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新「iPad Pro」、1世代飛ばしたM4と2層OLEDを搭載しつつ、Apple史上最薄の製品へ

iPad Pro

 Appleは7日(日本時間)、特別イベントを開催し、新設計の「iPad Pro」を発表した。11インチと13インチの2種類が用意され、価格はそれぞれ999ドル、1,299ドルより。ストレージ容量は256GB、512GB、1TB、2TBの4種類。

 デザイン面では薄型/軽量化されているのがトピックで、11インチモデルは5.3mm、13インチモデルは驚異的とも言える5.1mmとなっており、「iPod Nanoよりも薄く、Appleの製品でもっとも薄い」としている。また、重量もそれぞれ約444g、580gに抑えた。

 機能面での進化点は「タンデムOLED」と呼ばれる独自の2層構造OLEDを採用している点で、これにより大きなディスプレイサイズを実現しながら、プロに求められる高い色精度と、標準1,000cd/平方m、ピーク時最大1,600cd/平方mの輝度を達成した。オプションではナノテクスチャグラスを選択でき、環境光の映り込みを抑えられるという。

iPod Nanoよりも薄く、「Apple史上最薄の製品」となった
重量も抑えられている
タンデムOLEDを採用したディスプレイ

 また、前世代のM2から、M3プロセッサを飛ばし、M4プロセッサを搭載している。このプロセッサは第2世代3nmプロセスを採用し、280億トランジスタを内包。4つの高性能CPUコアと6つの高効率CPUコアを内蔵するほか、M3で導入したGPUをベースとし、10コアを搭載し、ハードウェアメッシュシェーディングやレイトレーシングをサポートする。

 M2と比較してCPUは最大で50%高速、GPUは最大で4倍高速な一方、同じ性能では半分の消費電力で済むという。また、ほかの薄型ノートPCに搭載されるプロセッサと比較すると電力は4分の1だという。Nueral Engineも内蔵し、処理速度は38TOPSとなる。

4つの高性能コアと6つの高効率コア
タンデムOLEDをサポートする新しいディスプレイエンジン
16コアのNeural Engine
GPUはメッシュシェーディングやダイナミックキャッシュ、ハードウェアレイトレーシングに対応
M4の特徴

 放熱面でも配慮し、カーボンシートを採用し熱を拡散させているほか、Appleロゴに銅を採用することで放熱性を高めたという。

 カメラとマイクも進化し、4K ProResが撮影できる1,200万画素のカメラを内蔵。3DスキャナのLiDARやTrueToneフラッシュも備える。前面カメラは横向き時に上部に来るようになった。

1,200万画素の背面カメラ

 オプションのMagic Keyboardは一新され、より薄く軽量となった。機能面ではファンクションキー列を追加したほか、アルミニウム製のタッチパッドを搭載。MacBookを使っているような感覚が得られるという。Magic Keyboardの価格は11インチ向けが299ドル、13インチ向けが349ドルより。

2サイズ、2色を用意したMagic Keyboard
ファンクションキーを搭載し、画面輝度などをすぐに変更可能

 新たなアクセサリである「Apple Pencil Pro」も対応した。Apple Pencil Proでは強く握った際にメニューを出す(この際にハプティックフィードバックを行なうという)、回転させた際にブラシの向きを変えるといったアクションも可能となった。

 iPad Proの側面にマグネットで装着して充電が可能なほか、「探す」機能にも対応し、なくした際に見つけやすくなった。Apple Pencil Proの価格は129ドルより。

強く握った際にメニューを出すことができるようセンサーを追加搭載
ジャイロスコープを内蔵したことで回転も検出できるようになった