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Tenstorrent、AI向けのPCIe拡張カード。599ドルから購入可

Grayskull e75

 数々のプロセッサを手掛けた奇才ジム・ケラー氏が率いる、AI処理向け半導体を開発するTenstorrentは5日、初の拡張カード型のA推論処理向け開発キット「Grayskull Dev Kit」シリーズを公式サイトで発売した。価格は「Grayskull e75」が599ドル、「Grayskull e150」が799ドル。

 いずれもAIの実験と開発のための基礎的なプラットフォームを提供する、推論専用の入門用ハードウェア。「TT-Buda」というトップダウンアプローチ(モデルを簡単に起動して実行する)と、「TT-Metalium」というボトムアップアプローチ(モデルのカスタマイズやマシンラーニング以外のコード実行といった開発)ソフトウェアの両方が利用できる。

 対応する主なモデルとしては、自然言語処理タスクのBERT、画像認識のResNet、音声認識と翻訳のWhisper、リアルタイムの物体検出のYOLOv5、画像のセグメンテーションを行うU-Netなど。

 いずれもプロセッサとしては「Grayskull」を採用するが、e75はTensixコアが96基、クロックが1GHz、SRAMが96MB、メモリが8GBのLPDDR4(帯域幅は102.4GB/s)、消費電力は75W、インターフェイスはPCI Express 4.0 x16となっている。LowProfile対応で、本体サイズは冷却キット付きで257×98×18mm、なしで167.5×69×18mm。なお、ファン稼働用にPCI Express 6ピン補助電源を利用するという。

 e150はTensixコアが120基、クロックが1.2GHz、SRAMが120MB、メモリが8GBのLPDDR4(118.4GB/s)、消費電力は200W、PCI Express 4.0 x16となっている。こちらはフルハイトで、本体サイズは冷却キット付きで399×114×362mm、なしで60×111×36mm。PCI Express 6+2ピンおよびPCI Express 6ピン補助電源を利用する。

Grayskull e150