ニュース

アジアで拡大するVESA、DisplayPortの進展を紹介

 Video Electronics Standards Association(VESA)は21日、報道者向けの年次記者会見を開催した。会見では、VESA Compliance Program Managerのジム・チョート(Jim Choate)氏が登壇し、VESAについてやDisplayPortをはじめとした各種標準仕様の最新情報を紹介した。

 ゲストスピーカーとして、ヌヴォトンテクノロジー 主任技師の高橋学志氏も登場し、VESA標準の評価事例を説明した。

VESA Compliance Program Manager ジム・チョート氏

 VESAは、ハードウェアやソフトウェア、PC、ディスプレイ、コンポーネント製造業者のグローバルネットワークを代表する国際的な非営利標準化団体であり、この10年で208社から339社まで会員数が増加している。チョート氏によると、特にアジアでの会員数の増加が顕著であり、これは製品開発や製造の中心が欧米からアジアに移行したためだという。

 同氏はまた、VESAの規格はDisplayPortだけでなく、ゲーミングコンソールやヘッドセット、デジタルプロジェクター、自動車用ディスプレイ、そしてデジタルサイネージやキオスクなど多岐にわたる分野で策定されていることにも触れた。

VESAの会員数は2024年で約340社に
アジアの会員が全体の2/3を占める
さまざまな分野で標準規格を策定している

 チョート氏はDisplayPortに関して、USB4やThunderboltの登場により、DP Altを含めて急速に普及していると語った。現在、ノートPCの95%以上でeDP(Embedded DisplayPort)が採用されており、ハイエンドタブレットや自動車などでも重要な役割を果たしているという。

 最新版のDisplayPort 2.1aは、高速な転送レートに対応するため従来のDP40ケーブル仕様からDP54ケーブル仕様に更新されている。これにより、従来のDisplayPort 1.4と比較して3倍のビデオ帯域幅性能を実現する。また、同規格は8K(7,680×4,320ドット)/60Hz駆動を初めてサポートしている。

DisplayPortは急速に普及している
DisplayPort 2.1aはDP54ケーブルを導入
DisplayPort 2.1aはDisplayPort 1.4の3倍のビデオ帯域幅性能を実現
ヴォトンテクノロジー 主任技師 高橋学志氏

 高橋氏は、VESAのAdaptive-Syncについて紹介した。同技術は、可変リフレッシュレートを採用して、GPUからの出力フレームレートにリフレッシュレートを同期させることで、フレーム落ちやティアリング、ゴースト現象を抑制し、3Dビデオゲームや映像再生の品質向上に貢献するもの。

 VESAが用意している最新のコンプライアンステストである「Adaptive-Sync Display CTS v1.1a」では、デュアルモードのテストとロゴが追加されている。

 同氏は、最新のAdaptive-Sync認証を受けた製品として、LG製のゲーミングモニター「32GS95UE」を紹介した。同モニターは、4K(3,840×2,160ドット)/240HzとフルHD(1,980×1,080ドット)/480Hzのデュアルモードに対応する。

Adaptive-Syncについて
Adaptive-Sync有無によるゲームプレイ中の違い
Adaptive-Sync Display CTS v1.1aについて
32GS95UEについて