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Core Ultra搭載ノートを国内最速で出した狙いは? デルの新製品発表会

 デル・テクノロジーズ株式会社は15日、Intelの最新CPU「Core Ultra」シリーズを搭載した個人向けノートPC「Inspiron 13 5330」を発表した。本項では、同日に実施された発表会について紹介する。

 発表会では、同社コンシューマー&ビジネス マーケティング統括本部 本部長の横塚知子氏や、CSB PGTM プロダクトアソートメントプランナー兼コンサルタントの松原大氏が登壇したほか、インテル株式会社 技術本部部長工学博士の安生健一朗氏がゲストとして招かれた。

Inspiron 13 5330(プラチナシルバー)

 横塚氏は、コンシューマービジネス分野での最新の取り組みとして、販売方法における顧客の目線に立った3つの改良を紹介した。改良点は以下の通り。

  • 製品検索を容易にするため、公式サイトにおける個人および法人向けのカテゴリを一本化
  • プロモーションによる価格変動を最小限に抑え、プロモーション期間を極力長くすることで、ユーザーがいつでも容易に製品を購入できる環境を整備
  • 購入経路に関わらず、すべてのユーザーが同じキャンペーンに参加できるように、従来のプロモーション設定を変更

 同社は今後も、ユーザーのライフスタイルや世の中の変化にあわせて、購入方法などの取り組みを考えていくと、同氏は語った。

デル・テクノロジーズ株式会社 コンシューマー&ビジネス マーケティング統括本部 本部長 横塚知子氏

 松原氏は、新製品となるInspiron 13 5330について紹介した。同氏は、本製品を日本初のCore Ultraシリーズ搭載ノートであると強調しており、いち早く発売した理由については、生成AIが今後PCに対して大きな変革をもたらすとの見込みから速やかに市場に投入したと説明している。

 また、Inspiron 13でCore Ultra搭載モデルを発売した点については、新生活を迎える新社会人や学生におけるモバイルノート需要の高さに応えるためと述べたほか、Core Ultraの特徴である低電圧によるバッテリ駆動時間の長さも製品の発売を促進した要因の1つであると語った。

 Inspiron 13 5330では、Core Ultra 5モデルとCore Ultra 7モデルの2機種を用意し、メモリは転送速度を重視してLPDDR5-6400メモリを採用した。Intel Evo認証をサポートするほか、ディスプレイは2,560×1,600ドット表示対応の13.3型非光沢液晶を引き続き採用する。

 カラーはプラチナシルバーに加えてライトピンクを追加し、2色を展開する。また、Inspironシリーズでは初となるMIL-STD-810Hの堅牢性を備える。

デル・テクノロジーズ株式会社 CSB PGTM プロダクトアソートメントプランナー兼コンサルタント 松原大氏
Inspiron 13 5330(プラチナシルバー)
背面
右側面
左側面
キーボード面

 ゲスト登壇した安生氏は、Intel最新CPUであるCore Ultraについての解説を行なった。Meteor Lakeと呼ばれるCore Ultraは、Wi-Fi 7対応や、3Dパッケージング技術「FOVEROS」の採用、内蔵GPUとしてIntel Arcの搭載、低電力アイランドE-Coreの実装、NPU AIエンジンの内蔵などを主な特徴とする。IntelはCore Ultraシリーズを、クライアントSoCアーキテクチャにおける40年間で最大の転換と位置づけているという。

 Core Ultraは、ベースタイル/グラフィックスタイル/SoCタイル/IOタイル/コンピューティングタイルの5つのシリコンから構成されている。これらの異なる製造プロセスで作られたダイを1つに束ねるのがFOVEROSとなる。

 このパッケージング技術を使うことで、従来よりも高密度/低電力/高速通信を可能とするほか、CPUの周辺にグラフィックスやメモリを配置しなければならなかったという従来の概念が覆ったため、ゼロベースでのアーキテクチャの設計が可能となったという。

 Intel Arcについても触れており、前世代と比べてグラフィックス性能が約2倍に向上しているという。同GPUの名称については、従来の外付けGPUのArcに匹敵する性能が持つことからこのブランド名に変更されたという。

 またAIに関しては、IntelはPCにAIを導入することで、これまでクラウドで行なってきたAI作業の一部を肩代わりできるようにするほか、PCの使い方そのものをAIにより変革していきたいとした。

インテル株式会社 技術本部部長工学博士 安生健一朗氏

 発表会ではこのほか、タブレットやスマートフォンをWindows拡張ディスプレイにするIntel Unisonの新機能や、NPUとWindows Studio Effectを利用したWebカメラにおけるAI機能、従来機とのStable Diffusionでの画像生成速度の比較といったデモがInspiron 13 5330によって行なわれた。

Inspiron 13 5330(ライトピンク)
ライトピンクモデルの側面
Intel Unisonの拡張ディスプレイ機能およびWebカメラのAI機能のデモ
従来機とのStable Diffusionでの画像生成速度の比較