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AIは人間の創造性を置き換えない。クリエイターが安全に使えるAIを目指すAdobe

中井陽子氏

 Adobeは6日、同社の2024年の取り組みの振り返り、および2025年の展望について紹介。4月にアドビ株式会社の代表取締役に就任した中井陽子氏が登壇して挨拶するとともに、説明を行なった。

 中井氏は、1997年から日本および米国のMicrosoftで、WindowsやOfficeなどさまざまな製品に携わってきた人物。アドビでは今後、日本のすべてのユーザーのクリエイティビティを最大限解き放ち、ワクワクする体験を日本から世界に発信していくようなことを実現していきたいと語った。

 2024年度については、生成AIが大きなトピックとなった中で、同社ではAdobe Stockを使ったAIモデルの学習やコンテンツクレデンシャルなど、AI利用における倫理観を世に打ち出す取り組みを行なってきたと説明。その上で、生成AIはあくまでもツールであり、人間の創造性を置き換えるものではなく、クリエイターをアシストするためのものだとアピールしてきたという。

 また、Acrobatでは「Acrobat AI Assistant」と呼ばれる対話型のAI機能を実装。書類を読むだけでは見つけ出せない知見や情報をAIが探し出してくれるもので、デジタル文章を資産として活用するための新たな手段になると紹介した。加えて、同社の提供するマーケティングソリューションにも生成AIを導入し、新たな需要の掘り起こしなども実現可能としたと振り返った。

生成AIは人間の創造性を置き換えるものではないとアピール
AcrobatにもAI機能を実装した

 2025年度の国内での取り組みについては、クリエイターが作品を保護できる仕組み「Adobe Content Authenticity」などを通じて、AIの安全な利用やクリエイターへのリスペクトをアピールしていく。また、2025年春に向けたAcrobat AI Assistant日本語版の展開、コンテンツ制作からマーケティングまでを一気通貫して提供するコンテンツサプライチェーンの活用の加速化も図っていきたいとした。

2025年度は安全なAI利用に向けた取り組みなどに注力
2025年2月にはクリエイター向けイベントのAdobe MAX Japanも東京で開催予定