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GoogleがサードパーティCookie廃止の方針を転換。Chromeに新プライバシー保護機能の追加を予告

 Googleは22日(現地時間)、サードパーティCookieを廃止する方針を転換し、Google Chromeのプライバシー制御機能として追加すると発表した。

 同社では2021年、ユーザーのプライバシー保護を目的として、Web広告などに用いられているサードパーティCookieの廃止を告知。世界各国の規制当局や広告業界はじめ関係する各機関との調整を進め、2022年までの全廃を目指していたが、のちに2024年後半へ延期された。

 このとき、サードパーティCookieに代わるプライバシー保護技術として「プライバシーサンドボックス」の提供を発表。これはコンテンツパブリッシャーの収益性を確保しつつユーザーのプライバシー保護水準を高める試みであり、関係各所との協議を進めるとともに移行のための期間を設けていた。

 プライバシーサンドボックスVPのAnthony Chavezが更新したブログ記事では、プライバシーサンドボックスへの移行には多くの関係者に対して多大な作業量が発生する点を踏まえて、サードパーティCookieを廃止する代わりに、Chromeへ新しいプライバシー保護機能を追加することを明らかにしている。この新機能について具体的なことは述べられていないが、「ユーザーがWeb閲覧全体に適用される情報に基づいた選択を行ない、いつでも変更できるようにする」という。また、ChromeのシークレットモードにIP保護機能を追加すると予告している。

 なお、プライバシーサンドボックスAPIを用いた初期テストにおいては、サードパーティCookieを使用しない場合にコンテンツパブリッシャーへの収益が減少するという結果が出ている。これに関してブログ記事では、業界でプライバシーサンドボックスの採用が増えることでコンテンツパブリッシャーの収益性に関するパフォーマンスは時間とともに改善する見込みがあるとしており、引き続きプライバシーサンドボックスAPIを利用できるようにするとともに、さらなるプライバシー保護と利便性の向上を目指して投資を続けるとの意向も示している。