PRO 390
Ryzen AI Max 3858/163.6GHz/5GHz40MBRadeon 8050S2.8GHz3250TOPS45〜120W
Ryzen AI Max PRO 385
Ryzen AI Max PRO 3806/124.9GHz22MBRadeon 8040S2.8GHz1650TOPS45〜120W