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「サードパーティCookie廃止しない」と手のひらを返したGoogleにW3Cが遺憾示す

 Web技術の標準化を行なう非営利団体のWorld Wide Web Consortium(W3C)は29日にブログを更新し、Googleが22日に発表した「サードパーティCookieの廃止をやめる」声明に対して遺憾を示すとともに、「サードパーティCookieは消えるべきである」とメッセージを打ち出した。

 W3Cによれば、サードパーティCookieはログインやシングルサインオン、ショッピングカートに入れるといったユースケースでは役立つが、監視や広告ターゲティングの目的で、サイト間での閲覧アクティビティを目に見えない形で追跡するために使用されることがあり、こうした隠れた個人データの収集は「すべての人のプライバシーを侵害する」という。

 また、追跡とデータ収集、仲介は、政治メッセージのマイクロターゲティングを支持してしまう可能性があり、社会に有害な影響を与える可能性もある。このためほかの団体や規制当局もサードパーティCookieを否定している。

 W3Cは、Google ChromeにおいてサードパーティCookieに代わる予定だったプライバシーサンドボックスチームと数年にわたって協力してきており、大きな進歩を遂げたのだが、今回のGoogleの発表は突然のものであり、「(W3Cの)協力してきた多くの作業を損なうものだ」と遺憾を表明した。

 GoogleのサードパーティCookie廃止の撤回は、代替手段に関するクロスブラウザの取り組みを遅らせ、二次的な影響もあり、Web上のプライバシー向上において全体的に悪影響を及ぼすだろうと懸念を示したうえで、GoogleがサードパーティCookieの廃止に向けて再び取り組むことを願うとした。