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ブラックホールに吸い込まれると周りはどう見える?NASAがシミュレーション映像公開

 アメリカ航空宇宙局(NASA)は7日(現地時間)、ブラックホールに飛び込む"視点"のシミュレーション映像を公開した。

 映像はNASAが擁するスーパーコンピュータ「Discover」が行なったシミュレーションを可視化したものであり、データ容量は約10TBに達する。シミュレーションは12万9,000基あるプロセッサのうち0.3%を割り振って5日間かけて実施。これは一般的なノートPCで同じ作業を行なった場合には10年以上かかる計算だとしている。

 シミュレーションのモデルとして用意されたブラックホールは太陽の430万倍の質量を持つ「超大質量ブラックホール」で、天の川銀河の中心にあるブラックホールと同等だという。

 公開された動画は、後戻りできない「事象の地平面」(イベント・ホライゾン)の先に進んだシナリオと、事象の地平面に到達する前に引き返したシナリオをそれぞれ表現した2本。ブラックホールの周囲に渦巻く「降着円盤」やブラックホール外縁部の「光子リング」を視覚的な基準とし、カメラがブラックホールを周回しながら事象の地平面に近づく、あるいは遠ざかる様子を解説している。

 ブラックホールに飲み込まれた物体はスパゲッティのように引き伸ばされ、やがて分解され、ブラックホールの中心にあるとされる特異点に向かうと考えられている。

カメラが事象の地平面を越えるシナリオ

カメラがブラックホールに近づき、引き返すシナリオ