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NVIDIA製CPU+GPU搭載スパコンがさらに拡大。量子コンピューティングでの活用も

Grace Hopper採用スーパーコンピュータが拡大

 NVIDIAは、同社が開発したArm CPUとGPUを組み合わせたコンピューティングモジュール「NVIDIA Grace Hopper Superchip」が、新たに9台のスーパーコンピュータに導入されたと発表した。これらのシステムを合わせた演算性能は200EFLOPS(エクサフロップス)に達するとしている。

 NVIDIA Grace Hopper Superchipは、同社が開発したArm CPU(Grace)とGPU(Hopper)を1モジュール上に統合したスーパーコンピュータ用モジュール。HPCやAIのワークロードの好適とするほか、エネルギー効率の高さも特徴だと説明しており、x86 CPUとHopper GPUを組み合わせた場合と比べると、2倍以上のエネルギー効率を実現できるとしている。

 Grace Hopperが採用されたスーパーコンピュータは、フランスの「EXA1-HE」、ポーランドの「Helios」、スイスの「Alps」、ドイツの「JUPITER」、米国の「DeltaAI」、日本の「Miyabi」など。このうち4月に納入されたEXA1-HEは、温水冷却システムを使用したBullSequana XH3000アーキテクチャをベースとしたシステムで、Grace Hopperベースのコンピューティングノードが477基搭載される。

2024年稼働のGrace Hopper採用システムは合わせて200EFLOPSの演算性能に。2倍以上のエネルギー効率を謳う

 また、同社のオープンソース量子コンピューティングプラットフォーム「CUDA-Q」の導入事例についても発表。量子コンピューティングでは、量子とGPUスーパーコンピューティングの緊密な連携が必要だと説明しており、同社のGrace Hopper Superchip搭載スーパーコンピュータとCUDA-Qなどと組み合わせることで、量子コンピューティング研究を推進するとしている。

 日本の産業総合研究所(産総研)が開発を進めるスーパーコンピュータ「ABCI-Q」とQuEra製QPUのほか、ドイツのJUPITERとIQM Quantum Computers製QPU、ポーランドの新型スーパーコンピュータとORCA Computing製QPUといったシステムにおいて、NVIDIA製GPU搭載スーパーコンピュータとCUDA-Qが活用されるという。

産総研のABCI-QなどのQPUでもCUDA-Qが活用される