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自律神経測定ができる世界初のスマホ。新生FCNTが今夏投入

arrows We2 Plus(左)、arrows We2(右)

 FCNT合同会社は16日、レノボによる事業継承後初となるスマートフォン新製品として、「arrows We2」シリーズを発表した。ラインナップは、世界初を謳う自律神経測定機能を搭載したミドルレンジ機「arrows We2 Plus」、およびエントリー機ながら防塵防水や高い耐久性などを備える「arrows We2」の2機種。

 販路については、arrows We2 PlusがNTTドコモ、arrows We2がNTTドコモ、au、UQ mobileで、どちらも8月中旬に発売の見込み。さらに、リテールやECサイトでの販売も予定しているという。

 新生FCNTとしての第1弾製品となるスマートフォンで、2021年に発売した「arrow We」シリーズの後継機種となる。両機種共通で、1.5mの高さからコンクリートに26方向から落としても画面が割れにくいという独自の品質基準を満たしており、MIL規格23項目にも対応する堅牢設計も特徴としている。

独自の品質基準で1.5mから落下しても画面が割れにくいという
MIL規格にも対応

 加えて、ハンドソープでの丸洗いも可能なIPX5/X8防水およびIP6Xの防塵設計、4年後でも初期容量の80%を維持できるというバッテリ、最大3回のOSアップデートおよび最大4年のセキュリティパッチ提供など、高い堅牢性とあわせて長期間使い続けられる仕様とした。

 指定位置から指をスライドするだけでアプリや機能を起動できるスライドインランチャー、指定アプリの非表示や通知オフをまとめて切り替えられるプライバシーモードなどといった独自機能は引き続き搭載。また、電源ボタンを使ってスマートフォンの操作が行なえるExliderが復活。指でなぞることでスクロール、ダブルタップすることで画面のズームも行なえる。

防水防塵などにも対応する
電源ボタンでスクロールなどができるExliderが復活

arrows We2 Plus

arrows We2 Plus(左から、スレートグレー、シャンパンシルバー)

 arrows We2 Plusは、SoCにSnapdragon 7s Gen 2を搭載した6.6型スマートフォン。メモリは8GB、ストレージは256GBを内蔵し、追加で最大8GBの仮想メモリや、microSDカードによるストレージ拡張にも対応する。

 世界初を謳う自律神経測定機能は本機の大きな特徴。専用のアプリを起動し、背面カメラ下の脈波センサーに指を当てて計測を始めると、得られたバイタルデータを元に、独自のアルゴリズムが自律神経の活性度を測定。「自律神経パワー値」として算出し、何歳平均に相当するのかを表示する。計測時間はクイック測定で約2分、高精度測定で約4分となっている。

 測定アルゴリズムは、京都大学名誉教授の森谷敏夫氏が監修。同氏の知見やエビデンスに基づき、自律神経の働きを活性化させるためのTipsも確認できるようになっている。加えて、自律神経のバランスや心拍数なども見ることができ、日々の測定結果を記録していくことも可能。ユーザーが感じる「なんとなく不調」な状態の解決を手助けし、日常のヘルスケアに役立てられるとしている。

自律神経測定機能を搭載
「なんとなく不調」を解消し、ヘルスケア領域で対応をできるように
自律神経を可視化。さらによい状態にするための情報も確認できる
カメラ下にあるのが脈波センサー
指を当てて測定する
測定中の画面。クイック測定で約2分間かかる
測定結果。自律神経パワーの値と、その値の年齢平均、自律神経バランスなどが確認できる

 ディスプレイには6.6型フルHD+のpOLEDを採用。リフレッシュレートは144Hz、ピーク輝度は1,200cd/平方mとなっているほか、ステレオスピーカーの内蔵や、Dolby Atmosのサポートなど、コンテンツ視聴などのエンタメ用途に好適な仕様とした。

 また、カメラを従来モデルから大幅にアップグレード。背面は約5,010万画素広角と約800万画素による2眼構成で、広角カメラにはarrowsシリーズ初となる光学手ぶれ補正を搭載。4つのピクセルを1つとして扱い、暗所撮影性能を高めるクアッドピクセル技術にも対応している。前面カメラは1,610万画素となる。

 そのほか、Wi-Fi 6EやFeliCa/おサイフケータイもサポート。5,000mAhのバッテリで長時間の連続駆動も可能だとする。OSはAndroid 14。カラーはスレートグレーとシャンパンシルバーの2種類。

144Hz表示対応のpOLEDディスプレイを採用
カメラも大幅にアップグレード
主な特徴
arrows We2 Plus
背面
前面
左側面
右側面
天面
底面

arrows We2

arrows We2

 arrows We2は、国内で要望の多いサイズである6.1型ディスプレイを搭載したエントリー向けスマートフォン。FCNTでは初となるMediaTek製SoCのDimensity 7025を採用し、エントリークラス以上の性能を実現したとする。

 背面カメラは約5,010万画素広角と約190万画素マクロの2眼構成。暗所でもディテールを捉えられるといすSuper Night Shotにも対応する。前面カメラは約800万画素となる。

FCNTとしては初のMediaTek製SoC採用機種となる
こちらも背面に約5,010万画素広角カメラを搭載

 また安全対策機能として、通話中に還付金詐欺に関するキーワードを検出すると注意喚起や音声ガイダンスが作動する還付金詐欺対策機能、見知らぬ番号からの着信に対して、通話を録音し利用者に注意喚起する迷惑電話対策機能も備える。

 そのほか、4GBメモリ、64GBストレージ、FeliCa/おサイフケータイなどを搭載。4,500mAhのバッテリを内蔵する。カラーはライトブルー、ライトオレンジ、ネイビーグリーンの3種類。

還付金詐欺対策機能や迷惑電話対策機能も用意
主な特徴
arrows We2
背面
前面
左側面
右側面
天面
底面

新生FCNTでもarrowやらくらくは継続。独自の価値でより魅力的な製品を

田中典尚氏

 製品発表にあわせ、FCNT合同会社事業戦略および新商品発表会も同日開催された。発表会冒頭ではFCNT合同会社 代表取締役社長の田中典尚氏が登壇し、FCNT株式会社(旧FCNT)の経営破綻について謝罪するとともに、FCNT合同会社として再始動できたことに感謝していると述べた。

 その上で、新生FCNTとして初めての新機種を投入することになったと説明。新機種をきちんと世に出し、ユーザーに使ってもらい、価値を理解してもらうことを通じて、事業を再建してきたいと語った。

桑山泰明氏

 続いて、FCNT合同会社 執行役員 副社長の桑山泰明氏から、経営体制や事業戦略について説明が行なわれた。

 新たな経営体制は、旧FCNTから田中氏、櫛笥直英氏(執行役員常務)、中尾雅俊氏(執行役員)の3名、レノボから桑山氏、名越貞寛氏(CFO)の2名の、計5名で進められている。旧FCNT時代から続く「誰1人取り残さない」というフレーズを大切にし、それを実現する「やさしいテクノロジー」をベースに、3つの柱に注力していくと説明した。

 具体的には、やさしいテクノロジーの象徴とも言える「らくらく」シリーズなどシニアへの取り組み、arrows Nシリーズをはじめとしたサステナビリティへの取り組み、ヘルスケアに特化した機能のブラッシュアップの3つとなる。ここに、レノボグループの持つグローバルスケールのサプライチェーンの活用、積極的な投資に加え、投資対効果を見極めることで、強い企業、利益体質の企業へ変えていくという。

FCNT合同会社の新たな経営体制
やさしいテクノロジーをベースとした3つの柱に注力
レノボグループ傘下となることで生まれるシナジー

 その上で改めて、arrowsやらくらくといったユニークなブランドや製品は今まで通り継続し、日本のユーザーに寄り添った独自の価値を提供していくとアピール。レノボグループ傘下となることで生まれるシナジーもいかしながら、より魅力的な製品を提供していきたいと語った。

独自の価値を持つarrowsやらくらくは今後も継続する
企業ロゴも刷新。やさしいテクノロジーという言葉や思いを表現したという

 そのほか発表会では、FCNT合同会社 プロダクトビジネス本部 チーフプロフェッショナルの外谷一磨氏による製品説明や、自律神経測定機能の開発に関わった森谷敏夫氏による講演も行なわれた。また会場では、落下試験や防水設計のデモ、分解機の展示も実施されていた。

外谷一磨氏
森谷敏夫氏
落下試験のデモ
防水設計のデモ
arrows We2 Plusの分解機。プラスチックやアルミニウム部品の約60%に再生材を使用している
arrows We2の分解機。こちらは約65%に再生材を使用している