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ロボットスーツでバトル!対戦アトラクション「RFIGHT」が東京タワー「RED° TOKYO TOWER」に新たに登場
2024年4月22日 06:07
TEG株式会社は東京タワー直下の「フットタウン」内にあるデジタルアミューズメントパーク『RED゜TOKYO TOWER』3階に、新アトラクションとして「RFIGHT ロボットファイト」を2024年4月24日(水)にオープンすると発表し、メディア向けに先行体験会を行なった。
プレイ料金は1回あたり600円/人。なお、別途『RED゜TOKYO TOWER』の入場料が必要となる。所要時間は装着時間を含めて、約5分程度。対象年齢は7歳~60歳。身長は110cm~200cmまで、体重は120kg未満の人に対応する。性別は不問。
(1) ロボットスーツでバトル!
(2) 必殺技機能で駆け引きが可能
(3) 周りの応援をプレイヤーの力にできる
(4) 楽しく激しくロボットバトル!
(5) プレイ体験にはまだまだ発展の余地がありそう
(6) 東京タワーのアミューズメントパーク「RED° TOKYO TOWER」とは
(7) 「スケルトニクス」の今後の広がり、ARとの組み合わせも
ロボットスーツでバトル!
「RFIGHT ロボットファイト」は、外骨格クリエイター集団の「スケルトニクス」が2010年から開発してきた装着型のエンターテイメント用の外骨格ロボットスーツを装着して遊ぶエンターテイメント。着用者の動作を拡大させ、まるでロボットパイロットになったような気分でバトルするゲームだ。
ただしロボットスーツと言ってもモーターなどで駆動するのではなく、自分の筋力で動かす仕組みであり、スーツ分の重量を背負うことになるなので、連続装用すると、それなりに疲労する。むしろ筋トレになりそうだ。
外装や大きな手は軟質ウレタン素材で覆われている。ガードによって衝撃も和らげられるので、男女年齢を問わず、誰でも安全かつ楽しく遊べる。身長の低いお子さんに対してもスーツ自体のサイズを調整して対応する。
なお、スーツ自体は上から吊られており、万が一つまづいたりして転倒したとしてもブレーキがかかり、バタンと勢いよく倒れてしまう心配はない。サンヨーホームズのリハビリ用転倒衝撃緩和システム「寄り添いロボット」をそのまま使っている。
必殺技機能で駆け引きが可能
ゲームの仕組みはシンプルだ。外骨格スーツの腕部分には、たわみを検知するロードセル、顔部分のガードには感圧センサーが付けられていて、パンチが当たるとゲーム上のHPが減少する。制限時間内に相手のHPをゼロにするか、一定時間後により多くのHPが残っていたほうが勝ちとなるゲームだ。HPは腕先のゲージにLEDで表示されている。
センサーの情報はスーツの背中部分にあるRaspberry Piを使ったボードに送られ、Bluetoothで外部に送られる仕組みとなっている。
背中部分にはラジコン用のニッケル水素バッテリも配置されている。こちらはその処理のほか、LEDを光らせたりするためにも使われている。あえてニッケル水素バッテリとしているのは、飛行機で運べるようにするためだ。海外にはすでに何度も運んでいるとのこと。
プレイ開始前には3種類の技の中から、「必殺技」を1つ選ぶ。ダメージを受けると「必殺技」のゲージが貯まり、手元のボタンを押すことで、相手により多くのダメージを与えることができる必殺技を繰り出すことができる。この必殺技の使いどころによって、駆け引きが行なえる仕組みだ。
必殺技は一定時間ダメージが無効になる「ムテキモード」、大きなダメージを与えられる「イチゲキヒッサツ」、一定時間攻撃力が上がる「バーサーカー」の3択だ。
周りの応援をプレイヤーの力にできる
また、周囲のオーディエンスがタブレットやスマホをタップして「応援する」こともできる。多くのタップが集まるとプレイヤーのステータスが強化され、体力を回復させたり、攻撃力をアップさせたり、必殺技ゲージを貯めたりと、オーディエンスの応援をプレイヤーの力とすることができる。そのため、できれば4名くらいのグループであれば大いに楽しめるという。
将来的には、この応援の仕組みを広げ、たとえば「チャンピオン大会でバトルしているプレイヤーを、全国の観戦者が応援する」といった仕組みも考えているそうだ。
楽しく激しくロボットバトル!
一通り説明を聞いたあと、早速試させてもらった。まず、サポートを受けながら着用する。肩の高さを合わせてスーツを背負い、胴体部分にベルトで締め付けたら着用完了だ。重さはそれなりにある。
腕の先には小さな白いボタンがある。これが「必殺技」を繰り出すためのボタンである。腕を動かしてみると、そのまま動かせ、違和感はほとんどなかった。
必殺技を適当に選択したあとは、早速、バトル開始である。最初は距離感を掴みにくいが、動かしてバンバンやりあっていると、段々分かってくる。顔部分を殴られても、確かに押される感覚はあるものの、強い衝撃はない。
なお、ボクシングのようなガードをしても、あまり意味はないし、むしろ自分の腕でセンサーを押してしまったりするので、ひたすら手数を出すほうがいい。
バトルは基本的に1ラウンド30秒、3ラウンド制で行なわれる。実際にバトルをやっていると、ほとんどHPゲージを見る余裕はない。ゲージがたまっているかどうかもあまり分からないのだが、とにかく適当に必殺技ボタンを押したりしながら楽しく腕を振り回していると、あっという間にゲーム終了となった。
タブレットを使って外から応援してもらったことと、もちろん手加減してもらったことで、いちおう勝利させてもらった。なるほど確かに、4人グループで遊びに来たときにプレイしたら大いに盛り上がりそうなゲームである。
30秒×3ラウンドという長さも、ちょっと短すぎるような気もするのだが、実際に身体を動かして運動すること、アミューズメント施設の中でほかのゲームもすることなどを考えると、ちょうどいいくらいなのかもしれない。
プレイ体験にはまだまだ発展の余地がありそう
ただ、ゲーム時間が限られていることもあり、もう少し改善を期待したい点もあった。先ほど述べたように、自分自身のステータスが今ひとつよく分からないのだ。できればヘッドフォン越しの音声などを使って、現在の状況をフィードバックしてくれるとうれしい。
具体的に言うと「やられているぞ!」とか「今が必殺技のチャンスだ!」といったセコンド的なアドバイスや、タブレットを使った応援機能があるなら、その応援され具合が聞こえると、もっと没入感が上がるし、うれしいのではないだろうか。
また、装着者の顔はLEDで照らされているので、どうせならそのLEDの色が変化することで、どのくらいHPが削れているかを教えてくれるといった機能でも良いかもしれない。
また、当日はまだ本番前だったことと、たまたま大きなコラボイベントに会場が使われていたこともあり、やや体験空間が限られていて、「足」を使った勝負ができなかった。たぶん足を本格的に使うと、またプレイ体験も大きく変化すると思う。
このように、実際にアミューズメントパークの中でやってみると、いろいろと想像することができた。ぜひ読者の皆さんも一度体験してみてほしい。できればグループで訪問するのがオススメだ。
東京タワーのアミューズメントパーク「RED° TOKYO TOWER」とは
「RED° TOKYO TOWER」は東京タワー内に2022年4月に開業したアミューズメントパーク。最新ゲームタイトルをプレイしたり、日本ではここだけにしかない世界最先端のXR技術を搭載したスタジアムで大会やイベントを楽しんだりと、あらゆる場面で遊びを詰めこんだ「異次元のエンタメ体験」を提供する空間を追求している。eスポーツにも力を入れている。筆者らが訪問したおりは多くの男女や家族連れが楽しんでいた。
運営するTEGは、東京タワーを拠点にIPとファンをマッチングする事業を展開する会社。東京タワー内のテーマパーク運営やIPコンテンツ事業などを手掛けている。
「RFIGHT」については、しばらく体験できる予定だ。特に場所柄、インバウンド需要には期待しているという。将来的には、たとえば5階に設置された床面と壁面3面がすべてLEDになった「RED° TOKYO TOWER SKY STADIUM」などで「RFIGHT」を行なうといった演出ができればおもしろいのではないかという考えもあるとのことなので、期待したい。
「スケルトニクス」の今後の広がり、ARとの組み合わせも
装着した人の動きを拡大できるロボットスーツ「スケルトニクス」の事業は、2024年現在は、株式会社ロボットライドが手がけており、身体機能の拡張による新たなエンタメを目指している。
「RFIGHT」用の「スケルトニクス」は、腕を動かすリンク機構の自由度を3つから2つに簡素化することで機体全体を軽量化したりするなど、今も工夫を続けている。
コンテンツとしても将来は、AR(拡張現実)との組み合わせを想定している。ARを使えば、たとえば最初は「ロボット」の姿が見えていて、相手を殴ると外装が破壊されていくといった、破壊のカタルシスを感じさせる演出も可能になる。
また、腕先に対して異なる見た目とステータスを与えることで、片方を盾、片方を剣とするといった演出もできる。あるいは「ロケットパンチを飛ばす」とか、「ハンマーを投げる」といった演出もおもしろそうだ。
巨大ロボットアニメ世代だという株式会社ロボットライド代表取締役の宮本大輔氏によれば、事業展開については苦労もあるものの、国内外から「ほかにはないコンテンツ」として時々大きなオファーをもらうこともあり、「巨大ロボットに乗る」ような体験を広く伝えるべく、今後も活動を続けていきたいとのことだった。